バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

出雲の旨いもんと名湯をめぐるバスの旅(2)@島根

2009-11-27 22:44:05 | ☆バスde温泉(中国)

出雲の旨いもんと名湯をめぐるバスの旅(1)の続きです。

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実に静かな海潮温泉の極上温泉を堪能してバス停に戻りました。ここから再び一畑バスで終点の大東を目指します。乗客はワタシのほか2人程度。

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雲南市の大東は、合併以前は大東町の中心の町で、総合病院があるなど意外に大きな町です。バスは国道を外れ、その町中を走りぬけ、やがて終点の大東駅に到達。木次線の出雲大東駅は典型的なローカル線の駅で、木造平屋の駅本屋に小さな待合所がある。正面には今はもう使っていない腕木式信号機がモニュメントとして屹立しています。

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プラットホームで待っていると、定刻で単行のディーゼルカーが入線してきました。車両はJR西日本の「キハ120」、ローカル線専用の小型車です。ワンマンカーの列車に乗ってさらに奥地の中国山地へ。新世代のディーゼルカーは急勾配も軽快に登って行き、木次駅で降りました。

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木次は雲南市の中心地。駅前にはショッピングセンターもあり、意外に賑わっています。ここからは雲南市民バスに乗って湯村温泉を目指します。バスはふそうの「エアロミディ」。車内放送はなく、NHKラジオがかかっています。そう、これは路線バスではなく住民のためのバス。乗客のほとんどが運転手の顔見知りなので、行き先案内をする必要がないのです。なので車両も青ナンバーではなく白ナンバー。そんなバスに紛れ込んだワタシは明らかにを旅行者らしく、察した運転手が、ワタシにだけどこまで行くか聞いてきました。運転手が「着いたよー」。

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何の変哲もない集落の端っこにバスが止まりました。「坂を下りたところに温泉があるから」っと教えられたとおりに行くと、実に小ぢんまりした温泉街が現れました。

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翌朝は再び雲南市民バスで木次に戻ります。朝の市民バスは中高生でいっぱい。ひとつだけ空いた座席を見つけ座ると、周りから冷たい視線が…バス停で止まる度に生徒が乗ってきてワタシを一瞥して通路に立ちます。いつもの席に見慣れぬオッサンが座っているので不快なのでしょうか…木次駅でバスを降り、木次線で宍道駅に向かいます。車両は昨日と同様「キハ120」の単行。20人ぐらいを乗せた車両は中国山地を下ってゆきます。

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宍道駅で山陰本線に乗り換えます。宍道湖を見ながら西に向かうと程なく松江。そのまま通りすごしたら、こんどは中海が現れます。安来駅のひとつ手前の荒島駅で降りました。

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荒島駅からは安来市広域生活バスで鷺の湯温泉を目指します。車両はローカル線の定番、日野「リエッセ」です。この路線は以前は一畑電鉄バスだったのだが、乗客の減少により民間で維持できなくなって市営となったとのこと。なので、ここでも白ナンバーです。乗る際に運転手に行き先を告げました。雲南市民バスで学習したからね。

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およそ15分ほどで鷺の湯温泉に着きました。この地は鷺の湯温泉より足立美術館のほうが比べようもないほど有名です。

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温泉もいただいたし、せっかく来たのだから足立美術館に入館してみようと思いました。横山大観をはじめとする日本画や、見事な工芸品の数々など、値打ちの高そうなものだらけ。私の頭の中の金銭感覚はインフレ状態になりそうです。

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日本画はよくわからんが、それでも庭園は見事なもの。

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当初、鷺の湯温泉から路線バスで米子駅へ行くつもりだったが、米子まで美術館の無料シャトルバスがあるとのこと。あっさり初志を放棄し、このバスに乗ることにしました。普段マイクロバスに乗ることもないからね。絢爛豪華な美術館のバスだけあって、デラックスタイプのトヨタ「コースター」です。

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米子駅からは特急「やくも」で岡山に向かいます。車両は381系電車。スピードを落とさずカーブを通過できる振り子電車です。

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たまたま指定された席は前列にシートがない。おかげで足を思いっきり伸ばすことができます。ひょっとしたらグリーン車以上の余裕かも…あ、あれ!テーブルがない。

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米子駅で買った「かにちらし寿し」。カニの身が豊富でウマウマ!テーブルがないのでお膝の上で食べる。コレが正しい駅弁の食べ方ですね。

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中国山地を縦断する伯備線は天候の影響を受けやすい。以前利用したときは豪雨でかなり遅れました。今回は列車は大丈夫だったが、対岸の国道は土砂崩れで不通になっていました。山越えルートはいろいろあるもんです。

  • 訪問日:2006年6月24~26日
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出雲の旨いもんと名湯をめぐるバスの旅(1)@島根

2009-11-26 23:49:42 | ☆バスde温泉(中国)

どうも体調が悪いその理由はわかっています。肝臓が弱っているからなんでしょうね。はい、お酒です。そんな弱った肝臓にはシジミがいちばん。そしてシジミといえばやはり宍道湖。ってな訳で今回は松江の旨いもんと、出雲の温泉をテーマに、バスで出かけてみることにしました。

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以前に湯原温泉を訪れたときにも利用した阪急バスの高速バスで松江を目指します。前回同様、阪急梅田駅の高架下にある阪急三番街バスターミナルを出発したバスは、一路、中国自動車道を走ります。車両は西工の「ネオロイヤル」、シャシーは「ふそう」のようです。

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夜行バスにも使われているバスは3列シートで快適。しかし、高速道路なので車窓の景色は単調です。バスターミナルで買った缶チューハイを開けてシートを倒せばスグにウトウト。中国道を走るバスに乗るときはいつもこうです。そして気づけばバスは米子自動車道を北上していて、湯原・蒜山を過ぎたら米子へ達します。ここから山陰自動車道を今度は西へと走り、松江出口でバスはいったん高速道路を下りて松江駅に向かいます。

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松江駅で乗客の多くが降りました。がらがらになったバスはこの後、終点の出雲市へ向かっていきます。松江駅では市内や郊外に向かって一畑バスや松江市交通局のバスが頻繁に発着しています。今夜宿泊のホテルに行くにはどれに乗っていいのやら判らない。とりあえず一畑電車の松江しんじ湖温泉駅へ行くバスに乗ってみたものの、市内をグルグル廻るばかりで、なかなか終点に近づきません。図らずも市内観光です。

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長々とウロウロした後にようやく松江しんじ湖温泉駅に着きました。

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この駅からはローカル電車が出雲大社に通じています。車両は京王や南海の中古車です。大阪人に馴染み深いこの元南海電車は、ズームカーの愛称で高野山の急こう配をグングン登っていたクライマー。今では平坦な場所をのんびりと走っている、まるで余生を楽しんでいるかのようですね。

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宍道湖といえば夕暮れ。夕陽が湖に落ちるときがここのいちばん美しい時間帯です。目の前に広がる絶景をしばし楽しむことができる。今夜はこの松江しんじ湖温泉に宿を取りました。

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宿に荷物を置いた後、旨いもんを求めて松江でいちばんの飲食街「東本町」界隈をぶらぶらと…飲食街といっても騒々しさはなく、しっとり落ち着いた佇まいは松江らしい。ただ、静か過ぎると感じるのはワタシが大阪人だからでしょうか…「鯛めし」が絶品の「皆見館」を発見。しかしここは大阪にも支店があるのでわざわざここで食うこともあるまいと思い、もう少しうろうろ。

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翌朝は雨模様。ワタシの雨男っぷりも冴え渡っていますね。ホテルのバイキングの朝食をいただくが、蜆のお味噌汁はあまりにもトホホ…昨夜の蜆との落差に朝から沈んでしまいます。早々にホテルをチェックアウトし、近くの松江城に行ってみることに。朝っぱらの割には団体の観光客でけっこう賑わっています。

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天守閣は以前に登ったことがあるので今回はパスし、本丸の近くにある松江郷土館「興雲閣」を訪れてみることにしました。この建物は明治天皇の行幸のために建てられた、バルコニーのある洋館建築で、現在では郷土資料の展示館として市民や観光客に開かれています。この日は昭和の暮らしを彩ってきた生活道具などを展示する特別展が開催されていました。

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松江城からからは観光の足・生活の足として市街を一周するバス「松江ウォーカー」に乗って、改めて車窓からの市内観光です。このバス、以前は100円だったのが、2006年6月から減便されるとともに、150円に値上がりしたそうです。バス業界、どこも苦しいみたいですね。車両はいすゞの「エルガミオ」のノンステップです。

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「松江ウォーカー」はお堀端を半周します。このお堀沿いの小泉八雲の旧居や、宍道湖に浮かぶ嫁ヶ島など、市内の主な名所を眺めることができるので、あっさり観光するには便利。利用者は観光客より地元の方の日常の足として使われているようですが…

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松江駅で玉造温泉行きの一畑バスの路線バスに乗り換えます。バスは国道ではなく旧街道の狭い道をユルユル走り、こまめに停留所に止まる。温泉行きといっても観光路線ではなく生活路線です。車両はいすゞの中型、2ステップ。30分ほどで玉造に着きました。

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出雲の温泉めぐりの最中、バスの都合でいったん松江に戻り、ここで昼食としました。出雲に来たのならゼッタイに外せないのがお蕎麦。たとえバスの時間待ちの間の腹つなぎであっても旨いもんを食べたいからね。

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再び松江駅前のバスターミナルで、今度は大東行きのバスに乗って奥出雲を目指します。
車両はまたまたいすゞの中型、2ステップ。大東行きのバスは、途中までは玉造行きと同じ経路を辿るが、乃木駅前から道を分かち、山に向かって進んでゆきます。1時間ほど走るとかなり山奥。海潮(うしお)の村落を過ぎると程なくして海潮温泉のバス停。ここで途中下車します。

続く…

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奥出雲大橋@松江

2009-11-25 23:21:46 | 料理(うどん・そば)

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出雲の温泉めぐりの最中、バスの都合でいったん松江に戻り、ここで昼食としました。出雲に来たのならゼッタイに外せないのがお蕎麦。たとえバスの時間待ちの間の腹つなぎであっても旨いもんを食べたいからね。松江駅の中にある「奥出雲 大橋」というお店で三色割子をいただきました。

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割子はそばつゆを蕎麦に直接ぶっかけて食べるスタイル。そのため蕎麦つゆは濃い口になっています。蕎麦はしっかりとした歯ざわりで、三色それぞれの風味が楽しめます。思わず割子を追加してしまいました。駅ナカのお店と侮るなかれ、けっこう本格的なお蕎麦を出してくれます。

  • 営業時間:10:30~20:15
  • 定休日:第3火曜
  • 訪問日:2006年6月25日
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奥出雲大橋 シャミネ松江店そば(蕎麦) / 松江駅
昼総合点★★★☆☆ 3.0


川京@松江

2009-11-24 20:54:13 | 料理(ローカルフード)

いささか古い話題で恐縮なのだが、3年ほど前に松江を訪れたときに、そこで出会った旨いもんです。このときはまだ料理写真が上手く撮れず、ピンボケなのはご容赦を…

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松江で旨いお店を求めて当てもなくウロウロしていると、たまたま郷土料理のお店を見つけました。店の様子を物色していると、中から店主と思しき人物が「今なら一人分だけ入れるよ」っと、高飛車なひと言をぶつけられて、その勢いに引き摺られて入店。店内はカウンターだけの狭ーい空間だが、そこにお客さんがぎっしり。この店で宍道湖七珍の鰻、鱸(スズキ)、川海老、蜆(シジミ)、白魚、公魚(ワカサギ)、鯉が味わえるとのこと。ただし、公魚や白魚は季節モノなので今はないとのこと。

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松江料理は詳しくないので、とりあえずお任せで出してもらいました。最初に出てきたのは「鰻のたたき」。創作料理でこの店の一番人気とのこと。鰻の皮に近い身を薬味を効かせて炙っていて濃厚な仕上がり。「川海老のから揚げ」はぱりぱりしていて香ばしいし、この店名物の「おたすけしじみ」は蜆の酒蒸しのようなのだが、独特のコクのある煮汁が特徴です。それより、ぼってりとした蜆の身にはオドロキ!もともと蜆は大好きだが、こんなに旨い蜆は初めてです。弱った肝臓に染み渡るう!!!

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日本海から揚がった魚のお造りに続いて、メインである鱸の奉書焼です。塩をした鱸を奉書で包み、じっくり焼きます。紙に包むことで、魚のうま味を逃がさず生臭さだけが紙に吸い取られるとのこと。焼きあがった奉書を開くといい香りが漂います。箸で摘み上げると淡白な身がボロッと取れる。白身はしっとりとして上品な味わい。ポン酢でたべるのだそうだが、なにもつけずそのまま食べるたほうがゼッタイ旨い。

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料理を説明する大将の口上がユニークです。知らなかったのだが、この店は松江の有名店らしく、特に「鰻のたたき」を求めて遠くから訪れるそうで、通常は予約が必要とのこと。現にワタシが料理を楽しんでいる間、数組のお客を断っていました。

後々、この美味さが忘れられず、この店を目当てに松江に行くことにしたのだが、その日に限って店主のご家族の慶事で臨時休業のこと、仕方なく、別のお店に向かったのだがそのお店も実に旨い。松江は奥深いぞ!

  • 営業時間:18:00~22:30
  • 定休日:日曜
  • 訪問日:2006年6月24日
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川京 郷土料理 / 松江しんじ湖温泉駅松江駅
夜総合点★★★★ 4.0


どじょうすくいの湯@鷺の湯温泉

2009-11-22 15:30:04 | 温泉(島根県)

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鷺の湯温泉は旅館3軒の小さな温泉地だが、その発見は西暦700年代と歴史は古く、その昔、一羽の白鷺がこの湯で脚の傷を癒したという伝説からこの名となったとのこと、まあありがちな逸話ですが…

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そのごく小さな旅館街の奥に「安来節屋」という土産物屋というか、どじょうすくい体験道場のようなよくわからんお店があり、そこの離れが「どじょうすくいの湯」という温泉施設です。

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まるで民家の離れのような造りの建物があり、にわかに信じがたいがここが温泉なのです。
3畳ほどの浴槽には無臭で透明なお湯が掛け流されています。露天はないが、大きな窓からお庭を眺めることができ、経営者の思い入れが感じ取れます。ウイークデーにもかかわらず、常連と思しき客が立ち代り…聞くと、スポーツで痛めた肩を癒すのにここがいちばんだとのこと。

  • 泉質:含放射能-ナトリウム・カルシウム-塩化物硫酸塩泉 53度
  • 場所:安来市広域生活バス(イエローバス)・鷺の湯温泉BS
  • 訪問日:2006年6月26日
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竹葉@鷺の湯温泉

2009-11-21 15:08:34 | 温泉(島根県)

JR山陰本線・安来駅、または荒島駅から安来市広域生活バス(イエローバス)で20分~30分。安来市郊外の飯梨川沿いにある、旅館がたった3軒だけの小さな温泉街が鷺ノ湯温泉です。


開湯は古く724年~729年の間とされ、白鷺が傷を癒していることから発見したという開湯伝説から鷺の湯温泉と呼ばれるようになったとのこと。

130点におよぶ横山大観の作品と日本庭園で有名な足立美術館のすぐ隣にあるこの旅館では、ここの食堂でのマクロビオティックの食事に+500円で旅館のお風呂をいただくことができます。

まずは食事です。ここでいただけるマクロビオティックランチ(1,500円税別)は、マクロビオティックの本来の姿である皮や根も捨てずにひとつの素材を丸ごと使うのと違って、旅館の提供するものにふさわしく美しく加工されています。

マクロビオティック (Macrobiotic) とは、玄米や雑穀、全粒粉の小麦製品などを主食とし、植物性の自然食を中心とした食生活法や食事療法のこと。玄米ご飯と厳選オーガニック素材のお料理の数々で、メインはおからの揚げ餃子。植物性の優しい味わいながら、煮物などは意外にしっかり味付けされています。健康食的な悲壮感はありません。

食事の後がお楽しみの温泉です。こぢんまりした内湯には澄明なお湯がこんこんと掛け流されていて、舐めてみてもほぼ無味無臭。浴感に特徴はないがサラッとした素直な湯質です。

岩風呂になっている露天は、広くはないが丁寧に手入れされているお庭に面していて実に雰囲気がある。オーガニックな食材と、オーガニックなお湯…この合わせ技で実に心に残るお宿だといえます。


・場所:安来市広域生活バス(イエローバス)・鷺の湯温泉BS
・泉質:含放射能-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉 51.6℃
・訪問日:2009年11月3日


国民宿舎清嵐荘@出雲湯村温泉

2009-11-19 22:33:49 | 温泉(島根県)

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ここ出雲湯村温泉は出雲国風土記に「漆仁の湯」とされる歴史ある温泉。しかし、夢千代日記であまりにも有名になった兵庫県の湯村温泉と区別するため、いまでは出雲湯村と呼ばれるようになっています。今夜の宿は「国民宿舎晴嵐荘」。公共の宿なので、客室は狭くて質素、仲居さんすらいないながら、料金は格安です。

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安くて簡素なサービスな、庶民的な宿なのにもかかわらず、増築されたような真新しい浴室棟があり、ここに湯村温泉の柔らかい、優しいお湯が満たされています。温泉にはかなりの力を注いでいるようですね。現に昼間は地元の日帰り客でかなりの賑わいを見せている。確かに宿泊だけでは施設の維持は難しいんでしょう。

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露天風呂は周囲の山々が見渡される絶景で、ここでも新鮮なお湯がジャバジャバ掛け流されています。ここのお湯は少し温く、長湯を楽しめるワタシ好みのお湯です。日帰り客のいなくなる深夜に、上質なお湯をひとりで楽しみました。

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国民宿舎なので、食事は食堂でいただきます。ご飯を装うのもセルフサービス。しかし、ひとり旅のオッサンにはこんなフランクなサービスのほうが合ってるような気がします。仲居さんに付きまとわれるのも気が引けるしね。料理の質は…まあこんなもんでしょ。

  • 泉質:アルカリ単純泉、40.8度
  • 場所:雲南市民バス・湯村温泉BS
  • 訪問日:2006年6月25日
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湯乃上館・共同浴場@出雲湯村温泉

2009-11-17 23:17:55 | 温泉(島根県)

JR木次線・木次駅より雲南市民バスで国道314号線で15分ほど斐伊川沿いを遡ったところにある、出雲湯村温泉唯一の共同浴場です。


この温泉場は出雲国風土記に「漆仁の湯」とされる歴史ある温泉ながら、夢千代日記であまりにも有名になった兵庫県の湯村温泉と区別するため、いまでは出雲湯村温泉と呼ばれるようになっています。


斐伊川の両岸に1軒づつの旅館(うち1軒は一時休館中)しかない鄙びた温泉だが、鉄道の開通までは出雲と広島を結ぶ街道の宿場として栄えていたとのこと。今ではその鉄道すら危うい状況ではあるが…


その鉄道の息の根を止めるがごとく快適に整備された国道バイパスにあるバス停から、坂道を下り斐伊川を対岸に渡ると現れてくるこの共同湯は、その2軒の旅館のうちのひとつ、元湯の「湯乃上館」が運営する共同湯です。


2002年に立て替えられた木造の建物は、小さいながら小洒落た造りで、内湯と露天風呂が設けられています。


浴室内の溜め枡に澄明で無味無臭な源泉が一旦木桶に注がれ、そこから斐伊川を望む浴槽にジャブジャブ流れ落ち、内湯の湯船を満たします。


そしてその湯はさらに露天湯へ流れ、最後は川に捨てられる、見事なまでのお湯の利用法です。ここのお湯は少し温いので、じっくり長湯を楽しむことのできるお湯です。

・場所:雲南市民バス・湯村温泉BS
・泉質:アルカリ単純泉 44.1℃
・訪問日:2006年6月25日


かじか荘@海潮(うしお)温泉

2009-11-14 11:30:17 | 温泉(島根県)

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「出雲国風土記」にもその名を残す海潮温泉は、雲南市の山間、斐伊川支流の赤川沿いに約1,200年前に発見された歴史ある温泉とのこと。しかし、現役の旅館は3軒だけ。それ以外には、営業しているのかいないのかよくわからないスナック1軒と、廃業旅館の廃墟が骸を晒しているだけの、ごく小さな温泉地です。
 
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そんなあまりにも鄙びた温泉街の、これまたはずれにある共同湯がここ「かじか荘」です。ここには管理人が居らず、左の写真の賽銭箱に入浴料を投入してスタンプを押す方式。入浴客の善意によって成り立っています。

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4畳ぐらいの浴槽に源泉がそのまま掛け流されています。お湯は無色透明で僅かに硫化水素臭が感じられる…温泉の名前から塩辛いのでは?っと予想していたが、舐めてみると無味。特にコップを置いてるわけではないのだが、飲泉はできそうな感じです。

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熱い場合は蛇口を絞るように掲示してある。ワタシはは少し熱いと感じたが、地元の人たちは満足そうに浸かっているので、一介の旅行者が余計なことをしないほうがよさそうです。無名ながら一級品の温泉に出会いました。

  • 泉質:ナトリウム-硫酸塩泉 41度
  • 場所:一端バス・海潮温泉BS
  • 訪問日:2006年6月25日
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玉造ゆ~ゆ@玉造温泉

2009-11-13 17:10:36 | 温泉(島根県)
山陰本線・玉造温泉駅から南方に2kmほどのところ、玉湯川沿いに旅館が立ち並ぶ玉造温泉は、『出雲国風土記』抄に記載がある奈良時代に開湯した古湯です。

清少納言の枕草紙・117段に「湯はななくりの湯(現在の榊原温泉)、有馬の湯、玉造の湯」と記され、平安時代から名泉として謳われていたことが判ります。

玉造ゆ~ゆは新しい泉源の開発にあわせ、バブル真っ只中の1996年に誕生した日帰り温泉施設です。島根県出身の建築家、高松伸の設計で、施設内には温泉のほか、レストランや小規模なホールなど、複合的な機能を持っています。

路面から奥が高くなっている地形を活かし、斜面に壁を切り込ませ、その壁により天空に直径41mの半球を持ち上げるという大胆な設計。これは美術館であったとしても、とても温泉施設とは思えません。

しかしこの著名な建築家による先鋭なデザインの空間に、多数の幟が立ち、ゲーム機が置かれ、ホールでは「どじょうすくい」をやっているのはなんともキッチュ。高松伸もこれを見たら吃驚でしょう。

浴室には勾玉をイメージした大きな浴槽をはじめ、露天、サウナ、打たせ湯など、スーパー銭湯並みの設備が充実している。しかしムンムン漂う塩素臭にはがっかりです。

しかし、露天の湯口からはかなり熱いお湯が投入されていて、周囲には少なからず析出物があるので、もしかしたらここだけは新湯を流入させているのかも知れません。

・場所:一畑バス・温泉ゆーゆ前
・泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉 70.8度
・訪問日:2006年6月25日