バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

しらさぎ@椿温泉

2021-11-08 14:45:59 | 温泉(和歌山県)
和歌山県白浜町にある南紀白浜温泉は、豊富な湯量と極上の泉質を誇る温泉地。しかも青く輝く太平洋と白い砂浜に恵まれ、次々にパンダが生まれる温暖な気候により、日本有数のリゾート地でもあります。



しかし同じ白浜町内にある椿温泉は、紀州藩の地誌『紀伊続風土記』(天保10年)に名湯として記されているものの、全国的に有名な南紀白浜温泉の陰に隠れてしまって、あまり知られてはいません。



歓楽街らしきものが一切存在しないこの椿温泉では、ここ数年の間に温泉街で最も老舗の湯元旅館の「椿楼」が廃業、温泉マニアに愛好された旅館「冨貴」も閉館。実に寂しくなってしまいました。



しかしここには異様なほど巨大な建物が林立しています。これは高度成長期からバブル期にかけて、投機の対象としてリゾートマンションが次々と建設されたからです。しかし、それらに住む人も少なく、人の姿を見かけることは稀な状況です。

長い緊急事態宣言が集結し、ようやく遠慮なく旅行ができるようになった今年(2021年)の秋。久しぶりに椿温泉の優しいお湯に浸かりたくなり、「バスde温泉」を実践することにしました。



白浜駅前から明光バス・日置行きに乗車し、海沿いを走ること20分足らず。椿温泉BSに到着しました。バス停の目の前が今回宿泊する旅館です。

昭和29年開業のこの旅館は、鉄筋4階建・平成2年築の本館と木造2階建の別館に加え、湯治専用棟を新設するなど、お湯の質にこだわるお宿。2食付いて一万円を切る値段が魅力で、ネット予約しました。



エントランスから中に入ると、小ぢんまりしたレセプションカウンターがあるとともに、喫茶店のような飲食スペースが設けられています。小さいレストランも兼ねているようです。



案内された部屋は3階の和室で、洗面、トイレの付いた6畳間。コンパクトにまとまっています。窓からは巨大リゾートマンションに邪魔されながらも太平洋が望めるオーシャンビュー!



お風呂は4階にある男湯と女湯に分かれる展望大浴場。浴場の扉を開けるとほんのり硫黄臭が漂ってくる。この匂いだけでも興奮してきます。



大浴槽には加温された温泉が掛け流されています。僅かに湯の花が見られる澄明なお湯で、浸かってみると、椿温泉特有のぬるぬるっとしたアルカリ性らしい感覚。単純硫黄泉の柔らかい肌触りがいいですね。

湧出温度が低いため加温はされているが、この特徴的な肌触りがなんとも心地よい。残念ながら窓が曇っているので、展望はそれほど期待できません。



一角にはふたつの小さい源泉浴槽があり、ここには非加温の源泉が満たされ、それぞれ日替わりのハーブが浮かべられています。



加温浴槽で充分体を温めてから源泉浴槽に浸かると、程よくクールダウンされて気持ちいい。源泉だけにぬるぬる感が強調され、僅かに気泡も付着します。ハーブは赤紫蘇とミカンです。

ここの温泉はもちろん飲むこともできる。これがまた不思議なことに甘露水が如く実に甘いんです。



青い海を眺めながら上質の湯に浸かるのは、まさしく至福のひと時です。そのうち日が落ちてくると、夕陽が海に落ちる絶景も楽しめる。



食事は2階の食堂でいただくことになります。部屋番号の掲示されたテーブルにはあらかじめほぼすべての料理がセットされています。



料理の詳細は食べログで
簡素ながらも上質な旅館料理@椿温泉

朝風呂は6時半から使用可能とのこと。昨日と同様、香しい温泉の匂いが充満しています。夕べと同様、加温浴槽で体を温めてから源泉浴槽へ。



お湯を少し足して、人肌程度に温まったらゆるゆると身を沈める。静かにぬる湯に浸っていると、魂が抜け出ていくような感覚が訪れます。睡眠と覚醒の間をさまよう浮揚感。これはなかなか得がたい贅沢です。

帰り際、宿のご主人が車で椿駅まで送ってくださいました。このお宿、宿泊客は基本的にほったらかしです。なので何の気遣いもなく良質の温泉に浸り続けることができるのです。


民宿 すみ家

2019-11-02 19:22:12 | 温泉(和歌山県)
JRきのくに線・紀伊田辺駅からバスで2時間ほど(龍神自動車)、JR新宮駅からは1時間ほど(熊野交通・奈良交通)。そして路線バスとしては日本一長距離の奈良交通・八木新宮特急バスで大和八木駅から5時間半!


和歌山県田辺市本宮町にある川湯温泉は熊野川の支流・大塔川の川べりに中規模・小規模の旅館や共同浴場が軒を連ねています。


ここは河原を掘ると温泉がポコポコと湧いてくるという、関西ではおそらくここだけの珍しい温泉で、エメラルド色の大塔川で温泉浴を兼ねて水遊びを楽しむこともできます。


世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に位置付けられた熊野古道一帯に位置し、熊野本宮大社や、最古の温泉のひとつの湯峰温泉にもほど近いため、熊野観光の拠点にもなっています。


川湯では亀屋旅館に何度か宿泊しているが、今回初めて、今年の3月に脱サラ夫妻がそれまでのオーナーから引き継いだというこちらの民宿にお世話になることにしました。


建物の1階は倉庫と自販機があるだけで、玄関は階段を上がった2階。引き戸を開けると民宿のエントランスです。こうした構造には理由があります。


というのも、台風や集中豪雨があれば目の前の大塔川が溢れ、この並びの各旅館がたびたび浸水被害を受けているからです。昨年(2018年)には隣の亀屋旅館の文化財に指定されている母屋が大被害を受けました。


なのでこの旅館の1階は、水に浸かることを前提にして、車と自販機以外は何も置いていないのでしょう。


案内された部屋はさらに階段を上がった3階で、大塔川を見渡せる角部屋です。広さは8畳ぐらいかな?既に布団が敷かれており、トイレは共同です。


この民宿のお風呂は2階にあります。家庭の風呂にしては大きめだが旅館にしては狭い殺風景なお風呂だが、浴室の扉を開けると芳しい温泉の匂いが漂い、浴槽には源泉そのままのお湯が掛け流されています。


浴槽には黒御影石が貼られているので黒く見えるが、実は澄明のお湯は、ほんの少しヌルっとしているものの淡麗で素直な湯質です。こういったお湯の感覚を楽しむには河原のお風呂より内湯のほうが向いています。


こちらの食事は2階の食堂に用意されます。山の中なのに実に新鮮なお刺身が印象的でした。

建物は古いが、Wi-Fiやクレジットカード決済など、現在では必須のサービスがしっかり整備されているのがいい。急激に増加してきた外国人観光客にも対応されているようです。


旅館を引き継いでまだ半年そこそこなので、多少の突っ込みどころもあるが、これから徐々に改善されていくのでしょう。これからに期待のお宿です。

・場所:奈良交通、熊野交通、龍神自動車・かめや前BS
・泉質:ナトリウム・炭酸水素塩・塩化物泉 63℃
・訪問日:2019年10月27日

きよもん湯@湯川温泉

2019-07-08 08:15:54 | 温泉(和歌山県)
「ゆかし潟」という実に美しい汽水湖の畔にある湯川温泉は、直ぐ近くの勝浦温泉の陰に隠れてあまり目立たないのだが、その実、1,500年もの歴史のある温泉地です。

JRきのくに線・紀伊勝浦駅から那智勝浦町営バスで10分ほど。湯川温泉BSで降りるとすぐ目の前にある日帰り温泉施設です。

以前は小規模な旅館街も形成していたが、現在、そのほとんどが姿を消し、この「きよもん湯」が湯川温泉の代表施設となっています。

ここは勝浦温泉「海のホテル一の滝」が運営する施設とのことで、入浴料は500円。建物は真新しくスーパー銭湯風なのだが、館内に入るとしっかり硫黄臭が漂っています。

この温泉では湯口からはドドドっとばかりに新湯が投入され、常に澄明なお湯が満ち溢れているとともに、必然的に、浴槽の縁からはもったいないと思ってしまうほど、惜しげもなくお湯が流れ去っていきます。

浸かってみると、ややネットリとしていて僅かに気泡が付着する。加温の必要はないが、やや温めなのでじっくり浸かることができます。

湯の質は文句無く、施設が新しくて清潔で、しかもバリアフリーときてる。非の打ち所がない実に優等生な温泉。自信を持ってお奨めできる温泉のひとつです。

・場所:那智勝浦町営バス・湯川温泉BS
・泉質:単純硫黄泉(アルカリ性低張性温泉)
・訪問日:2011年7月4日

もみじや旅館@夏山温泉

2019-07-08 08:08:26 | 温泉(和歌山県)
昔から捕鯨で全国的に知られ、日本の古式捕鯨発祥の地と言われる太地町。この太地町中心部と森浦湾で隔てられた対岸に、周囲を那智勝浦町に囲まれた太地町の飛び地・夏山(なつさ)地区があります。

この飛び地へ行くは那智勝浦町営バス・湯川温泉BSから「きよもん湯」の横の坂を上り、坂のてっぺんにある灯りのないトンネルを抜けて海岸へ下りて行きます。

この海岸からは、対岸にある太地のリゾート施設が直ぐ近くに見えます。なるほど、那智勝浦町の中心部に行くにはいくつもの峠越えが必要だが、対岸の太地なら船を使えば間近。だから太地町なんですね。

この飛び地にも温泉が湧いてます。海岸から細い道を入ったところ、紀勢本線の線路沿いに木造2階建ての実にひなびた一軒宿が「もみじや旅館」です。

家族経営の民宿のような旅館のこと、建物や部屋はかなり古くて、扉や窓の建てつけも良くないが、きれいに清掃されていて不快感はありません。

この旅館の料理は南紀ならでは、並んでいるのはほとんどが魚料理です。料理の詳細は食べログで。

浴室は実に狭小。しかし細かいタイル張りになっていて上質なレトロ感があります。そして芳しい硫黄臭が充満しています。お湯に浸かる前からうっとりしてしまう…

3~4人が入ればいっぱいいっぱいの浴槽のこと。一人が入るといきなり大量のお湯が溢れ出て、津波となってプラスチックの洗面器を弄びます。

温めのお湯は澄明で、少しだけぬめりが感じられます。湯口のお湯を舐めてみると少し甘い。何より特徴的なのは湯口から大量のお湯が注がれ、大量のオーバーフローが流れ去っていきます。

一度、立ち寄り湯で訪れた際、まだお湯を張っていないことがありました。それでもすごいことに、15分ほど待てば掛け流しが再生。これぞ豊富な湯量が成せる技です。

その湯量と鮮度が魅力で、温泉マニアにも人気の旅館、人のいい年配のご主人や女将さんも癒されます。

・場所:那智勝浦町営バス・湯川温泉BSから徒歩20分
・泉質:単純硫黄泉 41℃
・訪問日:2011年7月4日

下御殿@龍神温泉

2019-07-07 20:54:20 | 温泉(和歌山県)
JRきのくに線・紀伊田辺駅から龍神バスで1時間半ほどのところ、龍神温泉は日高川の渓谷にある秘湯で、日本三美人の湯のひとつに数えられる鄙びた温泉地として知られています。

開湯は約1300年前とも言われ、役小角や弘法大師による開湯伝説も残っています。また、江戸時代には紀州藩・初代藩主徳川頼宣が上御殿・下御殿を作らせ、後に建物を村民に下賜されたと伝えられています。

現在、上御殿、下御殿はそれぞれ旅館となり、上御殿の建物は今に残り、国の登録有形文化財に指定されるとともに現在も宿として使われています。

いっぽうの下御殿は近代的なRC造に建て替えられ、この小さな温泉街の中で最大で、しかも高級旅館として盛業されています。

さすが高級旅館、洗練されたおもてなしは秘湯であることを忘れさせます。料理も山の幸・川の幸にあふれています。

大浴場は御座敷風呂と檜風呂の2種類を男女で分けています。特に御座敷風呂は脱衣所・洗い場・湯船に至るまですべて畳敷きという贅沢さ。足の裏に感じる柔らかさと温かさは独特です。

お湯は龍神らしいヌルっとした肌触りがあるが、残念ながら循環式のようで新湯の投入も僅か。湧出量の多くない龍神温泉では仕方のないことです。

この旅館では関西では珍しい混浴露天風呂もあります。窓の外に流れる日高川の清流のせせらぎを聞きながらゆったりと湯あみが楽しめます。なお、こちらはバスタオル着用とのこと。

美人の湯として人気の龍神温泉、このほかにも大小の旅館が建ち並んでいるが、温泉需要と湧出量のアンバランスがみられます。貴重な自噴源泉の保護が喫緊の課題だと思います。

・場所:龍神自動車・龍神温泉BS
・泉質:ナトリウム‐炭酸水素塩泉 48℃
・訪問日:2005年6月23日

龍神温泉元湯@龍神温泉

2019-07-07 20:39:16 | 温泉(和歌山県)
JRきのくに線・紀伊田辺駅から龍神バスで1時間半ほどのところ、龍神温泉は日高川の渓谷にある秘湯で、日本三美人の湯のひとつに数えられる鄙びた温泉地として知られています。

開湯は約1300年前とも言われ、役小角や弘法大師による開湯伝説も残っています。また、江戸時代には紀州藩・初代藩主徳川頼宣が上御殿・下御殿を作らせ、後に建物を村民に下賜されたと伝えられています。

日本三大美人の湯と呼ばれているのは、島根県・湯の川温泉、群馬県・川中温泉。そして、この龍神温泉です。「美人の湯」と称する温泉は、アルカリ性のヌルヌル感が特徴です。

鄙びた秘湯でも、最近は渓谷にへばりつくようにRC造の建物が建つようになり、唯一の共同湯である元湯も、今や都会のスーパー銭湯並みに建て替えられています。

この元湯の内湯には、川に面した窓側に二つの大きな浴槽があり、大きい方が岩風呂、小さい方が檜風呂となっています。いずれも掛け流しとのこと。

岩風呂は自噴泉の源泉かけ流し。お湯は重曹泉特有のヌルヌル感が少しだけ感じられます。ただしヌルヌル感なら、同じ和歌山県内でもこれ以上のところはあります。加温によって特徴が薄れてしまっているのかもしれません。

小さい方の檜風呂は、こちらは新しくボーリングされた源泉からのお湯で、加温のないそのままのお湯を使っています。

このどちらも無色透明で匂いもない。印象の薄い浴感ではあるが、湯口にはコップが置かれていて、新湯を飲泉することができるます。少し苦いのが特徴です。

露天はどうやら循環しているようで、お湯の質は劣るように感じる。また、周りを囲っていて景色はよくない。その割には道路の方は丸見えなんやけど…

この元湯からバラック建てのような古い建物が見えるのだが、これが旧元湯。現在もここからお湯を引いてるようです。

この龍神温泉への道路は、最近、格段に良くなっていて、かなり行きやすくなっています。その分「秘湯」というイメージは薄れてしまったように思えます。

・場所:龍神自動車・龍神温泉BS
・泉質:ナトリウム‐炭酸水素塩泉 48℃
・訪問日:2010年11月27日

海のホテル一の滝@勝浦温泉

2019-07-05 10:32:16 | 温泉(和歌山県)
JRきのくに線・紀伊勝浦駅から北方向に歩いて15分ぐらいのところにある、バウハウス様式を思わせるモダンながらも少しレトロな建物が印象的なホテルです。

南紀を代表する温泉地の勝浦温泉には「ホテル浦島」のような超弩級ホテルや、格安志向で人気を集める「湯快リゾート越之湯」など、どちらかというと団体旅行やファミリー向けの旅館が大多数。

そんな中、この「海のホテル一の滝」は客室数21室という勝浦では小規模な部類で、しかも料理を提供しない素泊まりのみ。ホテルながら客室は純和風で、あらかじめ蒲団が敷かれているなど、過度なもてなしのないスマートな運営方針が好ましい。

前述の通り、食事の提供がないものの、生鮮マグロの水揚げ量日本一を誇る勝浦のこと、新鮮な魚を取り扱う料理屋が多数存在するので不便はありません。


温泉は男・女の大浴場にあり、大きな窓から熊野灘が一望で、弁天島と行き交う小船…風呂屋の壁にペンキで描かれている世界がリアルに再現されているようです。

浴場は半円形になっていて、この半円の外周に沿って浴槽があり、そのうちの3分の2ほどが加温・掛け流しの浴槽、残り3分の1が加温なしの源泉そのまま放流している浴槽です。

この非加温が秀逸。僅かに湯の花が見られる澄明なお湯は、硫黄臭があり、少しヌメリ感もある、最初は温いと思うが、じっくり浸かっているうちにだんだんホカホカしてきます。これが単純泉とはにわかに信じがたい浴感があります。

また、この旅館には露天はありません。湧出の温度が高くないので、無理して加温をせざるを得ない露天を造ってもお湯を劣化させるだけ。このあたりにお湯に対するこだわりが感じられます。

この温泉、地元の人からも愛されているようで、外来入浴のお客さんが多数訪れます。混雑する夜の入浴は落ち着かないので、宿泊者しかいない早朝が狙い目です。

温いお湯に浸かりながら睡眠と覚醒の間を彷徨う悦楽。これはなかなか得がたい贅沢です。

・場所:JRきのくに線・紀伊勝浦駅
・泉質:単純泉 38.8℃
・訪問日:2011年7月3日

公衆浴場はまゆ@勝浦温泉

2019-07-05 10:25:44 | 温泉(和歌山県)
JRきのくに線・紀伊勝浦駅から10分ほど歩いたところ、小さい漁船が係留されている静かな湾に面したところにある共同湯です。

いかにも銭湯といった佇まいの建物で、暖簾をくぐり、下駄箱に靴を入れ、番台のオバチャンに320円を払い、着衣を木製のロッカーに入れて鍵を手首に巻く…ここまでは普通の銭湯と同様の行為。

しかしここからが特別です。浴室の引き戸を開けると芳しい匂い(普通なら臭いと感じる硫化水素臭)が漂っていて、それほど大きくない浴槽には少し色づいたお湯が満たされています。

ここはいかにも街の銭湯ながら、その実は自家源泉を持つ「ほんまもん」の温泉。優しい温泉の多い南紀にしては珍しい高温のお湯で、浸かってみると実に強力な入浴感が味わえます。

洗い場では地元の方々が石鹸・シャンプーで身体を綺麗に洗っているが、石鹸の匂いを覆い隠すような温泉臭…こんなお湯の恩恵に毎日のように授かれる地元の人たちがうらやましいですね。

・場所:紀伊勝浦駅から徒歩10分
・泉質:含硫黄‐ナトリウム・カルシウム‐塩化物温泉 46.3℃
・訪問日:2008年10月31日

ゆりの山温泉@湯川温泉

2019-07-05 10:13:44 | 温泉(和歌山県)
那智勝浦町営バス・二河BSから徒歩10分ほどのところ。新宮出身の詩人佐藤春夫が湖の静かな景観に心ひかれて命名した汽水湖・ゆかし潟の畔にある共同湯です。

同じくゆかし潟の畔の温泉施設「きよもんの湯」とは対岸に位置し、こちらは国道に面していないため落ち着いた、静かなロケーションになっています。

今回、朝9時のオープンに当てて訪れました。時間前のこと、当然ながら入り口は閉まっているので玄関前で待っていると、9時直前に温泉のスタッフが車で到着し、ガチャガチャ鍵を取り出して玄関を開けました。

300円の入浴料を払うのももどかしく、浴室に直行すると、浴槽にはすでに自家源泉のお湯が掛け流されている…ということは、一晩中この温泉が掛け流されていたということ。つまり捨てられているんですね。勿体無いというか贅沢というか…

ぷうんと硫黄臭のあるお湯は澄明で少し甘く感じる。ここでも近隣の温泉と同様、ややヌルっとした肌触りが気持ちいい。体温より少し熱い程度のぬる湯なので長湯も可能。実際、浸かっているうちに寝てしまいそうになりました。

この地の泉質の良好さと湧出量の多さを具現化しているこの温泉、南紀の名物温泉のひとつです。

・場所:那智勝浦町営バス・二河BSから徒歩10分
・泉質:硫化水素泉 38.5℃
・訪問日:2011年7月4日

リバージュスパひきがわ@日置川温泉

2019-07-03 11:10:40 | 温泉(和歌山県)
JRきのくに線・白浜駅から明光バスに乗り20分ほど、志原BSで降りてすぐ。白浜町と合併する前の旧日置川町が開設した温泉保養施設です。

和歌山県の夕陽100選にも選ばれている志原海岸に位置し、太平洋が一望のオーシャンビューが自慢。周囲には椰子が植えられていて、ここだけなぜか地中海風です。

施設には大浴場、レストラン、売店、そして20室の宿泊室などが備わっています。大浴場は2階にあり、広々とした脱衣所を抜けると、大きな窓に太平洋が広がっている美しい浴室が現れます。

大きな浴槽には澄明なお湯が掛け流されていて、加温はあるもののpH10.1という強アルカリの滑りを体感できます。目の前に広がる太平洋の大海原を眺めながらの入浴が楽しめます。

その隣にある小さな浴槽は源泉湯で、こちらには加水も加温もない源泉そのままのお湯があふれています。無味無臭ながら、白い大量の湯の花が舞っていて、温いお湯なので長時間浸かっていられます。

この低温のお湯にじっくり浸かっていると、魂が抜けていくような感覚がやってくる…徐々に寒くはなってくるが、横には加温の浴槽があるので、そこでしばらく温まってからまた源泉へ。このサイクルもまた楽しいですね。

もちろん露天湯もあり、海風を浴びながらの入浴が楽しめるほか、地元日置周辺で取れるヨモギなどの薬草を使った薬草湯もあって、入浴客を飽きさせません。

優れた景色と優れた泉質、そして設備にも優れている…この恵まれた温泉施設、もっと知られていてもいいと思います。

・場所:明光バス・志原BS
・泉質:アルカリ性単純温泉 34.4℃
・訪問日:2015年3月2日