バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

つぼ湯@湯の峰温泉

2019-06-29 12:15:14 | 温泉(和歌山県)
熊野交通、龍神自動車、奈良交通の各バス路線で湯の峰温泉BS下車してすぐ。湯の峰温泉の由緒である東光寺の小さなお堂の奥にある、日本の温泉文化の原点たる温泉です。

温泉街の中心にある「つぼ湯」は天然温泉の岩風呂であるだけでなく、「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一部として、温泉としては世界で唯一の世界遺産に登録されている貴重なものです。

熊野詣の最終目的地、熊野本宮大社にほど近いところにある湯の峰温泉は、身を清める湯垢離(ゆごり)場として、また、小栗判官と照手姫の伝説の舞台として古くから知られてきました。

一日のうちに七色に変化すると言い伝えられるこの「つぼ湯」は、板囲いの中、岩をくり貫いただけの、二人入ればいっぱいの小さな温泉です。なので入浴には貸し切りが原則となっています。

岩を伝って湧き出てきて窪みに満たされているお湯は、青みがかった白色で、かなり強い硫化水素臭。今でいう「掛け流し」には違いないが、それよりもっとプリミティブな姿です。

なにせ岩の隙間から自然に湧出するお湯のこと、そのままの状態では熱すぎてとても浸かる事ができないので、設置されている蛇口から水を足して埋めることになります。

その加水を入浴客が自由に行うのだから、泉質や温度管理が一定しないし、加水による泉質の劣化は否めないところ。しかもこのつぼ湯自体が観光名所のため、少なくとも30分以上の順番待ちが常態化しています。

とはいうものの古くから熊野詣の旅人達にとっての湯垢離と休息の場。命がけでようやくここまでたどり着き、身を清めることのできた安堵と喜びを想うと、そんな不便も些細なことです。

この「つぼ湯」を含め、湯の峰温泉こそ日本の温泉の至宝。後世にこの温泉文化を伝え続けることが必謹です。

・場所:奈良交通、熊野交通、龍神自動車・湯の峰温泉BS
・泉質:含重曹硫化水素泉 92℃
・訪問日:2010年11月26日


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