バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

界 加賀(旧:白銀屋)@山代温泉

2019-10-31 08:12:44 | 温泉(石川県)

加賀温泉駅からバスで20分ほどのところ、北陸で最大級の温泉・山代温泉です。北陸の温泉街で特徴的なのが、町の中心の「へそ」に当たる所に「総湯」と称する立派な共同湯があるのだが、この山代でも然り。


この総湯の目の前にある「界 加賀」は、経営不振に陥ったリゾート施設や旅館の再生で知られる星野リゾートが運営する宿で、以前は「白銀屋」という屋号で商っていた創業1624年というかなりの老舗。


加賀藩主・前田利常公や北大路魯山人といった歴史を彩った人物にも所縁があり、本館建物は有形文化財にも登録されている格式高いお宿です。


今回、ちょっと贅沢にこのお宿に泊まることに。チェックインを済ませて部屋に案内されました。玄関やラウンジや老舗ならではの風格とともに和風モダンなデザイン性が満ち溢れていますね。


この旅館では「デザイナーズ加賀モダン」と称する加賀建築の伝統色(紅殻、群青)と板張りの調和したスタイリッシュな新館客室と、「魯山人クラシック」と称する純和風の本館客室の2種類。当然本館の方を予約しています。せっかくの老舗旅館なんやからね。


しかし案内された2階のお部屋は清潔で広いものの、リニューアルの手が入っていて、老舗旅館の趣が希薄で、しかもお庭が見えないのが残念なところ。


それでも、客室の向かいにある、元はダイニングで今は立礼の茶室になっている「紅有也」なるお部屋でウェルカムドリンク的なお薄とお菓子がいただけるのはうれしいですね。


さすがは星のリゾート、料理は味だけでなく見せる工夫も凝らされています。

お風呂は二種類。本館にあるのは「吉祥の湯」。男女入替制で22:00までは女湯、翌11:30までは男湯となります。歴史ある建物の昔ながらのお風呂だけあって、脱衣所も浴室も、宿の規模からすれば狭いですね。湯槽には澄明で無味無臭のお湯が掛け流されています。


少しトロンとした浴感で、古代檜の一枚板による質感とともに、しっとりとした感覚を味わうことができます。これはいわゆる美肌の湯かな?


山代温泉の湯宿の特徴として、かなり昔からに松ノ木をくりぬいた配湯管で総湯から湯をひいた「内湯」があったことです。総湯をぐるりと囲むように老舗旅館が建ち並んでいるのは、当時、遠くにまで配湯できかった名残なんですね。


界加賀は、その貴重な源泉を引く「湯の曲輪」と呼ばれる数少ない湯宿です。宿の規模が大きくないので湯槽も小さく、そのため貴重な源泉を掛け流すことができるようです。


新館にある「大浴場 尚武の湯」にはやや広めの内湯とともに、苔むした壷庭付きの露天湯があります。こちらは15:00~22:00が男湯、22:00~翌11:30が女湯になります。こちらは新しい施設だけに吉祥の湯より広くて開放的だが、しっとり感は薄いような気がします。


全体に女性に好まれるようなイメージ創りを実践している「界」では、利用客も女性が大多数。なので温泉も女性優先のようですね。でもまあ狭い男湯でも混雑することは無いので仕方ないか。

・場所:加賀温泉バス・山代温泉BS
・泉質:低張性・弱アルカリ性高温泉 64.3度
・訪問日:2014年1月19日


古総湯@山代温泉

2019-10-30 09:56:56 | 温泉(石川県)
大袈裟な言い方かもしれないが、温泉は生命を育むための地球が生み出した恵みです。この日本は温泉に恵まれた故、古来よりそこに生命が宿るとともに、動物や人が集まり、その源泉を中心に街を形成し、そして独自の温泉文化を創り出してきました。


関西から特急サンダーバードで約2時間、そして加賀温泉駅からさらに路線バスで30分ほどのところ。1300年の歴史を誇る山代温泉は、加賀温泉郷の一角を占め、和倉、山中、片山津と並ぶ県下有数の温泉です。


ここでは温泉街の真ん中に総湯と呼ばれる共同浴場が建ち、それを中心にして旅館や商店が立ち並ぶ「湯の曲輪」という街並みが形成されてきた様を目の当たりにすることができます。


そしてここでは、多くの文人墨客を集める独自の文化を育んできました。大きな旅館が立ち並ぶなか、ところどころ雰囲気のいいお店や、和装のきれいどころの女性がそぞろ歩くなど、しっとりとした温泉情緒に満ち溢れています。


この山代温泉では、バブル崩壊以降の不況や世の中のニーズの変化によって、宿泊客が急減し、最盛期には50軒以上を数えた宿泊施設はほぼ半減してしまいました。そこで、歓楽温泉のイメージを脱却し、総湯を核として歴史的価値を重点に置いた振興を施そうとしています。


その序章が伝統的な造りの建屋に茶店や加賀特産品のショップを配した交流スペース「はづちを楽堂」の整備。次に老朽化した旧総湯の移設。


そして最終章として、旧総湯があった位置に明治代の総湯を復元し、外観や内装だけでなく、入浴しながら温泉の歴史や文化が楽しめる「体験型温泉博物館」として2009年にオープンしたのがこの「古総湯」です。


木造2層の建物は、上層が釉薬瓦葺き、下層がこけら葺きの、金閣寺のようなシルエットで、ところどころにステンドグラスの色彩が施された白木の美しい華やかな造り。新しくて綺麗ではあるが、風格を得るにはこれから数年はかかるでしょう。


オープンと同時、早朝6時過ぎに訪問。あわただしく雪かきをしていた係の女性に入浴したい旨を伝えると、丁寧にも入り口まで案内し、さらに浴場についての説明とともに、脱衣籠を貸してくれたり、靴下が濡れないよう気遣ってくれたり…かなり親切。


しかもこの日の一番湯なので特典のお札をくださったり…意外なプレゼントはうれしいですね。


浴場には独立した脱衣室はなく、湯槽の脇に脱衣棚が設けられているプリミティブなスタイル。これは別府温泉の共同湯でもこんなのでした。荷物棚は鍵が無いので貴重品がある場合は浴場に入る前に、入り口近くの貴重品ロッカーに預けておく必要があります。


浴場の真ん中に凝灰岩でできた長方形の湯槽がひとつ、その手前に白いタイルで囲われたかけ湯枡に源泉が投入され、そこから湯槽に流れ込むようになっています。源泉だけに、このかけ湯枡は熱すぎて使えません。


また、お湯や水のカランは無く、ましてや混合水栓のシャワーなんかもありません。ここはあくまでも古の湯浴みを体感するところ、なのでシャンプーや石鹸は禁止です。


お湯はやや熱めなのは一番湯だからかな?澄明で匂いも味も感じない淡白なお湯です。山代温泉新1号源泉は源泉のところでいったんタンクに貯められてるので、若干の劣化があるようです。源泉の足湯では濃厚なお湯だったんやが…


ゆったりお湯を味わった後は、上階の休憩室でほっこりすることができます。無料のお茶をいただきながら、総湯の周りの風景を楽しむことができるかと…残念ながらこの時間はまだ真っ暗でした。


山代の起爆剤となろうこの温泉、あと数年たって風格が備わってくれば、道後の温泉にも負けない名所になるかもしれませんね。

・場所:加賀温泉バス・山代温泉BS
・泉質:ナトリウム・カルシウム‐硫酸塩泉 低張性・弱アルカリ性高温泉 64.3度
・訪問日:2014年1月19日

総湯菊の湯@山中温泉

2010-03-12 22:33:04 | 温泉(石川県)

JR北陸本線・加賀温泉駅から加賀温泉バスで30分ほどのところ、大聖寺川の渓谷沿いにある山中温泉は、加賀三泉の中ではいちばん奥地にあり、由緒ある温泉です。


北陸の温泉街で特徴的なのが、町の中心の「へそ」に当たる所に「総湯」と称する立派な共同湯があるのだが、ここもまた町の中心が総湯で、ここは「菊の湯」という別名もあります。


ここ菊の湯は男女が別の館になっており、女性のほうが新しく、小さなホールも併設しています。館の正面には源泉が流れ、足湯も造られている。この季節は特に、雪の中から湯煙が立ち上る様は温泉情緒たっぷり!


浴室中央にはプール状の大きな湯船があり、そこは常に地元の人たちで賑わっています。その横の壁には大きく山中温泉縁起絵巻の一部を九谷焼タイルで模写されています。

お湯は澄明で無臭…っていうか若干の塩素臭。ただし深い浴槽の縁からは僅かにオーバーフローがあり、半循環になっているのかな?


この街の人たちにとって、温泉(総湯)がとても大切なものであるとともに、日常に欠くことのできない存在なのがよく判ります。貴重な源泉を観光客に分け与えるために、自らは循環温泉で我慢しているのかもしれません。

・場所:加賀温泉バス・山中温泉BS
・泉質:ナトリウム・カルシウム‐硫酸塩泉 48.3℃
・訪問日:2006年2月6日


総湯@片山津温泉

2009-01-17 22:24:37 | 温泉(石川県)

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北陸の名泉、片山津温泉は、賑やかな温泉街であると共に、特殊な浴場が所々に見られる歓楽的な温泉街です。建ち並ぶ大旅館を横目に、地元の人たちの愛用する共同浴場の総湯へ来てみました。

ところが……臨時休業です。暫し呆然…

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仕方がないのでその近くにある公園の足湯でお茶を濁すことになるのだが、この足湯、温泉のいい匂いがして湯口のお湯を舐めてみたら濃厚な塩辛さ。悔しいぐらいに極上の掛け流しなのです。服を脱いで全身で浸かってみたい衝動に駆られるが、人通りの多い街中、警察のお世話になりたくないので止めときます。

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実は以前ここの総湯は来たことはあるんです。泳げそうなぐらいの広さと深さを持つ浴槽は、循環で塩素投入ながら、かなり濃厚なナトリウム泉で実に熱いお湯でした。この広い浴槽には少なすぎるものの新湯が流れ込んでいて、傍らにはコップが置いてあって飲むことのできる、この辺りの総湯の中ではレベルの高いお湯だと感じたことを思い出します。

それだけに、今回の空振りはかなり悔しい。事前のリサーチを怠ったことを後悔ですわ。

  • 泉質:ナトリウム・カルシウム・塩化物泉 73度
  • 場所:CANバス・片山津温泉湯の元公園BS
  • 訪問日:2009年1月13日
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かめたに@粟津温泉

2009-01-16 00:51:59 | 温泉(石川県)

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世界最古の宿とされる、「法師」を擁する、歴史ある北陸の名泉、粟津温泉。温泉ブームの恩恵を授かっているとは言いがたいこの温泉地では、賑わっているとは言えぬまでも、しっとりとした温泉地の情緒を感じることができます。

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この温泉地で泉質には評価の高い「かめたに」に宿泊することにしました。お隣の純和風旅館「法師」とは対照的に、鉄筋コンクリートの近代的な造りながら、ここは源泉掛け流しを頑なに維持しています。仲居さんの案内で部屋に通されてお茶をいただくが、温泉への期待で実は気もそぞろ。お茶もそこそこにして、早速お湯に浸かってみる。

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蛍長石貼りの深めの浴槽に、澄明でほんの少し匂いのあるお湯が掛け流されています。湯の花はないが、湯口の辺りに析出物がこびりついています。この旅館は自家源泉。湧出場所から女湯で5m、男湯で12mとのこと。これなら湯の花を形成する暇もないほどの新鮮さですね。

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もちろん飲むことも可能で、僅かな匂いと塩分を感じるが、実に美味しい。これならグビグビ飲むこともできるでしょうが、通しやすいので、お腹の弱い人には要注意です。源泉を浪費する露天風呂を、敢えて造らない姿勢にも共感を覚えます。温泉へのこだわりのある旅館、リピート必至ですね。

  • 泉質:ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉 50.9度
  • 場所:小松バス・粟津温泉北口BS
  • 訪問日:2009年1月12日
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総湯@粟津温泉

2009-01-14 22:55:17 | 温泉(石川県)

JR北陸本線・小松駅からバスで30分ほどのところ、ゆのくに・加賀の名泉のひとつ粟津温泉は、西暦718年に開湯したととされる北陸の温泉では最も古い歴史を持つ温泉です。


旅館13軒のこぢんまりとした温泉街は、賑わっているとは言えぬまでも、各旅館が自家掘りの源泉を持ち、しっとりとした温泉地の情緒を感じることができます。


北陸の温泉街の中心には、必ずといっていいほどある総湯だが、ここにももちろん存在します。この粟津の総湯は2008年に建てかえられて、この辺りでは比較的新しい施設です。


山代温泉や山中温泉の総湯に比したら小ぢんまりした施設ではあるが、さすが新しいだけあって、インテリアも秀逸です。


入り口で靴を預け、その靴の鍵と引き換えにロッカーの鍵をもらう…スーパー銭湯みたいな共同湯らしからぬシステム、少し戸惑いますね。

浴室は丸い浴槽がひとつ、澄明なお湯が満たされています。一部掛け流しとあるので、おそらく循環のお湯の上層部に掛け流しのお湯を投入してオーバーフローさせているのでしょう。


塩素臭は気にならないが、入浴客の持ち込むボディーソープやシャンプーの臭いが入り混じって、複雑な香りが漂っています。


ここはあくまで地元の方々のお湯なので、われわれ観光客がとやかく評論できる筋合いはないのだが、せっかくの良泉のこと、もうちょっとお湯を活かす工夫はないものでしょうか。

・場所:小松バス・粟津温泉北口BS
・泉質:ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉 50.9度
・訪問日:2009年1月12日


総湯@山代温泉

2009-01-13 22:29:38 | 温泉(石川県)

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山代温泉は大きな旅館が立ち並ぶ街だか、しっとりとした温泉らしい雰囲気はあります。雪の温泉街を恐る恐る歩いていたら、ところどころ雰囲気のいいお店や、和装のきれいどころの女性に出くわしたりしで、温泉情緒に満ち溢れています。

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この街の中心にあるのが、街の共同浴場である総湯です。いや、総湯を中心に、街が形成されたのかも知れません。鉄筋コンクリートの建物の1階が女湯、2階が男湯と、階層構造になっていて、男湯では二つの大きな、やや深めの丸い浴槽に温泉が張られています。

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澄明で味も匂いもないお湯は、循環・加水・加温で、残念ながら銭湯の域ですね。広い浴室に充満するのは温泉の芳しい匂いではなく、無粋な塩素臭。飲泉用の湯口も塞がれています。せっかく街を代表する温泉なんだから、もう少しなんとかならんもんかんな?っと思うが、これだけ巨大旅館が建ち並ぶ温泉街では、源泉だけでは賄えないのでしょう。

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この総湯の裏手では大規模な建築工事がたけなわ。新しい総湯ができるそうです。そして、その工事現場の横には源泉公園があり、ここに足湯と飲泉所が整備されています。お湯を飲んでみると、僅かに硫化水素臭があり、柔らかいお湯だと判る。源泉のパフォーマンスはしっかりしているようです。もしこのお湯を掛け流しで浸かれる事ができたら最高の贅沢だろうな。この温泉、お湯自体はいいが要はその使い方。湧出量と使用量のバランスがよくないのです。実に残念。

(現在、新しい総湯が開業されているようです。)

  • 泉質:ナトリウム・カルシウム‐硫酸塩泉 63度
  • 場所:加賀温泉バス・山代温泉BS
  • 訪問日:2009年1月12日
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