バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

修学旅行再び・バスで行く伊勢・志摩グルメ旅(2)@三重

2010-05-08 13:38:41 | ☆バスde温泉(東海)

修学旅行再び・バスで行く伊勢・志摩グルメ旅(1)の続きです

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翌朝、鳥羽のバスターミナルから志摩スペイン村行きの特急バスに乗ることにしました。このバスは絶景のパールロードを通り抜ける路線。車両も高速バス用の「セレガ」です。観光の乗客は少ないが、運転士は観光客には左側の座席を薦めている。景色はこちらの方がいいようです。適切で親切なサービスですね。

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バスはミキモト真珠島や鳥羽水族館の前を通り過ぎる。ここまでの行程は修学旅行のとおり。しかし、いまさら水族館に行くまでもないので、ここは通り過ぎます。

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バスはリアスの入り江を丁寧に通過していく。入り江では筏が多数。この筏の下にはワタシの大好きな牡蠣がたくさん実っているのでしょう。後日、ここで牡蠣の食べ放題を堪能しました。

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確かに車窓の眺めは最高です。しかし気になるのは美しい眺めを切り裂くように造営されたゴルフ場。こんなのばっかり造って浮かれているからバブルが弾けるんじゃい!

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バスは終点の志摩スペイン村に着きました。ここもバブルの遺物。近鉄もその扱いには苦慮しているようだが、それでもそこそこ人気のある施設のようです。で、ワタシはここを無視し、次のバスに乗り継ぎます。

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怪訝そうな運転手を尻目に志摩磯部行きのバスに乗り込みました。開園直後なのに帰る客はあろうはずもない。案の定、乗客はワタシひとり。バスは三重交通では少数派の「日野車」です。

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志摩磯部でうまい具合に賢島行きの普通列車に乗り継げました。2両編成の電車はワンマンです。近鉄志摩線は、以前はのどかなローカル線だったのだが、観光誘致のために近鉄が積極的に路線を改良したので、今では線路がまっすぐ引かれ、しかも複線になっています。

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順調に乗り継ぐことができたので、予定より1本早い御座港行きのバスに乗れました。このバスも三重交通では少数派の「ふそう車」です。

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バスは交通量の激しい国道をしばらく走り、突然左折したかと思えばいきなり漁港が現れました。波切港です。その先のバス停「大王崎灯台前」で途中下車します。灯台の名称は「大王埼灯台」で、崎の字が違う。

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紺碧の空に突き刺すよう立つ22mの純白は見事としか言いようがない。灯台を管理しているおばさんが言うには、昔はここから富士山も見えたのだが、今や温暖化の影響で靄がかかって見えることがないとのこと。なんだかなぁ…

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灯台の根元、には土産物屋が並んでいます。その中でも異常に多いのが真珠屋。こんなとこで売れるんやろか、生活できるんやろかと心配してしまいます。

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波切の集落は画家が集まるところとしても知られています。青空と色とりどり屋根が織り成す景色は創作意欲が湧こうというもの。ところが、写真に撮ってもいい絵にならない。この写真のように電線が邪魔しています。ここは脳内でいいとこ取りできる絵画のほうが向いているのでしょう。ここの海べりの料理旅館で昼食を摂ることにしました。

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波切漁港では干物が並べられています。どれも身がぷっくりしていて美味しそう。しかも激安です。でもこんなの買ったら一人モンにお多すぎるので諦めました。

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灯台前から再びバス。御座港を目指します。やってきたバスはいすゞの「エルガミオ」です。

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車窓からは波穏やかな景色が見えるが、ここは湾外の外洋です。べた凪の海は静か。それに比べて車内は通学の女子高生たちの騒がしいこと極まりない。

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終点の御座港まで乗りとおしたのはワタシひとりだけ。御座港は以前、英虞半島へショートカットするカーフェリーも運航していたのだが、半島内の道路が整備されたので廃止に。現在は近鉄系列の志摩マリンレジャーが運行する、賢島-御座-浜島間を結ぶ1日4便の連絡船のみとなっています。

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ワンマンカーならぬワンマンシップ。エンジン音は威勢がいいが、船足は遅い。小さい漁船に抜かれる始末です。

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デッキに出ると哀愁漂う冬の海が広がります。ちょっとだけ鳥羽一郎になった気分。

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英虞湾を漂うこと約25分、終着の賢島港に着きました。ここには後日、絶品のフレンチをいただきに再び訪れたんです。 

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港からすぐのところに近鉄賢島駅があります。この駅からは大阪行き、京都行き、名古屋行きが発着している。意外に大ターミナルなんだと実感します。特急に乗り込んだら、後は勝手に大阪まで連れてってくれる。いままでの人生を振り返るためのこの大人の修学旅行、あの頃には理解できなかった旨いもんに、いっぱい気づかされました。しかしあのころより余分な肉もいっぱい体に着いてしまったんですが…

  • 訪問日:2006年12月10日・11日と以後数回
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修学旅行再び・バスで行く伊勢・志摩グルメ旅(1)@三重

2010-05-07 23:51:15 | ☆バスde温泉(東海)

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最初にお断りしときますが、今回の旅では温泉はありません。小学生のときから30余年の今、改めて大人の修学旅行をしてみようと思い、伊勢・志摩に行くことにしたのです。伊勢・志摩にはろくな温泉がないから仕方ない…伊勢へはもちろん近鉄です。修学旅行だからね。

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近鉄早っ!しかも安っ!1時間半ほどで伊勢神宮への玄関口、宇治山田駅に着きました。国家神道だった戦前に伊勢参拝のために造られたこの駅は、かなり立派。

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お伊勢さん参りは本来、外宮から内宮へとお参りします。しかし、最近は外宮を通過してしまうことも多いとのこと。でも今回は修学旅行のトレースのため、セオリー通り外宮からお参りすることにしました。外宮までは歩いても遠くないのだが、やはりバスに乗らねば。宇治山田駅から鳥羽までは主な観光地を周遊する三重交通のCANばすが30分おきに走っていて、1日券を買えば、区間中は乗り放題。しかも同じ区間を走る一般の路線バスも乗れるとあって、かなり便利です。宇治山田を出たバスは伊勢市駅、外宮を経由して内宮に向かいます。バスはいすゞのキュービックです。

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外宮前でバスを降ります。ここは一般的には外宮と呼ばれているが正式には豊受大神宮です。ここの社伝では、雄略天皇の夢枕に天照大神が現れ、「自分一人では食事が安らかにできないので、丹波国の比沼真奈井(ひぬまのまない)にいる御饌の神、等由気大神(とようけのおおかみ)を近くに呼び寄せなさい」と言われたので、丹波国から伊勢国の度会に遷宮させたとされている。平たく言えば食事や生活を司る神宮らしいです。それにしても独りで食事のできない神さんなんて…ワタシなんて毎日、毎日(以下略)

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20年にいちどの遷宮のための用地が隣にあります。ただの空き地にも見えるがどこか清澄感がある。

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白いお馬さんが…祭りごとのときに活躍するのでしょう。

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外宮から再びバスに乗って内宮に向かいます。富士重ボディのいすゞ車です。三重交通の路線バスはいすゞ車が多いようです。今日は日曜日、バスは参拝客で満員です。外宮・内宮間は観光道路なので道は整備されてはいるものの、内宮に近づくにつれて渋滞が著しく、バスの車内も人いきれで苦しくなってきてイライラも高まる。渋滞の原因は内宮近くの駐車場を待つ車。そのせいでバスも動かなくなってしまう。三重県でも別のところに駐車場を作ってパーク&バスライドを宣伝しているようだが、効果が出ていない。バスが動かなきゃ意味ないやん!自家用車を規制するべき…いや、規制しろ(怒怒怒)イライラのあまり手前のバス停で降り、歩いて内宮に向かうことにしました。

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内宮は正式には皇大神宮。五十鈴川に架かる宇治橋の手前の大きな鳥居をくぐると、そこから清浄な空間となります。日曜なので参拝客でいっぱい、ほとんどが家族連れやカップルで、ワタシみたいに独りで歩いている人の姿は皆無です。

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五十鈴川を渡るとき気づきました。あっそか、三重交通にいすゞ社が多い理由はこれだ!

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砂利の敷かれた参道を進むと手水舎がある。神社の参拝の常として手を洗い、口を漱ぎます。でも、この内宮ではここで手を洗うより、もう少し奥に行くと五十鈴川の川原で清めることができる。

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細菌やウィルスなんかの概念がない古代から、清浄・清潔さを旨としてきた日本人の精神は守りたいものです。杉木立の中に鎮座する内宮本殿にお参りすると、身も心も清められた気がします。実にすがすがしい。参拝が叶ったら急に腹も減り喉も渇いてきた。さあ…今から清めのビールだ!

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おはらい町から再びCANばすに乗って二見を目指します。バスはこれもいすゞのエルガ。
ノンステの最新タイプです。

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二見の手前で山の上に鮮やかな天守閣が見えてきました。安土桃山文化村にある復元された安土城です。文化村なら展示も充実しているに違いない。面白そうだ、行ってみよう。思いつきでバスを降り、バス停の目の前の入場券売場で料金を見ると…なんと4900円!!!これはイカン!中止!しかし、バスは無情にも去っていきました。

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仕方ない、文化に触れるにはお金がかかるものだと諦め、入場券を買い、中に入ってみると…人がいない…閑散。てか、客よりスタッフのほうが多いんではないかい?日曜日でこの有様なら、平日はどんなもんやろ?スタッフはみな役者のようで、閑散としたなかでも明るく振舞う彼らを見るのが辛い…ワタシを見つけた名物キャラクターの「ニャンまげ」が愛想を振りまきながら近づいてくる…お願いやからあっちにいってくれ!!こんなオヤジなんかそっとしておいてくれ!!!

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期待の天守閣まではかなり離れており、ここで「籠」と称するシャトルバスが走っています。それがこれ!もうヤメテクレ!

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期待して入った天守閣も、中は単なる蝋人形館。文化村とは名ばかりです。このテーマパークの意義はもうどこにもないのではないでしょうか。

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気を取り直してCANばすに乗り、今度こそ二見浦を目指します。車内の案内では夫婦岩では先の東二見で降りるよう案内があったのだが、古い旅館街が見たいので二見バスターミナルで降ります。

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二見シーパラダイスのアシカ君と戯れながらバスを待ちます。無邪気な海獣は和む。
定刻よりやや遅れて鳥羽行きの路線バスが現れました。

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修学旅行をなぞる旅なら泊まりは二見浦にしたいところ。にも拘らず鳥羽にしたのはなのは、当時より舌が肥えたためです。夜は鳥羽の街中で旨いもんを探すことにしました。さすが鳥羽。海鮮のお店が軒を連ねています。行き当たりばったりのお店で、今日はアジがいいとのことなので焼いてもらいました。しっかりした身は旨みが凝縮しています。

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そして、またまた牡蠣を追加注文。なにせ大好物なもんで…

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焼き牡蠣は身が細っていて期待はずれだが、カキフライはウマウマ。焼き牡蠣は非加熱用を使っていたのかもしれません。非加熱処理したらどうしても弱るから仕方ない。海の街、鳥羽には他にも海鮮を楽しむことのできるお店が沢山あります。この旅以後もちょくちょく訪れているんです。

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鳥羽には旅館も多く、その中には温泉を標榜しているところもあるが、どこもボーリングの循環塩素泉とのこと。そんなところに泊まるぐらいなら温泉なしでもいいや!今夜の宿はビジネスホテルのロードイン鳥羽です。町の中心から少し離れてはいるが、大浴場があるのでここを選びました。

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大浴場といっても小さい。しかし一応サウナつきです。浴室のドアを開けると芳しい?塩素臭が・・・温泉でこんな臭いならガックリとなるが、白湯なので諦めもつく。

続く…

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早春の東海を横断するバスと地方私鉄の旅@愛知(3)

2010-03-24 23:29:33 | ☆バスde温泉(東海)

早春の東海を横断するバスと地方私鉄の旅@静岡(2)の続きです

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熱海での宿泊は旅館街の中心部、「大湯」のすぐ近くにある旅館です。

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翌朝、旅館を辞して街をぶらぶらすると、市内あちこちで源泉に出会います。やはり温泉としてのポテンシャルは衰えていないようです。

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「熱海のぉ、海岸ん、散歩するぅー」
熱海の散策で外せないのがここ。尾崎紅葉の金色夜叉で有名な「お宮の松」です。その隣、お宮を足蹴にする貫一の銅像も名所のひとつです。しかしこれ、金色夜叉を知らない外国人が見たら、単なるDVに見えるんやないかと少し心配してしまうが…

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新幹線に乗って西に戻る前に、豆相人車鉄道の熱海駅跡を示すモニュメントを発見しました。人車鉄道とは蒸気力でもなく馬力でもなく、ましてや電力でもない、人力によって動いていた明治時代の鉄道のことで、芥川龍之介の作品、「トロッコ」の舞台となったことで知られています。当時は人件費も安かったんですね。

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熱海から「こだま」に乗ること2時間弱、一気に豊橋までやってきました。豊橋駅は新幹線と東海道線、飯田線、名鉄のターミナルで、大きな駅ビルが建っています。ここから案内表示にしたがって新豊橋駅に向かって歩道橋を渡ります。

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巨大ターミナルの端っこに現れたのは何とも貧相・・・失礼・・・遠慮深い駅が豊橋鉄道の起点、新豊橋駅です。

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駅は小さいが3両編成の電車が、15分おきに運転されている割と元気なローカル私鉄です。
車両は東急電車の払い下げ。のどかな景色の中、三河田原に向かって渥美半島の根元を走っています。

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三河田原駅で伊良湖岬行きの豊鉄バスに乗り換えます。バスの起点は豊橋駅で、最初からこのバスに乗ってもよかったのだが、ローカル私鉄も乗ってみたかったので、今回は途中の三河田原で乗り継ぎました。このバスは都市間連絡と観光用を兼ねているようで、車両はふそうの1ドア車。短区間の乗客は少ないようです。

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渥美半島の先端を走るバスの車窓には、菜の花畑とキャベツ畑が広がっています。

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終点の伊良湖岬に着くころには乗客はワタシのほか2組の観光客だけになっていました。伊良湖岬には「道の駅クリスタルポルト」として、真新しいビルが建っています。中はフェリーターミナルや土産物屋のほか、島崎藤村の詩「椰子の実」をテーマにした「やしの実博物館」があります。
-名も知らぬ 遠き島より 流れよる 椰子の実ひとつ-
誰もが知ってるこの詩は、民俗学者の柳田國男が伊良湖に滞在したときに、椰子の実の偶然拾ったことを親友の島崎藤村に話したところ、藤村がイメージを膨らませて詩化したとのこと。

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フェリーの出航までまだまだ時間があるので、伊良湖岬灯台まで歩いてみることにしました。向こうに見えるのは神島、そこはもう三重県です。太平洋や伊勢湾・三河湾を睨む位置に建つこの灯台は「日本の灯台50選」にも選ばれているそうです。

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フェリーターミナルのセルフサービスのカフェテリアでちょっと遅めの昼食を。うどんではなくきしめんがなのはこの地らしい。

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ようやく時間となり、伊勢湾フェリーの大きな口から、自動車と一緒に乗船です。船は乗用車にして約50台の車両と、500名が乗船できる2300トンもの大きさ。広々とした船内は、さすがに食堂こそないものの売店でビールやつまみものぐらいは手に入れることができる。さらに320円の追加料金を支払えば特別室も利用できるが、この日は空いていたため一般客室でも十分快適です。

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出航して間もなく、左舷に先ほど訪れた伊良湖岬の灯台が見えます。わかりますか?岬の先っぽにある小さい出っ張りがそれ。今や、実質的な灯台機能は丘の上の無人灯台が担っているようです。

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右舷に答志島、左舷に菅島が見えると、伊勢湾横断が終了。ここから菅島水道を進んでいくと、突き当りが鳥羽港です。55分の船旅はあっという間です。

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鳥羽に接岸すると、旅客専用のボーディングブリッジが着けられました。伊良湖より設備は整っているようです。鳥羽水族館の一角にあるフェリーターミナルを素通りし、歩いて鳥羽駅に向かうことにしました。すでに近鉄特急の座席指定は船の中から携帯のチケットレスサービスで取っているものの、意外に駅が遠い!

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間に合った!急いで乗車券と缶チューハイを買ってプラットホームへ。最近の近鉄特急は車内販売がないので困りものです。難波行きの伊勢志摩ライナーに飛び乗ったら、すぐにドアが閉まりました。

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先頭車両まで揺れる車内を移動してデラックスシートへ。束の間の贅沢を楽しみながら今回の東への旅を反芻していました。

  • 訪問日:2007年2月5・6日
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早春の東海を横断するバスと地方私鉄の旅@静岡(2)

2010-03-23 22:58:16 | ☆バスde温泉(東海)

早春の東海を横断するバスと地方私鉄の旅@静岡(1)の続きです

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修善寺駅から、今度は南伊豆の河津へ向かう東海バスの天城線に乗ります。このバスは「伊豆の踊り子」が辿った下田街道を縦走する路線。途中、湯ヶ島の温泉を通るが、こここそ川端康成が「伊豆の踊り子」を執筆したところです。ただし、ワタシはこの作品を読んでないので、これを機に映画で観てみよっかな…と思い、帰ってから調べてみると…1954年・美空ひばり、1960年・鰐淵晴子、1963年・吉永小百合、1967年・内藤洋子、1974年・山口百恵……なんと5本もある。山口百恵のは有名だが、内藤洋子って…ひょっとして「ルンナ」?

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そろそろ頭の中に石川さゆりの歌声がぐるぐる廻ってきました。「隠れ宿」の湯ヶ島を過ぎると「九十九折、浄蓮の滝」。前方には「山が燃える」天城です。浄蓮の滝のバス停には大きな駐車場と土産物屋が建ち並んでいます。ここで他の乗客がすべて降りてしまって、ワタシ独りになってしまいました。ここからは「くらくら燃える火をくぐる」天城越え区間で、「何があってももういい」気分…

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人気のない車内はテープの車内放送と唸りを上げるエンジン音だけ。松本清澄原作の映画、「天城越え」で印象的だった旧天城隧道にも行きたいところ。明治後期に掘り抜かれた現存する最も長い石造トンネルだが、時間の関係でそのままバスに乗り続け、バスは新天城トンネルを抜けていきます。結局、バスの運転士のオヂサンと二人の「天城越え」でした…「恨んでもぉー、 恨んーでもぉ」

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直径80m、高低差45mの「河津七滝(かわづななだる)ループ橋」で一気に高度を下げます。河津七滝は溶岩流の末端にできた滝で、上流から、七つの滝(たる)が続いているらしい。バスは湯ヶ野温泉のあたりで下田街道から別れて河津方面へ向かいます。湯ヶ野温泉は河津温泉郷のひとつで、ここも「伊豆の踊り子」に描かれていたところらしい。あー、読んで来るんやった。この時期に、早くも咲いている桜を見ながら伊豆急行の河津駅に着きました。

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ここから伊豆急行で、といっても、下田方面から現れた電車はJR東日本の「スーパービュー踊り子」、池袋行きですが…伊豆急行は東急グループの総帥、五島慶太の強い意志によって伊東と下田の間に建設された1961年開業の比較的新しい私鉄です。戦後、高度成長の時代に西武グループ(伊豆箱根鉄道)、小田急グループ(東海バス)、そしてこの東急グループである伊豆急がこの地域の覇権を激しく争いました。その激しさは「伊豆戦争」と称されるほどだったそうです。

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「スーパービュー踊り子」は全席座席指定の特急。JRの発足の3年後、最後のバブル期に登場したせいか、室内は豪華で展望もいい。乗車口は10両編成のうち5ヵ所に限定されており、乗車時にアテンダントが指定券をチェックするようになっています。

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列車は伊豆熱川に停車、車窓から沸き上がる湯煙がそこここに見える。豊かな源泉があるようです。それより熱川といえば、ワタシ世代には花登筺のTVドラマ「細腕繁盛記」に尽きる!
 -銭の花の色は清らかに白い-
 -だが蕾は血のにじんだように赤く-
 -その香りは汗の匂いがする-
冒頭のナレーションは30年以上経過した今でもソラで言えます。このドラマ、悪役の富士真奈美が例の台詞で主役の新珠三千代より印象が強い。
「佳ぁ代ぉ…おみゃぁに食わせる飯はにゃぁずら!!」

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質問!京橋はどんなところ?
解答は…
「ええとこだっせ!グランシャトーがおまっせ!」
では伊東は?
「伊東に行くならハトヤ」
伊東を過ぎてすぐに車窓から「サンハトヤ」の巨大な建物が見えてきました。ハトヤのスゴイところは、ワタシ世代の関西人なら誰でも知っているところ。昔は関西でもCMを流していたからね。
「電話は4126(ヨイフロ)」

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夕暮れになって、熱海に到着。熱海駅前は旅館の送迎バスやタクシーで賑わっています。今夜の宿泊はこの熱海です。それにしても、熱海ってまたベタっていうか安直って言うか…伊豆には他にも名泉があるでしょうに。ここは高度成長時代やバブル期にたいそう賑わった日本を代表する歓楽型温泉地。しかし今や、団体旅行から個人旅行に嗜好が移ってしまったなかで、凋落が著しいと聞きます。逆にそんな地では、栄華を極めた昭和の高度成長の臭いを発する温泉情緒に触れることができるのではないかとの期待があったのです。

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徒歩で旅館に向かう観光客は少ないようで、駅前の商店街は照明こそ賑やか。しかし、そこを歩く人影は疎らです。平日だからでしょうか。

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熱海温泉の旅館街にたどり着くと、そこは昭和の情緒タップリ。レトロな看板に興味が惹かれます。巨大ホテルも華やかな時代の面影を残しています。このスナック喫茶「****」なんか、昭和のあの時代なら特に気にされることもなかったのでしょうが、今やこんな看板はあり得ない。

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裏通りにたまたま見つけたフランス料理店。どこか気品が感じられるこの店構えに惹かれてフラフラ入ってしまいました。温泉旅行でフランス料理ってのもイイんでは?

続く…

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早春の東海を横断するバスと地方私鉄の旅@静岡(1)

2010-03-22 00:04:40 | ☆バスde温泉(東海)

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このバスde温泉では、関西より西に向かうことが多いのだが、今回は気持ちを切り替えて、(ていうか、そろそろネタも尽きかけてきたので)東に向かってみることにしました。東を目指して行く旅の始まりは近鉄特急です。大阪と名古屋を結ぶアーバンライナーに大和八木から乗り込みます。登場以来20年近くを経過したアーバンライナーは、大幅なリニューアルを得て、アーバンライナーplusとしてまったく別のような列車になっています。

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アーバンライナーのデラックスシートはグリーン車以上の居住性。なのに料金は案外安いので、たまには贅沢もいい。近鉄自慢の「ゆりかごシート」は包み込まれる感覚で実に快適です。2時間弱で近鉄名古屋に到着。

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ここで新幹線の乗り換えるのだが、専用の乗換え口を通れば乗り換え時間は非常に短くて便利。名古屋駅から三島まで「こだま」に乗ります。車両は300系。東海道新幹線は1964年に開通して以来、日本の大動脈。ワタシも時折利用するが、考えてみると、そのほとんどが「のぞみ」で、そのすべてが仕事での利用。旅行で、しかも「こだま」に乗った記憶がありません。
ビジネスライクな新幹線なんてひとり旅に使えないなぁっと思っていたからね。しかし、各駅をこまめに停まり、その駅では何本もの「のぞみ」や「ひかり」に抜かれていく「こだま」は、どこかのんびりしていて旅情すら感じてしまいます。

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ウトウトするうちに三島駅に到着、ここで伊豆箱根鉄道に乗り換えます。伊豆半島の中央の内陸部を縦走する地方私鉄、伊豆箱根鉄道は、三島と修善寺を結ぶこの駿豆線のほかに、東に離れたところ、小田原市と南足柄市を結ぶ大雄山線があります。この三島駅には専用の乗継口から入場できるのだが、JRの乗車券とこの鉄道の切符を引き換えて入場するところ、新幹線の出口で乗車券を取るのを忘れたようで、引き換える乗車券がない。たまにこういう失敗をやってしまいます。ちょうど昼時なのプラットホームにある売店に行くと名物「アジ寿司」と記されているとともに、売切れの表示が…伊豆箱根鉄道の電車は3両編成のセミクロスシート。のどかな田園地帯をトコトコ走ります。駅弁を食べるに丁度いい情景なのにな…(ガックリ)

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終点の修善寺駅は南伊豆各地へ向かうバスの出発点で、駅前は賑わっています。ところが、修善寺の温泉街はここから少し離れているので、10分ほどバスに乗る必要があります。
まあ、バス好きには都合がいいのだが…

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東海バスと伊豆箱根バスが共同で駅と温泉を結んでいます。小田急系列の東海バスと西武系列の伊豆箱根バスが仲良く走っているのは面白いところ。往きは東海バスのいすゞキュービックです。

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10分ほどで温泉街に着きました。この修善寺は伊豆で最も歴史のある温泉地。高級旅館が建ち並ぶ静かな温泉街で、公園や遊歩道なんかも整備されていて、温泉情緒が溢れていますね。

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温泉街の中央を流れる桂川の畔には、この修善寺温泉の発祥の温泉である「独鈷(とっこ)の湯」という露天湯があります。ところが、現在は足湯として利用するのみで、入浴は禁止されています。こんな大勢の観光客に見られながらの入浴するのは、特殊な嗜好がない限りムリでしょうね。

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駅への復路は伊豆箱根バスで、車両はいすゞエルガミオ。この伊豆箱根バスの車内放送が秀逸。テープの女性のアナウンスが昔の車掌風の独特な言い回しをしているが、これが実に名調子!絶対「マニヤ」がいるに違いないっと思い、帰ってから調べてみたら、テープがヤフオクに出品されてました。恐るべし!バスオタ!!!

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駅まで戻ってようやくで昼食を摂ることができました。駅前のそば屋で山菜おろしの蕎麦を注文。東日本を実感するのは、カツオ出汁の醤油味がかなり濃ゆいこと。関西の薄味に慣れたワタシにはある意味、新鮮な体験です。塩分の摂りすぎはよくないので出汁は残したが、それでも後から喉が渇いてきました。

続く…

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