バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

よしだや@有福温泉

2009-04-29 21:45:44 | 温泉(島根県)

山陰本線・江津駅より石見交通バス有福線で30分ほど、およそ1300年前に開湯したとされる有福温泉は、石段が入り組む山峡の斜面に9軒の小規模な旅館と、3箇所の共同浴場があります。

実に鄙びた、時が止まったかのようなこの温泉街の斜面の上方に、小さな温泉街に似合わぬほどの立派な建物が有福を代表する共同湯、御前湯があります。


その御前湯の裏手にある旅館「よしだや」は、家族的な雰囲気で宿泊料も高くないことから、有福温泉でのお宿として何度かお世話になったところです。

源泉の豊富なこの温泉地では共同浴場だけでなく、各旅館でさえ自家源泉を持つところも多く、この旅館も自家源泉です。


無味無臭の、しっとりとした浴感はこの温泉の特徴そのもの。惜しげもなく掛け流されているお風呂には夜中でも入ることができる…これぞ宿泊者の特権です。

何回も何回も浸かっているうちにひと皮めくれた感じがしてきます。これは一種のピーリング、アルカリ泉ならではのことですね。女性には嬉しいと思います。


料理も手堅くまとめられている。贅沢な素材を使っているわけではないが丁寧に拵えられていて美味い。享楽とは対照的な温泉情緒を味わいたいなら、この有福温泉はかなりお奨めです。

・場所:石見交通、広島電鉄(高速バス)・有福温泉BS
・泉質:アルカリ性単純温泉 42.2度
・訪問日:2009年4月12日


元湯@温泉津温泉

2009-04-18 21:48:27 | 温泉(島根県)

P1030299

この元湯は温泉津温泉を代表する共同湯です。薬師湯に比べて建物は小さく、何気ない単なる古びた建物だが、控えめな唐破風が歴史ある温泉を主張している。そう。ここが温泉津の温泉のスタンダードなのです。

Img_8439

Img_8434

浴槽は三つに分かれていて、左側は浅い浴槽、真ん中が適温、右側が熱い浴槽となっています。この熱いお湯に地元の爺さんが何気なく浸かっているが、慣れない旅行者にはとてもムリ。やや緑がかった褐色お湯は、かなりの金気臭と塩分。浸かっていると体が浮きそうになるぐらいです。

Img_8437

飲泉はできるものの、とても不味くて飲みづらい。浴場の床は温泉成分が茶色に染み付いていて、実に濃厚なお湯を体現していますね。脱衣所には鍵の付いたロッカーがなく、名前の入ったマイ洗面器がキープされている…地元の方々と湯治客が主な利用者なのでしょうが、ワタシのようなバスで訪れる旅行者には少々不便です。

P1030305

この温泉津の温泉街、茶色い甍の建ち並ぶ昔ながらのしっとりとした佇まいが情緒豊かです。泉質を求められるいま、再びホンモノの温泉を求める湯治客で栄えることを期待します。ぜひとも今度は一週間ぐらい湯治したいところですね。

  • 泉質:カルシウム・ナトリウム‐硫酸塩・塩化物泉 49.4度
  • 場所:温泉津町営バス・温泉津温泉BS
  • 訪問日:2009年4月13日
<script type="text/javascript" charset="UTF-8" src="http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?prop=map&amp;lat=35.09334341&amp;lon=132.35254811&amp;sc=3&amp;mode=map&amp;pointer=on&amp;home=on&amp;hlat=35.00798611&amp;hlon=132.22366389&amp;s=12400588911516345f959d12779b758788587234de&amp;width=320&amp;height=240"></script>

更新の励みです!下のバナーをぽちっとしてね
にほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へ


薬師湯@温泉津温泉

2009-04-17 23:58:15 | 温泉(島根県)

P1030304

「温泉津温泉」…温泉好きなら読めますよね…え?「オンセンヅオンセン」??違います。「ゆのつおんせん」です。この地名に惹かれて訪れたのは4年前。想像以上にお湯が良かったので再訪してみました。

P1030303

「薬師湯」は明治時代の浜田地震によって新たに湧出したため、「新湯」あるいは「震湯」とも呼ばれています。こちらの建物は昭和初期の建物で2階建てのモダンな造りです。以前来たときは、もっと煤けた、古びた佇まいだったのだが、リノベーションによってかなり明るい雰囲気になっています。

Img_8450

浴室の真ん中に、あまり大きくない楕円形の浴槽が掘られていて、そこに褐色のお湯がコンコンと掛け流されています。強烈な金気臭で、舐めてみるとかなりの塩辛さ。浴槽の縁には析出物がこびりついていて、この温泉の濃厚さを物語っています。

Img_8449_2

湯口の形状はナマズを模していて、この温泉の由来を表しているのが面白いな。

P1030302

P1030310

この建物の上階は休憩所になっていて、洋館造りの旧館と繋がっていて、食事をいただくことができる。また、屋上も開放していて、石州瓦の美しい温泉津の街並みを望むことができ、これはなかなか価値がある。温泉津を積極的にアピールしているこの姿勢、共感するとともに頭が下がります。

  • 泉質:カルシウム・ナトリウム‐硫酸塩・塩化物泉 46度
  • 場所:大田市営バス・温泉津温泉BS
  • 訪問日:2009年4月13日
<script type="text/javascript" charset="UTF-8" src="http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?prop=map&amp;lat=35.09311156&amp;lon=132.35182278&amp;sc=3&amp;mode=map&amp;pointer=on&amp;home=on&amp;hlat=35.00798611&amp;hlon=132.22366389&amp;s=12399802371516345f959d12779b758788587234de&amp;width=320&amp;height=240"></script>

更新の励みです!下のバナーをぽちっとしてね
にほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へ


皐月湯@有福温泉

2009-04-15 09:48:01 | 温泉(島根県)

P1030209

現在の有福温泉は、観光客も多くなく、潰れたスナックやみやげ物屋が寂寥感をいっそう増幅させます。そんなひっそりとした温泉街で、ひときわ賑わっているのがここ皐月湯です。レトロな建物で一部愛好家に人気の御前湯とは異なり、地元の方々にはこちらのほうが人気のようです。

115_1544

有福温泉にはなんと13箇所もの源泉があり、各共同湯もそれぞれ独自の源泉で、この皐月湯も当然ながら自家源泉。無味無臭の、しっとりとした浴感は有福スタンダードではあるが、お湯が少し白濁したような感があるのはタイルの色の所為だけかな?

P1030208

有福の温泉効能表示にはリウマチや通風などと並んで原爆症の記載があります。また、この温泉街の一角に原爆療養所もあります。広島に近いからでしょうね。戦争があった歴史の重みを感じます。平和ボケして温泉旅行に浮かれていていいのかな…

  • 泉質:アルカリ性単純温泉 45.9度
  • 場所:石見交通、広島電鉄(高速バス)・有福温泉BS
  • 訪問日:2009年4月12日
<script type="text/javascript" charset="UTF-8" src="http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?prop=map&amp;lat=34.9376158&amp;lon=132.20294078&amp;sc=3&amp;mode=map&amp;pointer=on&amp;home=on&amp;hlat=34.896025&amp;hlon=132.08246111&amp;s=12397564671516345f959d12779b758788587234de&amp;width=320&amp;height=240"></script>

更新の励みです!下のバナーをぽちっとしてね
にほんブログ村 旅行ブログ 温泉・温泉街へ


やよい湯@有福温泉

2009-04-14 22:45:30 | 温泉(島根県)

有福温泉は、浜田市外から東へ車で15分程度の山中にある鄙びた温泉街。驚くべきことに、この小さな温泉街に13ヶ所もの泉源があり、そのすべてが自然湧出とのこと。


その豊かな源泉のお陰で、小さな温泉にもかかわらず、3軒の共同浴場を有しています。そのひとつがここ、やよい湯です。


石州瓦が鮮やかな建物はここの共同湯の中でも最も小規模。玄関はメインの通りから反対側の山側にあって、番台から階段を降りて半地下の浴室に至ります。


小さな温泉には澄明なお湯が掛け流されていて、他の共同湯に比べたら少し温めのお湯。しっとり優しく、ついつい長湯したくなるいいお湯です。利用者は地元の方が大多数。ほのぼのとした心温まる温泉ですね。


・場所:石見交通、広島電鉄(高速バス)・有福温泉BS
・泉質:アルカリ性単純温泉 43.1℃
・訪問日:2009年4月12日


あづまや@湯の峰温泉

2009-04-06 22:36:35 | 温泉(和歌山県)

老舗の風格が漂よう湯の峰温泉を代表するこの建物は、フランスの作家アンドレ・マルローが「これぞ日本の宿」と絶賛した旅館。フランス文学に明るくないワタシには「誰?」って感じだが、日本の有名な温泉評論家の多くも大絶賛の、すこぶる有名な旅館です。

木造の浴室は大正時代の築造とのこと。槙の浴槽も湯を含んでなめらか。そして乳白色の湯は芳しい温泉臭を放ちます。 浴感はガツンだが、古木に包まれているせいか、緩やかな時間が流れている感じがします。

小さい浴槽は「さまし湯」で、独自の手法で加水せずに適温にしているらしく、恐ろしく濃厚。ワインに例えるならフルボディのボルドーでしょうか。

ここの料理も絶品。温泉の湯の風味を料理に生かしています。鮎の塩焼きや熊野牛のしゃぶしゃぶが超美味!しゃぶしゃぶの湯はもちろん温泉水で、やはりここの個性的なお湯は料理には最高ですね。

この旅館、多少値が張るので、正直、ひとり旅にはもったいない。湯の峰温泉にはかなりリピートしているが、ここには1回しか泊まったことがありません…

  • 泉質:含重曹硫化水素泉 92度
  • 場所:奈良交通、熊野交通、龍神自動車・湯の峰温泉BS
  • 訪問日:2005年11月14日

日本最長路線バスの旅(3)@十津川・熊野

2009-04-01 23:19:03 | ☆バスde温泉(近畿)

バスde温泉@十津川村役場~十津川温泉の続きです。

Img_3541

十津川温泉からさらに南下、熊野を目指します。

Img_5524

特急バスは午後の便だけなので、午前中に熊野に行けるのは十津川村営バスだけ。日野リエッセが主力の村営バスは、村民の通学や通院の重要な足を担っています。バスは狭い土地に民宿や旅館の建ち並ぶ蕨尾の集落の中を走り抜け、再び山間へ。

十津川の支流の先には十津川の源泉と、さらに遡ったところに上湯温泉があります。この秘湯が実にいい!

P1080795

ここには十津川独特の人力ロープウェイ「野猿」が観光用に残されています。こんなもの、今では生活の手段として使うことはないが、これはあくまで観光用。いちど乗ってはみたものの、けっこうしんどい。毎日使ってたら相当腕力がつくでしょうね。

Img_5525

山肌の道をクネクネ走っていると、眼下に二津野ダムが見えます。ダムってそれ自体が高いところにあるのに、それをはるかに見下ろす位置にバスが走っている…高所恐怖症の人には耐えられないかもしれませんね。

P1020556

まもなく急峻な山肌に、七色バイパスのニョッキリと立つ高架橋が現れます。七色の高架橋です。こんなところに壮大な構造物!日本の土木技術に脱帽。

Img_2504

七色の集落を過ぎると十津川村ともお別れとともに、そしてここから和歌山県、熊野路です。奈良と和歌山の県境を越えると、今まで荒々しかった流れが一転、川幅が広がり、穏やかな流れに姿を変える。それとともに、十津川から熊野川へ、再び呼び名が変わります。

Img_5539

さっきまでの急峻な景色とは一転、空が広がるにしたがって、なんだか神々しい気が満ちてきたように感じる。そろそろ熊野本宮です。大水害以前、熊野本宮大社はこの広々とした河川敷の中洲、大斎原(おおゆのはら)にありました。ここには現在、ニョッキリ屹立している鳥居のみが旧社地を示しています。

P1030794

現在、西の丘に移設された本宮があり、多くの参拝者でにぎわっています。本宮のシンボル「八咫鳥(やたがらす)」は、神の使者で三本足のカラスで、日本サッカー協会のシンボルマークでもある。サッカーの日本代表のユニフォームにもこのマークがあるのはよく知られていますね。

Img_3576

石段を登っていくと本殿が現れます。社殿は大きいとはいえないが、ここが全国の熊野神社の総元締め。蟻の熊野詣の目的地です。

P1010379

バスは熊野本宮の停留所を出ると、一旦国道168号線から別れて湯の峰温泉へ続く国道311号線の旧道の山道をクネクネ進みます。すれ違いの困難な細道ではあるものの、一般車のほとんどが新道を使うため、離合に難儀することはほとんどありません。

Img_5910

Img_5913

本宮大社から湯の峰温泉までは、「大日越え」と呼ばれる熊野古道のもあります。ある日、ここを気まぐれに歩いてみました。しかし、この道は山越えルートなので、日ごろの運動不足の身にはけっこう辛いものが…。それでも、美しい杉木立の中にところどころに社や石仏が現れる。まさしく世界遺産の古道!

P1010372

バスが峠を下り、車内に硫黄臭が漂ってきたらまもなく小ぢんまりした温泉街が見えてきました。湯の峰温泉です。旅館の軒と軒の間をバスがギリギリ通り抜けたら湯の峰温泉のバス停。

目の前に小さいお寺と湯の峰温泉の元湯、そしてこの周りが湯の峰の実に小さな温泉街です。

続く…

<script type="text/javascript" charset="UTF-8" src="http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?prop=map&amp;lat=33.82495808&amp;lon=135.76046445&amp;sc=7&amp;mode=map&amp;pointer=on&amp;home=on&amp;hlat=33.72463111&amp;hlon=135.38052&amp;s=12385955251516345f959d12779b758788587234de&amp;width=320&amp;height=240"></script>

更新の励みです!下のバナーをぽちっとしてね
にほんブログ村 旅行ブログへ