私はどっぷりと「昭和」の人間で、
しかも、実家の両親が作ってくれるお米や野菜で
育ったものだから、「お残し」が生理的に許せないのです。
だからと言って、よそ様のお子さんを怒鳴りつけたり、
無理やり食べさせたりすることはもちろんないですけど、
出来れば、美しく食べさせたいなぁとは思っています。
昨年度、非常にうまく指導をされていた先生がいらしたので、
出来ればそれにならって、子供たちが気持よく食事できる環境が作れればいいなって思ってました。
主任先生はベテランで給食指導もお上手だから、
まずは一番若い先生のところをと思って、
最初の1週間はそこに張り付き、
「ご飯つぶつぶも全部食べよう!」
「お皿ピッカピカだ。すごいね。」
「きれいに食べてるね。片付けてくれる人も嬉しいねぇ。」
といった言葉を、一人一人にとことんかけて歩きました。
うまくご飯粒がとれない子のは、まとめてあげたり、
スプーンで食べてもいいよって教えてあげたりもします。
もちろん、それぞれが無理なく食べられるように、
最初の盛りは少なめ。
それでも多い人は、箸をつける前に申告通り減らしてあげます。
最初に多めに盛り付けてしまうと、当然残す子が多くなります。
残すのに罪悪感がある子は、無理して食べようとして苦しくなるし、
平気な子は、「学校でも残して良いんだ」を覚えてしまいます。
軽めにしておくと、食べきれる子が多くなります。
「ご飯つぶつぶ」「ゴマつぶつぶ」まで食べる余裕も生まれます。
一方で、物足りない子には、おかわり分がたくさん用意されます。
おかわりの条件は、当然
「すべてのものを綺麗に食べ終えていること。」
ですから、雑に汚く食べがちな「大食い」さん達も
綺麗に食べることを、自分から身につけていきます。
栄養士さんの配慮で、牛乳も
最初の2週間ほどは、幼児用の少し小さいサイズのものを用意していただきました。
これも、最初から飲みきるのが当たり前っていう感じで渡すと、
子供って飲むもんです。
最初の回に、ストローの使い方を教えます。
ストローカバーのビニールは、ばらしてしまうとどこかに飛んでいってしまうことが多いので、うちの学校では、つけたまま両端をストローに突き通して、クシュクシュっと縮めておいて、そのまま使うのです。
これを「芋虫さんつくるよ!」っていう感じで教えると、子供たちも楽しそうに牛乳パックに突き刺し、飲む動作まですんなり入ります。
そして、1回目の給食が終わる頃に、牛乳パックの片付け方を教えます。
平らに畳むのに、中に牛乳が残っているとあふれちゃうから、
振ってみて、空っぽかどうか確かめるんだって教えると、
一生懸命振って確かめてます。
パックを平らに出来ない子には、回ってやり方を教え、
そのついでに
「空っぽの音かなぁ?」
って、振らせてみて、残っていたら
「空っぽにしよう!」
って、パックをうまく傾けてストローをくわえさせれば
みんな、一生懸命吸って空にします。
パックが上手に平らになったら、思い切り褒めてあげちゃいます。
面白いもので、綺麗に平らに出来ているか厳しく見てあげる方が
みんなやる気が出るようです。
たたむのが楽しくて…なのかもしれませんが
牛乳を残す子は今年も殆どいません。
「体にいいから」
とか
「必ず飲まなきゃいけない」
とか、
お説教ぽいことを言わないでも、こんなやり方で
結構残しはなくなるんですね。
(現在、既にほかの学年と同じ量のパックに代わっていますが、
お残しはほぼありません)
一番若い先生のクラスは、1週間で軌道に乗り、2週目には
もう残菜は殆どゼロになりました。
お皿も、どの子のも綺麗で、ご飯つぶの残しもありません。
班で、それぞれの食器ごとにまとめて持ってくる
「食堂方式」をとっていますが、集める時点でも
「ご飯つぶつぶが残ってたら重ねられないよ。」
と呼びかけているので、そこで、班の子同士のチェックが入り
汚いお皿はありません。
片付ける時も、
「音がしないようにおけたら合格!」
って話して、一人一人に「合格!」だの
「名人!!」だの言ってあげていたら、自然に置き方も上手になりました。
ゴールデンウィーク明けからは、
2番目に若い先生のところに入っています。
このクラスは、女の子で「時間切れ残し」狙いのお子さんが2,3人いて、
どうも、それが他のお子さんにも広がってしまったようでした。
お残しが結構でているというので、
ここで立て直したいなぁって思って、この1週間入ってました。
1日目、褒め褒め作戦を展開しながら、状況を見ました。
途中の段階で、机を周り、食べるのが遅い子を励ましたりしました。
それでも、10人以上が残しているのは、最初の分配量にも
問題があるのではないかと思いましたので、
翌日は、子供たちの配り方を良く見て、
一人分を少なめになるようにアドバイスしました。
箸をつける前には、
「多い子は減らしにおいで。」
と呼びかけ、申告通りに減らさせました。
特に、前の日にかなり残した子たちには、
「無理しないでいいんだよ。残すより減らしておこうね。
あとで欲しくなったら、お代りに来ればいいよ。」
と、個別に話しかけて、減らしやすいようにしました。
それでも、これまでで習慣ができているのでしょう、
残す方向で時間切れを狙う子たちが3,4人。
残す気はないけれど、時間配分が悪くて食べきれない子が3,4人。
この日、担任の先生は、
「時間かかってもいいから、たべなさい。」
という指導をされました。
といっても、この先生、表情やいい方がとても柔らかいのです。
「お皿全部にものが残ってるのはねぇ・・・一つだけでもいいから食べておいで。」
と、怒るでもなく、叱るでもなく話すので、子供を追い詰めている感じはしません。
言った後は、どこで食べたらいいか指示するだけで、
放っておいてあげますし。
こうした中で、時間をかけて完食したお子さんが3人。
もちろん、褒めましたけど、
褒めてあげるまでもなく、自分でも食べきれたことに満足そうでした。
勉強でも、給食でも、
「出来ない」って思ってたことが「出来る」って、やっぱり嬉しいんだと思います。
手ごわいのは、3名ほどの女の子。
「何とか食べずに済ませたい」
というのが見え見えの動きをします。
が、優しい担任の先生、そう簡単にはお目こぼししてくれません。
「時間切れはないよ」
ということを教えるために、あえてしていることですので、
泣いても知らん顔。ギリギリまで頑張らせます。
その子なりに頑張ったところが見えたらすかさず褒めて片付けさせました。
私は私で、
「明日は、もっと減らして御覧。お皿一つだけじゃなくて、ご飯もスープも
減らしたかったら減らしていいんだよ。先生、言われたとおりに減らしてあげるからね。無理しないで、気持ちよく食べようね。」
と。
それでも、翌日もこのお子さん達は残しました。
減らしてという呼びかけをしているのに、殆ど減らさなかったし・・。
で、同じことが起こり、
次の日には、ようやく自分で減らしにやってきました。
でも、1つのお皿しか減らさなかったから、他のお皿は食べきれずまたお残し。
それでも、たぶん初めて、1枚だけでもお皿を綺麗にすることができて、
「ピッカピカだねぇ。」
と言われて、嬉しそうにしてました。
本当はね、最初から「残さない」やり方に乗せてしまえれば
こういうこともしなくて済んだんですよね。
一度、「残してもいい」になってしまったから、
「時間切れ残しは出来ないんだよ」
って、体験をさせなきゃいけなくなってしまったわけです。
かわいそうだったなって思います。
でも、今の時点で方向転換しておかないと・・、
「好きなものしか食べないでいい。」
「嫌いなものはグズグズしていれば食べずに済む。」
で、ずっと通したら、結局その子が損するもの。
来週も根気よく働きかけて、軌道に乗せてあげたいなって思います。
勉強も給食も同じ。
「1年生だ!」「小学生になったんだ!」
って張り切っているうちに、
気持ちよく乗せて、
「出来る!」「わかる!」「やった!」
に持っていってあげればいいんですよね。
環境作りが、私たち大人の仕事なんだろうなって思います。
しかも、実家の両親が作ってくれるお米や野菜で
育ったものだから、「お残し」が生理的に許せないのです。
だからと言って、よそ様のお子さんを怒鳴りつけたり、
無理やり食べさせたりすることはもちろんないですけど、
出来れば、美しく食べさせたいなぁとは思っています。
昨年度、非常にうまく指導をされていた先生がいらしたので、
出来ればそれにならって、子供たちが気持よく食事できる環境が作れればいいなって思ってました。
主任先生はベテランで給食指導もお上手だから、
まずは一番若い先生のところをと思って、
最初の1週間はそこに張り付き、
「ご飯つぶつぶも全部食べよう!」
「お皿ピッカピカだ。すごいね。」
「きれいに食べてるね。片付けてくれる人も嬉しいねぇ。」
といった言葉を、一人一人にとことんかけて歩きました。
うまくご飯粒がとれない子のは、まとめてあげたり、
スプーンで食べてもいいよって教えてあげたりもします。
もちろん、それぞれが無理なく食べられるように、
最初の盛りは少なめ。
それでも多い人は、箸をつける前に申告通り減らしてあげます。
最初に多めに盛り付けてしまうと、当然残す子が多くなります。
残すのに罪悪感がある子は、無理して食べようとして苦しくなるし、
平気な子は、「学校でも残して良いんだ」を覚えてしまいます。
軽めにしておくと、食べきれる子が多くなります。
「ご飯つぶつぶ」「ゴマつぶつぶ」まで食べる余裕も生まれます。
一方で、物足りない子には、おかわり分がたくさん用意されます。
おかわりの条件は、当然
「すべてのものを綺麗に食べ終えていること。」
ですから、雑に汚く食べがちな「大食い」さん達も
綺麗に食べることを、自分から身につけていきます。
栄養士さんの配慮で、牛乳も
最初の2週間ほどは、幼児用の少し小さいサイズのものを用意していただきました。
これも、最初から飲みきるのが当たり前っていう感じで渡すと、
子供って飲むもんです。
最初の回に、ストローの使い方を教えます。
ストローカバーのビニールは、ばらしてしまうとどこかに飛んでいってしまうことが多いので、うちの学校では、つけたまま両端をストローに突き通して、クシュクシュっと縮めておいて、そのまま使うのです。
これを「芋虫さんつくるよ!」っていう感じで教えると、子供たちも楽しそうに牛乳パックに突き刺し、飲む動作まですんなり入ります。
そして、1回目の給食が終わる頃に、牛乳パックの片付け方を教えます。
平らに畳むのに、中に牛乳が残っているとあふれちゃうから、
振ってみて、空っぽかどうか確かめるんだって教えると、
一生懸命振って確かめてます。
パックを平らに出来ない子には、回ってやり方を教え、
そのついでに
「空っぽの音かなぁ?」
って、振らせてみて、残っていたら
「空っぽにしよう!」
って、パックをうまく傾けてストローをくわえさせれば
みんな、一生懸命吸って空にします。
パックが上手に平らになったら、思い切り褒めてあげちゃいます。
面白いもので、綺麗に平らに出来ているか厳しく見てあげる方が
みんなやる気が出るようです。
たたむのが楽しくて…なのかもしれませんが
牛乳を残す子は今年も殆どいません。
「体にいいから」
とか
「必ず飲まなきゃいけない」
とか、
お説教ぽいことを言わないでも、こんなやり方で
結構残しはなくなるんですね。
(現在、既にほかの学年と同じ量のパックに代わっていますが、
お残しはほぼありません)
一番若い先生のクラスは、1週間で軌道に乗り、2週目には
もう残菜は殆どゼロになりました。
お皿も、どの子のも綺麗で、ご飯つぶの残しもありません。
班で、それぞれの食器ごとにまとめて持ってくる
「食堂方式」をとっていますが、集める時点でも
「ご飯つぶつぶが残ってたら重ねられないよ。」
と呼びかけているので、そこで、班の子同士のチェックが入り
汚いお皿はありません。
片付ける時も、
「音がしないようにおけたら合格!」
って話して、一人一人に「合格!」だの
「名人!!」だの言ってあげていたら、自然に置き方も上手になりました。
ゴールデンウィーク明けからは、
2番目に若い先生のところに入っています。
このクラスは、女の子で「時間切れ残し」狙いのお子さんが2,3人いて、
どうも、それが他のお子さんにも広がってしまったようでした。
お残しが結構でているというので、
ここで立て直したいなぁって思って、この1週間入ってました。
1日目、褒め褒め作戦を展開しながら、状況を見ました。
途中の段階で、机を周り、食べるのが遅い子を励ましたりしました。
それでも、10人以上が残しているのは、最初の分配量にも
問題があるのではないかと思いましたので、
翌日は、子供たちの配り方を良く見て、
一人分を少なめになるようにアドバイスしました。
箸をつける前には、
「多い子は減らしにおいで。」
と呼びかけ、申告通りに減らさせました。
特に、前の日にかなり残した子たちには、
「無理しないでいいんだよ。残すより減らしておこうね。
あとで欲しくなったら、お代りに来ればいいよ。」
と、個別に話しかけて、減らしやすいようにしました。
それでも、これまでで習慣ができているのでしょう、
残す方向で時間切れを狙う子たちが3,4人。
残す気はないけれど、時間配分が悪くて食べきれない子が3,4人。
この日、担任の先生は、
「時間かかってもいいから、たべなさい。」
という指導をされました。
といっても、この先生、表情やいい方がとても柔らかいのです。
「お皿全部にものが残ってるのはねぇ・・・一つだけでもいいから食べておいで。」
と、怒るでもなく、叱るでもなく話すので、子供を追い詰めている感じはしません。
言った後は、どこで食べたらいいか指示するだけで、
放っておいてあげますし。
こうした中で、時間をかけて完食したお子さんが3人。
もちろん、褒めましたけど、
褒めてあげるまでもなく、自分でも食べきれたことに満足そうでした。
勉強でも、給食でも、
「出来ない」って思ってたことが「出来る」って、やっぱり嬉しいんだと思います。
手ごわいのは、3名ほどの女の子。
「何とか食べずに済ませたい」
というのが見え見えの動きをします。
が、優しい担任の先生、そう簡単にはお目こぼししてくれません。
「時間切れはないよ」
ということを教えるために、あえてしていることですので、
泣いても知らん顔。ギリギリまで頑張らせます。
その子なりに頑張ったところが見えたらすかさず褒めて片付けさせました。
私は私で、
「明日は、もっと減らして御覧。お皿一つだけじゃなくて、ご飯もスープも
減らしたかったら減らしていいんだよ。先生、言われたとおりに減らしてあげるからね。無理しないで、気持ちよく食べようね。」
と。
それでも、翌日もこのお子さん達は残しました。
減らしてという呼びかけをしているのに、殆ど減らさなかったし・・。
で、同じことが起こり、
次の日には、ようやく自分で減らしにやってきました。
でも、1つのお皿しか減らさなかったから、他のお皿は食べきれずまたお残し。
それでも、たぶん初めて、1枚だけでもお皿を綺麗にすることができて、
「ピッカピカだねぇ。」
と言われて、嬉しそうにしてました。
本当はね、最初から「残さない」やり方に乗せてしまえれば
こういうこともしなくて済んだんですよね。
一度、「残してもいい」になってしまったから、
「時間切れ残しは出来ないんだよ」
って、体験をさせなきゃいけなくなってしまったわけです。
かわいそうだったなって思います。
でも、今の時点で方向転換しておかないと・・、
「好きなものしか食べないでいい。」
「嫌いなものはグズグズしていれば食べずに済む。」
で、ずっと通したら、結局その子が損するもの。
来週も根気よく働きかけて、軌道に乗せてあげたいなって思います。
勉強も給食も同じ。
「1年生だ!」「小学生になったんだ!」
って張り切っているうちに、
気持ちよく乗せて、
「出来る!」「わかる!」「やった!」
に持っていってあげればいいんですよね。
環境作りが、私たち大人の仕事なんだろうなって思います。