つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

今度は戦争だ!

2005-02-04 12:06:23 | SF(海外)
さて、あ~なたと食べたい鮭茶漬け~、な第66回は、

タイトル:ファウンデーション対帝国
著者:アイザック・アシモフ
文庫名:ハヤカワ文庫

であります。

第64回でご紹介した銀河帝国興亡史シリーズの第二巻。

老いたる巨竜である銀河帝国と第一ファウンデーションの戦いを描く第一部。
次なる驚異、謎の人物ミュールとの対決を描く第二部。
の二部構成です。

燃える展開です。
設立から二百年が過ぎた第一ファウンデーション。
俺らの科学力は宇宙一、邪魔する奴は小金一つで簡単抹消!(軽い説明やわぁ)
みたいな感じで版図を広げていきますが……。
ついにと言うか当然というか、帝国の逆鱗に触れ、直接対決を余儀なくされます。

将軍「ボス、あの生意気なガキ潰したいんで、チャカ寄こして下さいよ」
皇帝「やるんかいな、そうかいな。ところでファウンデーションて何よ?」

凄まじく脚色入ってますが、こんな感じでベル・リオーズ(作曲家に非ず)という将軍がファウンデーションに戦いを挑むのが第一部のあらすじ。

いかにファウンデーションがリオーズ君をへこますかは本編を読んで下さい。
個人的には、「テメェの名前を知ってるぜ、イエボー!」(ゲド戦記)のような展開を予想していたのですが、実は……(以下省略)。

新婚さんであるベイタとトランが、ミュールに対抗するために第二ファウンデーションを探すのが第二部。
それまで存在自体忘れ去ってたのに、科学も金も武力も通じない敵に出会ったとたんに同胞を捜すあたり、いい根性してますね第一ファウンデーション。

それはいいとして第二部のキモは――

ミュール格好良すぎ

これに尽きます。

なんたって超能力戦士(サイキックソルジャー)です。
火炎放射も電撃も使いませんし瞳も燃えたりはしませんが、三つどころじゃないぐらいしもべを増やしファウンデーションを脅かします。
彼一人動くだけで一般人一億人以上(もっとか?)の行動が心理歴史学の計算軌道から外れていく……話を根底から覆しかねないシリーズ屈指の名悪役です。

悪役と書きましたが、彼を悪と呼ぶのは語弊があるかも知れません。
心理歴史学に基づいた秩序が正義とは限りませんからね。
(この問題は四巻――ファウンデーションの彼方へ、で語られています)

というわけで今日はここまで。
続きは第68回にて。



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