バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

犬鳴山温泉センター@犬鳴山温泉

2010-11-08 22:24:26 | 温泉(大阪府)

南海本線・泉佐野駅またはJR阪和線・日根野駅からバスで約20分、犬鳴山温泉は、泉佐野市の山間部、樫井川の上流の川沿いに数軒の旅館が並ぶ大阪府内で唯一の温泉郷です。温泉が湧出したのは戦後のことだが、この山域は1300年あまり前に修験道場として開かれた由緒あるエリアです。


犬鳴山の地名の由来はその昔、この山に鹿を追ってきた猟師が大鹿に遭遇。弓を引き絞ったその時、連れてきた猟犬がはげしく吠え立てて大鹿を取り逃がしてしまいました。せっかくの大獲物に逃げられた猟師は、怒りのあまりその犬の首をはねてしまったのです。そしたら、その犬の首がそのまま飛び跳ねて、草陰の大蛇の首に噛みつき、大蛇を退治したのです。愛犬に救われた猟師は、犬を殺したことを悔いて修験者になり、自分の畑地に「不動堂」を立てて、愛犬を供養します。爾来ここを「犬鳴山」と呼ばれるようになったとのことです。しかし、なにもそこまで怒らんでも…っとおもいますが。この猟師、カルシウムが不足してたのでしょうか。


この犬鳴山温泉センターは旅館街の少し奥にある温泉施設です。その名称から昔の「ヘルスセンター」みたいな施設を想像しがちだが、そうではなく、民宿に毛が生えたようなところです。


温泉は別棟となっており、ゴムぞうりに履き替えて屋外を少し歩く。温泉棟は年季が入って萎え、少々錆が回った脱衣棚にまた少し萎える。


ところが浴室の扉を開けると、光線が差し込み、神々しいほどの光景が…光の奥にはエンジェルが水壷を持って空を飛び交い、薄衣をまとったニンフが舞い踊っているに違いない。引き込まれるように入ってみたら、お湯が炭酸成分で少し白濁しているのと、炭酸がミストとなって浴室に広がっている。これらによってこの美しさを作り出してるのでしょう。泉質は…普通の単純泉で循環ろ過のお湯でした。


温泉センターには大広間があり、ここで食事もできるようです。名物らしい釜飯定食をいただくことにしました。釜飯が炊けるまでは定食のおかずをアテに湯上がりのビールをキューっと。


釜飯が炊けた頃合を見計らってオバチャンが蓋を取ります。炊き上がった飯はフカフカで旨い。


食べ終わって勘定をお願いすると、件のオバチャンに「おおきに。また来てなー(ニコリ)」。こういう大阪的な接客…大好きです!

・場所:和歌山バス那賀、南海ウイングバス・犬鳴山BS
・泉質:弱アルカリ性単純泉 26度
・訪問日:2006年11月13日


ユーバスROYAL高井田店@東大阪・高井田

2009-01-28 17:23:23 | 温泉(大阪府)

東大阪市の高井田地区は零細工場が林立する大阪の技術の集積地として、そして最近では真っ黒な醤油ラーメンの発祥の地として、徐々に全国的な認知が広がってきています。


この工場地帯のど真ん中にある天然温泉を謳うスーパー銭湯を訪ねてみました。掛け流し原理主義者のワタシにはこの手の温泉にはあまり足が向かないのだが、高井田系ラーメンをいただくついでに寄ってみたわけです。


温泉というのは本来は天然のものであって、あえて天然といわなくてもいいもののはずだが、ここはなぜか天然を謳っているので、なにか胡散臭さを感じてしまいます。

大きな内湯のある浴室と広い露天風呂、サウナ、垢すりと、いかにも普通のスーパー銭湯の造り。浴室には無粋な塩素臭が漂っています。


開放的な露天風呂に浸かっていたら、この一角にある三つ並んでいる壷湯を発見。この壷湯には地下1,001mからくみ上げる源泉そのままに近い状態のお湯が満たされているとのこと。


お湯は匂いも味もなく、僅かにヌルっとした感触の、特徴の希薄な単純泉。ただ、少し茶色がかかっているのが唯一の特徴かな。

加温していないのでお湯は温く、そのためじっくり浸かっていられる。これはなかなか居心地いいぞ!湧出量が550L/minと案外豊富なので、一部とはいえスーパー銭湯では貴重な自然な状態が保てるのでしょう。


全体的に清潔だし、靴箱・脱衣ロッカーが小銭不要だったりと、スー銭にしてはレベルが高い。機会があればまた来てしまうかも…

・場所:JR高井田中央駅・地下鉄高井田駅
・泉質:単純温泉 41.2℃
・訪問日 2009年1月28日


湯処あべの橋@阿倍野

2008-11-18 23:28:55 | 温泉(大阪府)

大都市・大阪の南の玄関口、あべの・天王寺。この地区はここ10年ほどで大きく変貌を遂げたエリアです。


今のところ日本一高いビルとして知られるあべのハルカスをはじめ、あべのキューズモールや天王寺MIOなど、多くの商業施設が建ち並び、多くの内外からきた多くの買い物客で賑わっています。


阿倍野の再開発で建てられたタワーマンションの足元に、マンションの付随施設として駐車場ビルがあり、その駐車場ビルの1階に、これも再開発で移転してきた銭湯が設置されています。


料金は大人440円。全くの普通の銭湯なのだが、屋内はかなり広く、浴室も街場の銭湯らしからぬ広々とした造りになっています。この浴室の一角には、運び湯の温泉浴槽があり、塩分の強いお湯が循環されています。


この源泉は港区の姉妹店、天然温泉テルメ龍宮からの運んできたもの。いわゆるタンクローリー泉なんで、温泉としての値打ちはグッと下がるが、海水風呂のような塩分の濃さを保っているので浴感は悪くない。


泉質はナトリウム-塩化物泉。いわゆる塩のお湯なので、浸かるとあっという間に茹だってしまいます。冬場には最適ですね。

再開発されるまでは長屋や商店が建ち並んでいたこの地域のこと、利用の多くは地元の人たちのようだが、駅や繁華街にも近く、24時まで開いているので、仕事帰りやちょっと一杯の後に使えるのも良いですね。

・場所:JR天王寺駅・地下鉄天王寺駅・近鉄阿部野橋駅
・泉質:ナトリウム-塩化物強塩温泉 53.9度(ただし源泉のテルメ龍宮での測定)
・訪問日:2008年11月17日


リフレうりわり @瓜破

2008-09-06 23:17:54 | 温泉(大阪府)

Img_5860_3大和川の南側、松原市に囲まれていて飛び地のようになっているこの瓜破地区に「リフレうりわり」があります。

ここは、隣接する大阪市のごみ処理場の廃熱を利用した施設で、フィットネス・屋内プール・温浴施設を備えた総合健康施設です。

Img_5862 なので、お湯は温泉ではなく、おそらく大阪市の水道水。しっかり塩素臭がしています。

ここには小さいながら露天風呂もあるが、こちらは露天なので塩素臭は気にならない。

浴槽には別府の湯の花が投入されていて、温泉旅館でこれなら噴飯ものだが、最初っから温泉と思ってきていないので腹も立たない。

Img_5861 さすがに温泉目的で訪れるお客さんはあまり見られないな。空いてる分、居心地よく感じます。

この施設には地産の野菜などのショップもあって、これを目当てに来るお客さんも結構いるようです。

  • 泉質:水道水
  • 場所:大阪市バス・リフレうりわりBS
  • 訪問日:2008年1月15日
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テルメ龍宮@朝潮橋

2008-08-24 10:51:54 | 温泉(大阪府)

地下鉄・朝潮橋駅と大阪港駅の中間ぐらい、大阪シティバス・港晴BSからすぐのところ。中央大通りから南に少し入ったところにある尖塔のてっぺんの誇らしげに温泉マークを掲げている銭湯です。


銭湯にしてはかなり大きな建物はムンムンと昭和臭を漂わせていて、番台ではなく自販機で入浴券を購入するが、料金は390円(当時。現在は440円)の銭湯料金だし、下駄箱は昔ながらの木の札。やはり銭湯です。


脱衣所や浴室は昭和の香りとともに、残念な塩素臭が漂っています。銭湯なので仕方ありません。面白いのは、脱衣所から地下に下りる階段があって、ここに第二浴場というべき地下浴場があることです。


内湯から奥に進むと、陽の光が差し込んだ一角が現れます。これがこの銭湯の白眉、掛け流し露天です。地下1,500mより毎分293リットルを汲み上げるという貴重な天然温泉です。


ここには循環ろ過のない褐色のお湯が満たされています。保健所の指導もあってか塩素を投入しているが、自然の温泉であることには違いない。加温していないため温めのお湯だが、塩の湯なので浸かっているうちにじんわり温もってきます。


掛け流しとは言ってるが、流れ出たお湯はしっかり回収されて他の浴槽に廻されているので、本来の掛け流しとは言えない。それでも、大阪市内でこれほど強力なお湯は貴重です。


なお、このお湯が湯処あべの橋へタンクローリーで運ばれていて、阿倍野付近の住民に親しまれています。

・場所:地下鉄・朝潮橋駅、大阪シティバス・港晴BS
・泉質:ナトリウムー塩化物強塩温泉 54.5℃
・訪問日:2008年3月7日


天然温泉田辺@地下鉄田辺

2008-08-21 17:45:00 | 温泉(大阪府)

Img_5451 自宅から赤バスで10分ほど、地下鉄田辺駅の間近にある温泉施設で、おそらく我が家から最短距離の温泉でしょう。

温泉というのは本来は天然のものであって、あえて天然といわなくてもいいもののはずだが、ここはなぜか天然を謳っているので、なにか胡散臭さを感じてしまいます。

Img_5453 ところが、一般料金(390円)ではなく650円の特別料金を払うと、サウナとセットで露天温泉の使用が許される。そしてその露天こそ源泉そのままの、大阪市内としたら画期的な上質なお湯が溢れています。
僅かに湯の花の漂う褐色の湯は無臭ながら少しだけ塩味。露天のお陰で一般浴室にある無粋な塩素臭とは無縁です。

ワタシはサウナが不得手なので、賑わうサウナをよそ目にもっぱら源泉に浸かることに…

こちらはあまり人気がないようなので独り占めができる。
ここは穴場ですよ。

  • 泉質:ナトリウム-塩化物泉 53.4度
  • 場所:地下鉄田辺駅・市バス田辺駅BS
  • 訪問日:2007年11月12日
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湊潮湯@堺

2008-08-21 12:32:25 | 温泉(大阪府)

堺市の臨海地区は、今でこそ巨大な工場が建ち並び、煙突から白煙を立ち上らせるコンビナート地帯だが、昭和の高度成長期以前、このあたりは白砂青松の海岸でした。


大阪郊外の主要な海水浴場であったとともに、1913年(大正2年)に海水を利用した「大浜潮湯」が開業。浴場のほかに食堂、劇場、遊技場なども完備した、現在の健康ランドに近い施設として人気を博したそうです。


南海線・堺駅の南隣の駅・湊駅のすぐ近くにある「湊潮湯」は、全国的にも珍しい、海水を温めたお風呂のある銭湯です。これぞまさしく「大浜潮湯」の生まれ変わりです。


ここの温泉…いや、温泉ではないのだが、そこらへんにあるスポイト温泉(現行法では白湯に温泉水をスポイトで一滴落としただけでも温泉を名乗れる)なんかよりよほど強力なのです。


一応、普通の銭湯と同様に清水の大浴槽がメインだが、この浴室の一角に、堺の海の少し沖のほうから引かれた海水を温めた、独自の潮湯を設えてあります。


海水なので当然といえば当然だが、塩辛いお湯。温泉では熱の湯とされるナトリウム泉に相当するこのお湯のこと、体ホカホカになってくる。油断したらのぼせてしまいました。


海水なのでベタベタ感があるのはしかたがないが、すぐに清水で洗い流せるし、アトピーの人にもいいのかもしれません。夏場は暑くて足が向かないが、寒い日には無性に入りたくなるお湯です。

・場所:南海電鉄湊駅・南海バス出島BS
・泉質:海水
・訪問日:2010年4月25日


世界の大温泉・スパワールド@新世界

2008-08-20 23:26:37 | 温泉(大阪府)

大阪環状線新・今宮駅、または地下鉄・動物園前駅野周辺は、ディープ大阪の中でもひときわディープなエリア「新世界」です。その新世界でいつも多くの観光客を集めている商店街「ジャンジャン横丁」の西側にある巨大な温泉施設が「世界の大温泉・スパワールド」です。


ここは、その西隣にあった「フェスティバルゲート」とともに大阪市の土地信託事業で造営された集客施設で、大阪の「暗部」に光をもたらす施設となるはずでした。


フェスティバルゲートは当初、ビルの中を駆け巡るスリリングなジェットコースターが人気で、カップルや家族連れで賑わっていたが、早々に客足が遠のき、紆余曲折を経て今では銀玉屋に成り果てました。


一方のスパワールドは、「世界の大温泉」というサブタイトルどおり、古代ローマ風呂などのヨーロッパゾーンと、ペルシャ風、バリ風、和風のアジアゾーンがあり、月毎に男女が入れ替わるシステムなど、様々な趣向や広告宣伝が奏功し、今でもかなり賑わいを見せています。


温泉マニアの義務感として、この大阪を代表する日帰り温泉施設であるスパワールドを試してみることにした。しかし入館してみると、予想に違わず…というか、想像を絶するほどの塩素臭。天然温泉を謳ってはいるが、どこに天然の部分があるのかと…


でもまあ、これだけの人数が入るのだから仕方がないのかな。考えるに、ここは温泉だと思ってはいかんのです。むしろ男女別のヌーディスト専用プールだと思えばいいのですよ。ワタシは二度と行かないでしょうが…

・場所:大阪環状線新今宮駅・大阪市営地下鉄動物園前駅
・泉質:単純温泉 39.6度
・訪問日:2007年8月21日


励明園@大阪港(天保山)

2008-08-19 19:39:42 | 温泉(大阪府)

地下鉄中央線・大阪港駅より北方向、巨大水槽にジンベイザメが泳ぐ海遊館が人気を集める天保山エリア。ここに温泉ではないのだが、ある意味、温泉以上に強力なお風呂があります。


この励明園は、おそらく港湾関係に従事する人たちのための木賃宿が発祥なのでしょう、昭和の匂いがぷんぷんと漂っている家族経営の小さな旅館。しかし、ほのぼのとした雰囲気とは対照的に、お湯は実にサディスティックです!


さっそく浴場に入ってみると、強烈な漢方薬の臭い。不快な臭いではないが、目や喉がヒリヒリします。まず洗い場で体をよく洗い、湯に体を慣らすため白湯に短時間入ります。


その後、スープカレーのような色の薬湯に入るのだが、ここで注意するのは必ず急所を手で覆って入るとのこと。浸かった当初はあまり痛くないので少し油断してしまったのが大間違いでした。いったんお湯から上がり、再度入ってみると…あれ?少し熱いぞ…


熱い…イタイ……イタイ……痛いっ!……ウギャー!!!!浴槽から飛び出てシャワーで洗い流し、しばし休憩。


覚悟を決めて再挑戦、今度は急所をしっかり押さえて入ると、慣れたのかチョットは快適になってきました。沁みます。熱いです。痛いです。お手軽コースの制限時間の2時間すら全うすることすらできませんでした。


しかしお風呂から上がってからの爽快感は比類ありません。これはクセになる気持ちよさ。是非挑戦してみてください。

・場所:地下鉄大阪港・大阪市バス天保山BS
・泉質:黄柏・黄ゴン・山梔子・蕃椒・当帰・川キュウ・鬱金・荊芥・その他
・訪問日:2007年10月22日