バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

上本町YUFURA(大阪新歌舞伎座)@上本町

2010-08-28 23:13:34 | アート・文化

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近鉄大阪上本町駅の南側、近鉄劇場跡地に建設されていた複合ビルが開業し、このほど初めての土曜、日曜を迎えてかなりにぎわっています。

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このビルは近鉄の創業百周年記念事業のひとつとして、近鉄創業の地である上本町をエンターテインメントの発信拠点に再構築すべく、難波から大阪新歌舞伎座を移転させて建物の6階から8階までを劇場にするとともに、地下1階から5階までをショッピングゾーンとして、7階から13階をオフィスフロアーとして構成されています。このたび、オープン前の内見会に参加する機会があったので、早速レポートしますね。なお、ショッピングゾーンについてはいろいろ情報もあるでしょうから、主に劇場についての所感です。

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キャパ1500の客席は三層のバルコニー状になっていて、横に広く、舞台からの距離が近いようになっています。これだと、特に歌謡ショーなんかの場合、演者が舞台を上手へ、下手へと動きまわる演出が効果的ですね。

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見学時には緞帳が閉められていたので舞台を直に見ることができなかったが、プロセニアム形式の舞台は、廻り舞台と花道を備えた日本の伝統的な舞台様式。間口が11間(20m)、高さが4間半(8.2m)と、かなり横長な印象です。特に、難波の旧・新歌舞伎座?には無かった直径8間(14.5m)の廻り舞台ができたことによって、演出の幅が広がることになるでしょう。もちろん廻り舞台内にも3基の迫りが設置されているとともに、花道に「すっぽん」もあるようです。

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花道は着脱可能であるに加え、下段の客席自体も可動式のようです。これならミュージカルのような洋物にも対応できそうだが、オーケストラピットは無さげですね。また、立端が低いのと、三層目からは見下ろす形になるので、照明演出にこだわる現代演劇にはどうかな?吊物機構は最新の舞台設備を導入しているとのことだが、詳細はまだ入ってきません。ただ、全公演に占める歌舞伎の割合はそれほど多くならないでしょうが、はたして最新の機構が役に立つのかどうか…吊物なんかは案外手動の方が使いやすかったりするので…

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新歌舞伎座部分の外壁には、新歌舞伎座のシンボルでもある唐破風をデザイン的に取り入れるとともに、なんということでしょう…その壁には櫓が埋め込まれ、芝居小屋の面影を漂わせています。

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この上本町YUFURAと大阪新歌舞伎座の開業によって、上本町に新しい人の流れができてくれれば…と願っています。

  • 柿葺落興行:松竹花形歌舞伎 市川猿之助 総監修 二十一世紀歌舞伎組公演
  • 期間:2010年9月3日(金)~22日(水)
  • 出演:市川右近、市川笑也、市川猿弥、市川笑三郎、市川春猿、市川段治郎、市
    川弘太郎
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第56回 篝の舞楽@四天王寺

2010-08-04 22:50:41 | アート・文化

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真夏の四天王寺を彩る、篝の舞楽が本日開催されるとあって、実は天王寺の雅楽には少なからず縁があるものなんで、仕事を終えてから、自転車で駆けつけてみました。四天王寺の伽藍のなか、金堂と講堂の間の広場に舞台が設えられ、四方には篝が焚かれています。

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駆けつけたときにはすでに「振鉾(えんぶ)」、「萬歳楽(まんざいらく)」が終わっており、「貴徳(きとく)」が始まるところでした。この「貴徳」は右方の一人舞いで、面を着けた勇壮な舞です。実にリズミカルな楽曲と演奏に合わせる大ぶりな所作は、これぞ四天王寺の舞楽だと思わせる好演。

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次は「打毱楽(たぎゅうらく)」。これは左方の舞で、毱杖(ぎっちょう)と呼ばれるスティックで舞台の真ん中のボールを打ち合う様を表します。ホッケーの原形みたいなもので、これはまた珍しい舞楽です。

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最後は「長慶子」。舞楽のフィナーレは必ずこの楽曲です。都会の真ん中で楽しむ舞楽…さぞ優雅なものだろうと感じる方も多いでしょうが、実は血沸き肉躍る演目なんですね。ああ、久しぶりにやりたくなってきた…

  • 開催日:2010年8月4日
  • 場所:大阪市営地下鉄、四天王寺前夕陽丘駅
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ロブ・ワルバース「Body inc.」写真展@ベルギーフランドル交流センター

2010-06-05 23:40:17 | アート・文化

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ロックアーティストを被写体に、音楽雑誌のフォトグラファーとして活躍するロブ・ワルバース。このベルギー人写真家が刺青を施した日本人を題材にして、自信に満ちた彼ら被写体の表情を、漆黒の背景に浮かび上がらせた写真作品のコレクションです。

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刺青といっても日本の伝統的な倶利伽羅紋々ではなく、「洋モノ」チックな、所謂タトゥーアート。それでも、そこはかとなくオリエンタルな香りが漂っているようで面白い。

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このベルギーフランドル交流センターは、上本町の大阪国際交流センターの中、3階の一角にあって、ベルギー・フランドル(フランダース)の文化を紹介する施設で、定期的に展覧会やコンサートを開催しています。室内は静かで落ち着いた雰囲気ながら、インテリアの配色にヨーロッパの意気を感じることができますね。

  • 開催期間:6月4日~6月30日
  • 開廊時間:10:00~17:00(土曜は12:00~18:00)日曜日・祝日休廊
  • 入場料:無料
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佐伯祐三展~パリで夭逝した天才画家の道~@大阪市立美術館

2008-10-17 17:01:37 | アート・文化

P1000535P1000537 休日には多くの市民で賑わう天王寺公園の中に、和洋折衷建築の美しい姿を誇るのが、1936年開館の大阪市立美術館です。

この辺りは住友家本邸のあった場所で、日本庭園「慶沢園」とともに住友家から寄贈されたとのこと。

P1000557 この美術館で現在開催されているのが「佐伯祐三展」です。

30歳の若さでこの世を去った佐伯は、激しい筆づかいが特徴的な大阪出身の天才画家。渡仏してからの、パリの町並みを描いた作品群や、髭の郵便配達夫など、日本を代表する洋画作品を創作しました。

中でもパリのカフェや広場での、乱雑ながら色鮮やかな広告文字を精緻に描いた作品は、フランスパンの匂いが漂ってきそうな程の、パリの趣が溢れています。

佐伯は事情により一時帰国を余儀なくされ、しばらくの間は東京や大阪の町並みを描いていたが、単調な風景に著しくモチベーションが下がったといいます。ウーン…ちょっと嫌なヤツですね。

P1000534 それはともかく、戦争の暗い時代に入る前、パリの最も美しい時代を描いた作品群は一見の価値がありますね。

このほかに、大阪市立近代美術館建設計画によってコレクションされた近・現代作品の展示も同時開催しています。

16億円で購入したことで一時議論となったモディリアーニの作品のほか、デ・キリコやダリの作品も展示されています。

開催期間は残り僅か。急げ!!!

  • 開催期間:9月9日~10月19日
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青春のロシア・アヴァンギャルド展@サントリー・ミュージアム

2008-09-28 18:05:46 | アート・文化

P1000279 天保山には海遊館やマーケット・プレースなどの多くのカップルや家族連れで賑わう人気集客施設がある一角に、少し落ち着いた空間、サントリーミュージアムがあります。

この建物は、美術館スペースと巨大スクリーンのアイマックスシアターから構成されており、建築は安藤忠雄、建物自体がアートですね。

P1000284 このギャラリーで現在開催されているのが「青春のロシア・アヴァンギャルド展」です。一部の作品に贋作疑惑が発生し、あのカンディンスキーやシャガールの作品が出展取りやめになった話題のイベントです。

それでも、開催ポスターになったマレーヴィチ作の「農婦」に魅せられ、この作品だけでも価値があると思ってきてしまいました。抽象絵画なのに土と対峙する農婦の安定感が見て取れる。

20世紀初頭のロシアは、パリと並ぶ、あるいはそれ以上の先進の気風があったんですね。フォーヴィスムやキュビズムに影響を受けた抽象絵画が一気に開花し、この美術展の白眉、マレーヴィチや、今回見ることができなかったカンディンスキーが輩出される…

一方、そんな気風に逆行するかように、アンリ・ルソーの素朴な作風に通じるピロスマニが見出されたりするんです。

P1000282 「青春の…」っていうタイトルがいいな。帝政の旧時代と決別して、新しい世紀に美術界に新しい潮流を産み出そうとする意気込みが伝わってくる。

未来への希望が昇華した作品群、今となっては冷酷な結末に終わったロシア~ソ連に至るあの時代だけに、実に感慨が深いな。

  • 開催期間:2008年9月25日~11月3日
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人間、この愚かですばらしきもの展@梅田スカイビル

2008-09-03 22:53:28 | アート・文化

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梅田の北側、梅田スカイビルで、大阪の「人形劇団クラルテ」で人形美術を手がける南條亮氏による、人形と情景のジオラマ展示が開催されています。

テレビの情報番組で開催を知り、これはぜひとも観てみたいと思いました。

Img_8008 いきなり大阪大空襲を主題にしたジオラマが現れました。

危機から逃げ惑う人たち、家族の死に悲嘆にくれる人たちがジオラマ化されています。

いかに「お国のため」の時代でも命の危機には誰でも怖いんですね。

Img_8010_2 よく見るとところどころに黒焦げの死体が…人間がカーボンになる…

惨いんです。

でも目をそらしたらアカンのです。

Img_8012 思わず涙がぼろぼろと落ちてきて、ハンカチで顔を覆ってしまいました。

空いていてよかった。大の大人が泣き顔を晒せないからね。

お涙ちょうだいの下手な映画を見るより、水分発生量が多いと思います。

Img_8013 次の展示は終戦直後のドサクサです。

無事に復員が叶ったことを喜ぶ家族や、傷痍軍人がハーモニカを奏でて日銭を稼ぐ様や、「ギブミー・チョコレート」と叫びながら進駐軍のジープを追っかけるさまや、なんとパンパン(売春婦)が米軍兵士にアタックする様まで表現されています。

これ以後、「撮影はご遠慮ください」との表示があったので写真は撮ってません。
この後の展示では、復興途上の下町で、演芸会が催されたり、駄菓子屋の周りで子ども等が暴れていたりと、徐々に明るさを取り戻している様が表現されていて、少し救われるんですね。

それでもところどころ戦争で親を失った兄弟が悪ガキにいじめられてたり、弟をおぶっていた兄が、弟が飢えで死んだので、代わりに野良犬を背負っていたり…ところどころ憂いがある。

これは下手な映画を見るよりグッと琴線に響く展示です。

展示の最終日は9月15日。興味のある方は急げ!!!

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