バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

交通科学博物館 食堂車@弁天町

2014-01-31 23:07:06 | 料理(その他)

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JR大阪環状線・市営地下鉄中央線の弁天町駅からすぐのところ、今日は交通科学博物館に来ました。400円の入館料を払って館内へ。この博物館では屋内展示と屋外展示があって、今回の目的は屋外展示、二代目京都駅の一番ホーム上屋の下にある食堂車へ。ここでは土・日・祝日、学校の春・夏休み期間の10:30~15:00に限って、実際に食堂営業されているんですね。

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しかし、ちょうどお昼時とあって食堂車は満席。しかも長い行列ができています。先に展示を見て時間をずらし、行列が2~3組みになったところで再度並ぶことにしました。20分ほどでようやく店内へ。

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この車両はナシ20形。ブルートレインの嚆矢となった20系客車の食堂車です。登場当時は「走るホテル」と謳われ羨望の的。20系は昭和33年に登場した日本初の固定編成の客車で、この編成に組み込む食堂車は日本車輌と日立の2社に発注してデザインを競わせたという逸話が残っています。今では当たり前の電気冷蔵庫や電子レンジを装備した、当時の国鉄としては意欲的な試みだったんですね。

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この車両は日本車輌製、車内は高島屋がインテリアを担当したという。当時と比べて、荷物棚が撤去されていて、簡素になっているし少なからず痛みも目立ちます。また、子ども向けデザインのテーブルクロスや手書きの表示類がせっかくの雰囲気を損ねている…

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メニューは、フライ物の定食やカレー、サンドイッチなど簡単なもの。当時の豪華な食堂車メニューという訳ではないようです。この日はサンドイッチ、カレーが売り切れていたので、エビフライランチ(1,200円)をお願いしました。

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結構待たされたがようやくお料理が運ばれてきました。コーンスープ、ライスと、メインディッシュのエビフライです。スープはやけに量が少ないが、反面、ライスの盛りが大きいな。

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メインディッシュは有頭のエビフライ2本と、カニクリームコロッケ、それにスパゲティが添えられています。エビフライが予想外に立派です。冷凍ものだからでしょうか、ミソの風味は失われているものの、身はプリプリしていて、しかも揚げたてサクサクの状態。期待してなかった分、ちょっとうれしい。運営しているのは駅弁で神戸を拠点としつつ今や大阪まで商圏を広げている淡路屋なので、さすがにソツがないですね。

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今や食堂車も寝台車もほとんど姿を消して、食堂車のある定期列車は「トワイライト・エクスプレス」か「カシオペア」ぐらいしか残っていない。しかもそのどちらもプラチナチケットやから、そう簡単には乗れません。保存車両とはいえ、唯一現存しているナシ20で食事できるというだけでも貴重な体験です。

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残念ながら、この交通科学博物館は、平成26年4月6日(日)に閉館します。そして、この食堂車でも3月1日からテイクアウト可能な軽食の販売のみになってしまいます。作り立てのお料理をいただけるのも残りわずか。急げ!

交通科学博物館 食堂車
昼総合点★★☆☆☆ 2.9 <script src="http://tabelog.com/badge/google_badge?rcd=27020359&amp;user_id=100698" type="text/javascript" charset="utf-8"></script>

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日々魚数寄 東木@金沢

2014-01-28 22:47:08 | 料理(和食)

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金沢駅から近江町市場のある武蔵町方面へ5分ほど歩き、別院通りをしばらく進んだところの此花町にある割烹・小料理のお店です。金沢を訪れる前に、ネットであれこれ調べ、ここや!っと思って予約しておきました。

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訪ねてみると、想像に反してごく小さなお店で、カウンターが4席、テーブルが6席だけの実に小さいお店、白い割烹着を着た若い店主と追い回しの女性のふたりだけで営業されています。

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カウンターに座ると、あらかじめお願いしていた「お鮨とくずし割烹コース」(3,500円)が始まります。それほど待たずしてノドグロ笹むし寿司が出されました。これはお通し的なものかな、焼いて蒸して巻いて…いきなり手が込んだものが手てきました。

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続いて、タラの肝と蒸し物。さすが日本海の良質の素材をさらっと美しく仕上げています。

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お造りは5種、寒ブリ、ノドグロとともに、真ん中にガスエビです。やっぱり金沢のブリは旨いわ…甘味が半端ない。

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ガスエビって初めて聞いた名前だが、鳥取で食べた猛者エビと姿も味もよく似ている。同じものかも。添えてある野菜は素麺南瓜だそうです。こんな食べ方があるんや…

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お酒は骨酒です。香ばしく焼かれたアマダイの出汁が酒に滲み出て旨い旨い。

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この後、椀物、焼き物、揚げ物が続くが、どれも手が込んでいますね。胡桃のソースが実に斬新で味わい深い。

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最後にお寿司。目の前で店主が握ります。全6カン。どれも旨みが溢れる。シャリがほんのり温かいのもいいですね。このコース、実に満足度の高い内容にもかかわらずこの値段。腰抜かしそうです。

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また、この店主がいいですね。お酒やお料理の説明は丁寧やし、その丁寧な説明をしながらも、包丁を持つ手は弛みなく動いている…いやぁ、実にいいお店を見つけました。

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次回、金沢に用があるときには絶対寄るな…いや、無理やり用を作ってでも寄るかも…いや、用がなくてもサンダーバードに乗って来てしまうかもしれません。

日々魚数寄 東木
夜総合点★★★★ 4.6 <script src="http://tabelog.com/badge/google_badge?rcd=17007935&user_id=100698" type="text/javascript" charset="utf-8"></script>

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懐華樓(かいかろう)@金沢

2014-01-27 21:53:43 | 料理(甘味)

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金沢駅から「城下町かなざわ周遊バス」をはじめ、一般の路線バスで橋場町BSを降り、南東の方へ少し歩いたところ、ここに金沢三茶屋街のひとつ、「ひがし茶屋街」があります。

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この懐華樓はこの「ひがし」に残る、今でも「一見さんお断り」を守るほんまもんのお茶屋(旧越濱)でありながら、昼間は施設見学とセットで甘味をいただける和カフェとして一般開放しています。建物は「ひがし」の創設当時から残る茶屋建築で、金沢市内でもっとも大きな部類だそう。

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茶屋建築は上階が座敷となるので1階より2階の方が天井の高いことと、通りに面して高欄と張り出しの縁側を持っているのが特徴。

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受付で見学料込みのお茶代を支払ってから先に見学です。輪島塗の階段で2階に上がり、他の団体さんに交じって建物の由緒のほか、お茶屋での遊び方、しきたりなどの説明を受ける。

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それからお座敷の見学なんだが、中でも金の畳の茶室は絢爛豪華。千利休がこれを見たら怒りに打ち震えるやろな。

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和カフェは1階。囲炉裏席、掘りこたつ席合わせて50席ぐらいかな。弁殻格子から柔らかい光が差し込んでくる落ち着いた空間で、ワタシたちは囲炉裏席に座りました。

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注文は黄金ぜんざい(1,800円・入館料込み)と、妻殿は季節のぜんざい(1,300円・入館料込み)。このふたつの違いは黄金が入っているか否かだけ。それほど待つことなく運ばれてきました。

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蓋を開けると…ウワァ!金や!金箔パラパラなんてもんやない。お善哉全体に金箔一枚がはらりと被さって光り輝いている…豪華です。

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ひと思いにこの金ピカに箸を突きたててバラバラに…なんかお大尽になった気分よりも、罪悪感の方が勝るなぁ…やはり貧乏性ですね。

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お善哉は小豆の風合いが感じられる上品な仕上がりで、三色の白玉が程良い口当たりを醸しています。ただし塩昆布は付いていません。残念。

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お善哉単品で金付なら1,300円、金なしで800円。これを高いと考えるか安いと考えるか…やっぱり高いんやろな。でも、貴重な経験をさせてもらえ…っとと考えれば悪くは無いですね。

懐華樓
昼総合点★★☆☆☆ 2.9 <script src="http://tabelog.com/badge/google_badge?rcd=17001373&user_id=100698" type="text/javascript" charset="utf-8"></script>

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界 加賀(旧:白銀屋)@山代温泉

2014-01-26 22:34:58 | 料理(旅館)

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加賀温泉駅からバスで20分ほどのところ、山代温泉の中心部、総湯の目の前にある創業1624年という老舗旅館です。ここは経営不振に陥ったの「白銀屋」を星野リゾートが救済し、星野リゾートでの温泉旅館のブランド名である「界」の名を冠して「界 加賀(旧:白銀屋)」と旧名称を微妙に残したお宿と生まれ変わっています。

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食事は部屋食でなく、新館2階 食事処「銀庵」に食べに行きます。広いダイニングの中央に「おくどさん」を模したような配膳スペースがあり、その周囲に障子で仕切られた半個室のテーブル席が並んでいて、全部で50席足らず、完全禁煙です。

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先付はサザエです。加減醤油…いわゆるだし醤油が掛かっています。

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お酒は山廃純米菊姫を。すっきりした風合いで、これは料理にマッチしますね。

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八寸は四角いふたつの器で出てきました。

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左側が茄子すりながし。とんぶり、飛び子が添えられてます。寄せ豆乳は春菊味噌とともに。小松菜と焼き椎茸のお浸しになっています。

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右側が蟹の砧巻き、フォアグラ干し柿、ずいきの土佐和え、鴨燻製とりんごの串です。スタッフの方にこれは四寸か?っと嫌味を言ってしまって後で後悔。

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椀物は南瓜のすり流しです。きぬさやの香りが広がります。

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お造りはノドグロ、ブリ、タイ、甘海老です。やはりノドグロは脂の乗りがいいですね。

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蓋物は蟹の養老蒸し、三つ葉餡です。ぶぶあられが香ばしいですね。

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揚物は蟹の錦糸揚げです。衣はカダイフ。ギリシャやトルコを起源とする極細の麺状の生地で、原材料はトウモロコシ。パリパリと歯触りがいいが、あちこち飛び散ってテーブルの上が悲惨なことに。

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ここでお凌ぎとして越前のおろし蕎麦が運ばれてきました。ここに来る途中の北陸線で今庄を通過した時に越前蕎麦が食べたくなってたんですね。ここで食べれるとは思ってませんでした。辛味大根が爽やかで、さすがに蕎麦専門店のレヴェルには至らないが、素朴な味わいがいいですね。

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蒸し物は本日のメイン、蟹の源泉蒸しです。蒸篭の中に焼き石が仕込んであって、それに源泉を掛けると蒸気が上がるという、ややパフォーマンス的な趣向。

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タグが付いてる蟹ではないが、身離れもよく味噌もたっぷり。

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ご飯とお汁に続いて甘味は淡雪チーズの木苺のソースです。

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星野リゾートでは千葉県にセントラルキッチンがあって、北海道から大分まで全国の星野グループのホテル・旅館に料理を冷凍して供給しているらしいんだが、これはおそらくセントラルキッチン製なんでしょうね。だって、「界 阿蘇」でもあったからね。

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スタッフの方が丁寧に料理の説明をしてくださるとともに、さすが九谷焼の土地柄、器にも趣向が凝らしてあって、目でも楽しめるお料理になっています。

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朝食もこの場所で。珍味三種は釜あげしらす、もろみ昆布、いかの塩辛。

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寒い朝の湯豆腐は体が温まっていいですね。

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炊き合わせは結びぜんまい、鶏とお豆腐のつくね、長いもの揚げ煮。

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鯵の干物(半身)は身が分厚くふっくらして実においしい。

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スタッフの方がみんな若いのは星野リゾートになったからかな?一生懸命でキビキビ仕事をされていて、その点は気持ちいいが、伝統の重みは失われているんではないかと思います。あと数年経過したらもっと「界」なりの味が出て来るんではないかと思います。

界 加賀
夜総合点★★★☆☆ 3.4 <script src="http://tabelog.com/badge/google_badge?rcd=17001077&user_id=100698" type="text/javascript" charset="utf-8"></script>

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Casa Fortuna(カーサ フォルトゥーナ)@加賀

2014-01-21 09:20:53 | 料理(フレンチ・イタリアン)

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加賀温泉郷の玄関口、JR北陸線の加賀温泉駅の駅前には温泉旅館の送迎バスがずらっと並んでいて常に賑わっています。この賑わう駅前から目立たない小さなトンネルで駅の反対側に回ると、閑静な住宅街になっています。この裏口から北東の方向へ15分ぐらい歩いたところにある、イタリア語で「幸せになる家」という意味のイタリアンレストランです。

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山代温泉に訪れようとした途中、この旅の最初の食事をどこにしようかと大阪からの特急「サンダーバード」の車内でネット検索して発見。車内のデッキから電話で予約しました。

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店内はカウンターが6席、テーブルが20席の合わせて26席、土曜のお昼前のこと、おそらくこの辺りに住む家族連れやマダムなど、結構賑わっていました。

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ランチはセットメニューになっていて、ワタシが「加賀・三谷の恵みプランツォ」(2,480円)、妻殿が「海と山の恵みのプランツォ」(2,980円)をお願いしました。

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待つことなく運ばれてきたのが最初のお料理、「カーサ畑お野菜の熱あつポタージュ」です。これはどちらのプランツォにも共通。熱々ではないが野菜の甘みは濃厚。シナモンが効いているのが特徴的です。

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「自家野菜、三谷産山野草、地産地消加賀やさいのバーニャカウダ」です。瑞々しい野菜やハーブがたっぷり盛られていて、見た目も美しい。バーニャカウダソースはやや塩気が強いかな。自家製のイタリアパンが添えられています。

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妻殿にはアンティパスト3種盛が。地産の海の幸、山の幸が少しづつ盛られています。和食の八寸のように華やかです。

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これはワタシの「南加賀産ジビエ」です。本日のジビエはイノシシ。スモークされた上に少し凍ったルイベ状にっていて臭みは全くないですね。甘いイチジクとのマッチングも良好。

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妻殿にスゴイのが運ばれてきました。「カニと海老・パスタ」です。カニには橋立港のタグが付いています。チーズの効いたトマトソース仕立てになっていて、カニの風味が際立っていて実に贅沢な一品です。

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ワタシのメインはパスタで、6種のベジタブルパスタからチョイスするようになっています。選んだ「あっさりオイルソース」はグリルドベーコン、完熟トマトと共に山野草のサラダがオリーブオイルで和えられています。山野草はこの場所より少し山手のほうにある三谷地区で採れたもの。野菜たっぷりなのはヘルシーでいいですね。

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妻殿のメインは薄切りステーキです。ジャガイモの上に薄切りステーキが載っていて、香ばしく焼かれています。

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ドルチェはワタシが2種のスイーツ、「黒ゴマ・アーモンド・きな粉のティラミス」と「自家製ジェラート」。妻殿がフォンダンショコラです。ジェラートは2層になっていて、上が柿、下がミルクになっています。

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ここのお料理、全体に野菜やハーブが主張する展開になっていて、その野菜がどれも味わい深い。加賀野菜という素材に恵まれて地域にあるレストランとして、その地の優位性を最大限に活かしているとともに、お料理を出す際に丁寧に説明する姿勢も好ましいですね。旅の出だしから早速「幸せ」な気分にさせてもらいました。

カーサ フォルトゥーナ
昼総合点★★★☆☆ 3.3 <script src="http://tabelog.com/badge/google_badge?rcd=17001528&user_id=100698" type="text/javascript" charset="utf-8"></script>

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