バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

阪堺電車@大阪・堺

2011-06-25 22:36:53 | 乗り物(路面電車)

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阪堺電車は大阪に残る唯一の路面電車で、大阪市内と堺市内を阪堺線・上町線の2路線を運行しています。上町線は、天王寺駅前駅から住吉公園駅までを結ぶ路線で、1900年(明治33年)、大阪馬車鉄道が天王寺南詰から阿倍野(現在の東天下茶屋)間を開業したのがその前身。阪堺線は恵美須町駅から堺市の浜寺駅前駅までを結ぶ路線で、こちらは1911年(明治44年)に恵美須町から市之町(現在の大小路)間を開業したのが創始です。

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公共交通である路面電車は、エネルギー消費や二酸化炭素排出量の点で全国的にも見直され始めているが、この阪堺電車では、特に堺市内区間の乗客の減少で廃止も囁かれるようになりました。さすがに廃止するには影響も大きいようで、最近になっていろいろ手を入れてきていて、上町線と阪堺線の直通運転の開始や、大阪市内と堺市内を跨るときに発生していた2区間運賃(290円)を止めて全線1区間運賃(200円)としたことなどが奏功して、ようやく乗客の数も上向きになっているようです。

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この阪堺電車の車両すべてが車体長14mの大型車両を採用しています。このすべてが1または2ステップ車で、低床車両が今だ1両もありません。また、このモ161形は今だ非冷房。古い車両を大切に使っているといえば聞こえはいいが、実のところ車両の更新もままならないのが現実です。ちなみにこの車両は日本において定期運用される電車としては現役最古の車両とのこと。

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このほど、阪堺電気軌道開業100周年を記念して、ニス塗りのドアや鉛丹色の屋根など、昭和40年当時の状態に復元。主に貸切用として運行を開始しました。車内は真鍮の磨きだしもしているようで、ぜひ一度乗ってみたいもんです。

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モ501形電車は、1957年に走り始めた車両で、運転席窓を広く取った3枚窓のデザインは、PCCカーとして高性能を誇っていた大阪市電3001形に準じたスタイル。大阪市電3001形同様、台車の枕バネにベローズ式の空気バネを使用するなど、走行装置にも当時の最新鋭技術による豪華なものが装備されました。この車両は熊本市交通局5000形電車と共に、カルダン駆動を現在でも採用している希少な車両です。

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1962年に登場したモ351形電車は、モ501形とほぼ共通設計の全金属製の車体だが、主電動機などは旧車からの流用でコストを抑えたもの。しかし、台車は流用せず、空気バネを使用した当時の高性能車です。

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モ701形電車は、1987年に登場した久しぶりの新車。現在の主力車両です。電気指令式ブレーキに加えワンハンドルマスコンを採用した高性能車。強力なブレーキ力のために、車の追突を防止する目的で前照灯の横にブレーキランプが設置されています。最近、Z型パンタグラフからシングルアームパンタグラフへの換装が始まっています。

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モ601形電車は、1996年から1998年にかけて7両が東急車輛製造で製造された車両で、モ350形と同様完全な新造車ではなく、制御装置・ブレーキ・営業機器などはモ121形(旧大阪市電1601形)のものの流用でコストを抑えています。

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この阪堺電車、天王寺駅周辺の巨大な再開発で再び脚光を浴び、乗客も戻りつつあるものの、やはり堺市内区間は苦戦中。広い道路の真ん中にセンターリザベーションされた区間は、車には邪魔されずに走れるものの、信号に引っかかるのは車と同じだし、電停に行くには歩道から横断歩道を渡らなければならない。以前は先進的なセンターリザベーションも、現在では合ってないような気がします。電車優先の信号や、堺東駅と結ぶ東西軌道の新設など、抜本的な対策が望まれるところです。

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伊予鉄道(軌道線)@松山

2010-10-22 10:41:47 | 乗り物(路面電車)

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伊予鉄は松山と郊外を結ぶ鉄道線と松山市内の路面電車を持つ地方私鉄で、鉄道事業のほか、中予地方をエリアとして路線バス・貸切バス事業を展開している。また、百貨店、旅行代理店、観光関連、人材派遣など、愛媛の経済の中核を担っている企業体です。この伊予鉄の軌道線は市内電車と呼ばれ、松山市駅を拠点に、松山城を囲む形で運行されている環状線と、道後温泉と松山市駅前、JR松山駅前、本町六丁目を結ぶ系統で運行されています。車両は営業用の電車38両と事業用の電動貨車1両、「坊っちゃん列車」用のディーゼル機関車2両、客車3両の計44両。

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現在、営業用電車の主力は1951年から1965年にかけてナニワ工機(現アルナ車両)と帝國車輛(現東急車輛)で製造された50形です。50形はヴァリエーションが豊富で、製造年によって2つのタイプに分けることができる。前期形はすべてナニワ工機の製造で、深い屋根の重厚な外観を持ち、古い工法で製造されています。写真の58号は1954年製。いわゆる「バス窓」が特徴的な車です。

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後期形は軽量構造を採用していて、屋根の浅い軽快なスタイルが特徴的。製造当初からすべて間接非自動制御方式で、Zパンタ、50kW電動機を装備しています。写真の66号は1962年に製造された車両です。当時のバス車体の工法を取り入れた軽量車体で、側面に補強用のリブとリベットが特徴的。

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この75号は1965年製の車両で、リブとリベットがなくなっています。

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2000形は1964年製の元は京都市電。1979年からこの松山で働いています。京都の軌間が1435mmの標準軌であるのに対して、伊予鉄は1067mmの狭軌であるため、台車枠はそのままで、車輪軸だけ狭軌に合わせる改造を施したとのこと。松山市内線の主力である50形の初期型がもともと京都市電をモデルにして製造されたので、この京都市電からの転入組が松山市内を走っても、まったく違和感はありません。

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写真は最新鋭の2100形です。この電車はノンステップになっていてお年寄りにも乗りやすい。音も静かで乗り心地も上々。ただ、定員が少ないので混雑しやすいのが難点。また、「ペーー!」っと鳴るフォーンの音には幻滅です。電車なんだからもう少し重厚感があってもいいんでは?

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そして、伊予鉄市内線で忘れてならないのがこの「坊ちゃん列車」で、松山観光の目玉として2001年から運行しています。このオールドタイマーの復活にあたってはいろいろ苦労があったようで、その最大の問題が蒸気機関車に付きもののばい煙。それを克服するためになんとディーゼルエンジンを車体に仕込むという荒業を採用しています。

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蒸気機関車ならではのドラフト音は車外スピーカーによって鳴らし、煙突からは発煙装置から水蒸気を使用したダミーの煙を出すなど、小憎いまでの工夫がなされています。また、運転台には前方監視用のモニターテレビがあったりして、古いスタイルと最新設備のアンバランスさが可笑しいですね。この伊予鉄、こういった地方私鉄にしては珍しく黒字経営を維持している優良企業とのこと。黒字の所以は頻繁に走っている便利なダイヤにあるのかもしれませんね。

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