バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

ガニ湯(カニ湯)@長湯温泉

2019-11-21 18:25:42 | 温泉(大分県)
豊肥本線・豊後竹田駅から路線バスで40~50分ほどのところ。長湯温泉は奈良時代初期の『豊後国風土記』に記述が残る由緒ある温泉です。


その温泉街の中心部、芹川の川原にある石組の露天風呂こそ長湯温泉のシンボル「ガニ湯」です。今でこそ人工の岩風呂ながら、昔は析出物から自然の露天風呂が形成されていたとのこと。


川沿いにある露天風呂のため柵や囲いもなく、橋の下にある脱衣所で着替えて入ることになります。周辺の道路や旅館からまる見えなので、入るのにいささかの勇気が必要だが、開放感は抜群。なお女性は水着の着用が可能とのこと。


訪れた時は真冬。オリーブ色のお湯に手を浸けてみるとかなり温く、入浴したら出るに出れなくなると思い、裸になるのは断念。手を浸けるだけにとどめました。


現在は別の源泉からパイプで引いてきているとのこと。そのため炭酸は抜けてしまい、温浴効果を高めるという気泡の付着はありません。なので冬場の入浴は危険です。


入浴こそ叶わなかったが、長湯温泉のシンボルを間近に触れることができて満足です。夏に訪れることがあれば、その時こそ実際に入浴してみたいと思います。

・場所:大野竹田バス・長湯温泉BS
・泉質:マグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉 37.8℃
・訪問日:2010年1月25日

長湯歴史温泉伝承館 万象の湯@長湯温泉

2019-11-21 08:31:24 | 温泉(大分県)

豊肥本線・豊後竹田駅から路線バスで40~50分ほどのところ。長湯温泉は街の中央に流れる芹川に沿って旅館や共同場が点在するとともに、ところどころに飲泉所が整備されている閑静な温泉街です。


この「万象の湯」は温泉の中心部より上流の位置、豊かな田園地帯にある入浴施設です。ここは以前は農協の米穀倉庫だったのだが、それを改造して造られた、ここでは比較的新しい施設のようです。


広い浴室の中央に大きな浴槽が横たわっていて、その中に褐色のお湯が掛け流されています。ここのお湯は、長湯のほかのお湯より温度が高く、色も臭いも味も、それぞれが濃いように感じる。


この浴槽の端っこに一人が入っていっぱいの小さな浴槽があり、ここには冷泉が底面から湧いています。お湯(お水?)はメインのお湯とは対照的に澄明で、金気臭とともに強力なシュワシュワ感。褐色の湯の華がひらひらと大量に舞っています。


この冷泉こそ白眉。最初は冷たいが我慢して浸かっていると、だんだん温かく感じるようになってくる。それはそうでしょう。その頃には体中に気泡がビッシリ張り付いているのだから…


しかも、もっと温かくなりたければ、すぐ横の温泉に浸かればいい。この交互入浴を繰り返していたら時間を忘れてしまいそうになります。


元農協だけあって地元食材を使ったバイキングレストランがあったりします。今回はいただくことができなかったが、次回ここを訪れるときにはぜひともお料理を味わってみたいですね。

・場所:大野竹田バス・桑畑BS
・泉質:マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉 49.3℃
・訪問日:2010年1月25日


丸長旅館@長湯温泉

2019-11-18 21:37:22 | 温泉(大分県)

豊肥本線・豊後竹田駅から路線バスで40~50分ほどのところ。大分県竹田市直入町にある長湯温泉は、炭酸濃度、湧出量、温度から「日本一の炭酸泉」とされ、その効能から不便な立地にもかかわらず多くの宿泊客・湯治客が訪れています。


長湯の温泉街を流れる芹川沿いには、ところどころに落ち着いた雰囲気の宿が点在しています。この丸長旅館は芹川沿い、長湯温泉の象徴といえる「ガニ湯」の対岸にある2階建ての和風旅館です。


客室は6室の小ぢんまりした旅館ながら、長湯では大丸旅館と並ぶ老舗、創業90年余りとのこと。老舗とはいえ、最近になって全面的に建替えられていて、玄関から廊下、客室に至るまで上品な和風の内装になっています。


エントランスの囲炉裏や生け花が飾られた玄関ロビーには、お香が焚かれていて実にいい雰囲気を醸しています。また、ご主人手ずからの料理も実に洗練されています。

ここには大浴場はなく、大・中・小3室の貸し切り専用の内湯があるのみ。収容人数で考えたら必要にして充分。しかも各浴室に思わせぶりな名前がついてないのがいい。


どの浴室も浴槽がひとつと洗い場だけのシンプルなつくり。ここに褐色のお湯がこんこんと掛け流されています。大と中には若干の加温があるみたいで、共同湯にみられるような炭酸の質感はやや希薄になっています。


しかし、金気臭と浴感はここでも強力。小は加温なしの長湯向き。ぬるくても体の温まりやすい炭酸泉なんだから、加温しなくてもいいのでは?


檜の浴槽は析出物でコーティングされていて木の感触はなくなっているが、砥石程度の滑らかさになっていて肌触りが実にいい。これは独特の気持ちよさです。洗い場にも全面的に木のスノコで覆われているが、これも析出物で石化しています。足が滑らないのでいいですね。


長湯の特徴的な泉質が際立っているわけではないが、実に繊細なお料理と、優雅な癒しの時間を過ごすことのできる上品な雰囲気で、長湯温泉の上質のお籠り宿といえます。

・場所:大野竹田バス・長湯温泉BS
・泉質:マグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉 41.9度
・訪問日:2010年1月24~26日


長湯温泉療養文化館 御前湯@長湯温泉

2019-11-17 23:27:29 | 温泉(大分県)

豊肥本線・豊後竹田駅から路線バスで40~50分ほどのところ。長湯温泉は奈良時代初期の『豊後国風土記』に記述が残り、江戸時代には岡藩主中川家の御茶屋が建設されるなど、歴史ある温泉です。


街の中央に流れる芹川に沿って旅館や共同場が点在するとともに、ところどころに飲泉所が整備されています。特に河原にある露天風呂の「ガニ湯」の周辺には、情緒ある和風旅館が建ち並ぶが、そこには歓楽的要素は一切ありません。


長湯温泉は何と言ってもその泉質に特徴があります。そこここに湧きだす源泉の炭酸濃度、湧出量、温度が際立っていることから「日本一の炭酸泉」と言われています。


この「長湯温泉療養文化館 御前湯」は、長湯の温泉街の中心から芹川沿いに少し下流に下ったところにある、竹田市営の入浴施設です。


ドイツ・バーデンバーデン州バード・クロツィンゲンと友好都市となるなど、ドイツ流の温泉保養地を目指そうとしている長湯を象徴し、この建物もドイツ風を意識したモダンな建物になっています。


玄関にある飲泉口をはじめ、必ずお湯の出口に飲泉用のコップが置いてあり、飲泉が主流の欧米の温泉文化を一部取り入れようとしています。


館内ももちろんドイツを意識した造りで、家族湯や広い休憩所などかなり充実しているが、畳敷きの休憩室など、日本の共同湯の雰囲気も残っており、意外に違和感はありません。


この日の男湯は1F。曲線を生かしたデザインの浴槽に褐色、というかオリーブ色のお湯が掛け流されています。サウナの近くには冷泉があって、こちらももちろん掛け流し。


舐めてみたらここでも強い金気臭。舐めてみたら金気臭とともに若干のエグ味とシュワ感があります。さすがの炭酸泉、それほど熱くないのに身体がほかほか温まってきます。


露天は芹川に沿ったバルコニーのところにあって、眺望も抜群ながら、お湯の質も文句ない。朝の光が降り注ぐ浴槽にじっくり身を沈めていると、時間が止まったような気がしてきます。

・場所:大野竹田バス・長湯温泉BS
・泉質1:マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉 45.8℃
・泉質2:マグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉 46.8℃
・泉質3:マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉 29.7℃
・訪問日:2010年1月26日


下ん湯@由布院温泉

2019-11-08 21:14:15 | 温泉(大分県)

JR久大本線・由布院駅から温泉街の方向に延びる「由布見通り」や「湯の坪街道」には、しゃれた雑貨屋やレストランが並び、周辺には各種の美術館が点在するなど、由布院は今や軽井沢と並ぶほどの人気の観光地です。


「湯の坪街道」の先にある金鱗湖は、周囲約400メートル、水深は約2メートルと、池と見紛う程のあまりにも小さいが湖。湖底から温泉と清水が湧き出す自然の産物で、温泉が成す透明な湖面が細かく波打ち、まさしく金鱗のような美しさを湛えています。


この金鱗湖周辺にもさまざまな観光施設が立地するようになってきているが、メジャーな観光地にもかかわらず、昔ながらの共同浴場が存在しています。


金鱗湖の畔に佇む茅葺屋根の小屋がこの「下ん湯」です。ここは地元の人たちが共同管理する浴場のひとつで、地元の人たちはすぐ近くの専用浴場を使い、ここは外来の客に一般開放しているもの。料金は200円を賽銭箱に入れる方式。


引き戸を開けて中に入ると、左右に衣服を置く棚と、その間に三畳ぐらいの広さの内湯。そしてその奥の湖に面したところに半露天風呂があります。至ってシンプルで、もちろん混浴です。


掛け流しのお湯は臭いもなく、澄明で肌触りもツルツルしている…クリアーな感じですね。温度ややや高めだが適温の域で、口に含むと僅かに苦みが感じられる。単純温泉なんだが芒硝泉のような感じがするのは錯覚かな?


以前にここを訪れた時は、確か露天から金鱗湖が見渡せる絶景があったはずだが、今は目の前の生垣が邪魔して眺望が得られません。生垣が成長しただけなのかもしれないが…


この温泉では、観光客が次々に見物に訪れておちおち浸かってられないが、以前に訪れた頃には僅かに羞恥心が残っていて落ち着かなかったけど、今や見るなら見ろ!っといった心境。人間、成長するもんですね。

・場所:久大本線・由布院駅
・泉質:単純温泉 63.1℃
・訪問日:2013年9月25日


山荘天水@天ヶ瀬温泉

2019-11-03 23:39:41 | 温泉(大分県)

JR九州の観光特急「ゆふいんの森」で久留米からは1時間足らず、大分からは1時間半のところ。大分県日田市、久大本線・天ケ瀬駅からすぐのところにある天ケ瀬温泉は、玖珠川沿いを中心に約20軒の旅館・民宿が営業しています。


かつては河川敷を掘ればどこでも温泉が湧いたというこの温泉、別府温泉・湯布院温泉と並ぶ大分の三大温泉のひとつとされるものの、別府・湯布院と比しては、観光客も少なく、湯治場の雰囲気が漂う実に静かで落ち着いた温泉です。


ここの温泉街から少し離れたところ、合楽川が玖珠川に交わる手前で、豪快に水しぶきを上げる桜滝のすぐ上の川面。ここに静かに構えている一軒宿がこの山荘天水です。


ここは黒川温泉にある黒川荘の姉妹館で、黒川荘と同様に、自然な形に造営された植栽をはじめとする庭園の空間構成が見事です。


黒光りする柱や梁が特徴的な館内には客室が19室。和モダンの広々とした造りになっています。夕食は部屋でいただくが、朝食はバーラウンジに用意されます。

この旅館の温泉は、宿泊者専用の内湯・露天湯が男女それぞれ1か所、立ち寄り入浴の可能な露天湯が男女それぞれ1ヶ所、それに5種類の貸切湯があります。


宿泊者専用の内湯は男湯が「竹さんすいの湯」、女湯は「ひびきの湯」と名づけられ、それぞれ少し離れた場所に設えられているが、どちらも合楽川の渓流に面して実にいい雰囲気になっています。


この内湯の脇に渓流沿いの露天湯があって、ここはせせらぎのミストを浴びながらゆったりと湯あみを楽しむことができます。


立ち寄り入浴のできる露天湯の名称は「滝観庵」。ここは文字通り桜滝を観ることができるという滝見湯です。ただ、お湯に浸かりながら眺めるというわけではなく、露天湯の横の展望所から見れるという程度。やや誇大表示かな。


5種類の貸切湯のうち、「きり湯」と「ひのき湯」はやや大きく、「やま湯」「かわ湯」は小ぶり。「かま湯」には大きな釜が設えられ、これがジャグジーにもなっています。


それぞれ渓流のすぐ傍という絶好のロケーション。せせらぎを聞きながらゆっくり温泉を楽しむことができますね。ただ、かま湯のジャグジーは強力すぎて、とても落ち着いて浸かれるもんではありません。


それぞれもちろん掛け流しのお湯ではあるが、泉質は実にマイルドな単純泉。澄明で無味無臭、肌触りがなめらかでシルクに包まれてるかのような優しい風合いです。


ここは絶好のロケーションを味わいながら、温泉とともに空気感を楽しむところ。清流と木立から浴びせられる「気」とともに、上質のリラックスを得られる温泉といえますね。

・場所:JR久大本線・天ヶ瀬駅
・泉質:単純硫黄泉 81.6℃
・訪問日:2011年9月25日


別府・明礬温泉と鉄輪温泉@別府八湯

2019-08-24 22:43:00 | 温泉(大分県)
温泉の源泉数・湧出量ともに日本一を誇る大分県は、「おんせん県」と自称するほど温泉を大切にしている地域です。この「おんせん県」の代表的な温園地は別府温泉であることは間違いありません。

一口に別府温泉というものの、市内にはおのおの泉質や雰囲気を異にした温泉が数百もあり、大まかに8箇所の温泉郷として分類し、これらを総称して別府八湯と呼んでいます。

この中で、急傾斜の地熱地帯に石垣が築かれて湯の花小屋が建ち並ぶ明礬温泉と、貸間旅館が建ち並び、いまだに湯治の雰囲気を残し、随所から湯けむりの立ち上る景観は、「別府の湯けむり・温泉地景観」の名称で国の重要文化的景観として選定されています。

別府市街と明礬温泉との中間ぐらいのところに位置する鉄輪温泉は、別府温泉などと同様、単純泉、食塩泉、炭酸鉄泉など多彩な泉質の温泉が湧き出しています。この鉄輪の風物といえるのが点在する貸間旅館です。湯治客はここの湯に浸かるとともに、温泉の蒸気を利用した「地獄釜」で自炊しながら逗留します。

この温泉街の中心部に、手軽に地獄釜を利用できる地獄蒸し工房もあり、食材を持ち込みむことも、ここで購入することもできます。その傍らに無料で利用できる足湯…ならぬ足蒸し風呂があり、観光客が思い思いに足を突っ込んでいます。

この鉄輪周辺には海地獄、鬼石坊主地獄、山地獄、鬼山地獄、白池地獄など、多くの地獄があって、別府観光の目玉になっています。坊主地獄では温泉の噴気とともに自然の泥を噴出させています。これは温泉というよりミニ火山、地球の営みを少しだけ感じることができます。

今はもう閉鎖されてしまったが、この坊主のごとく湧き出す泥を活かした泥湯もありました。マニアの間では結構有名なところだったんですが、さすがに老朽化は否めませんでした。また、もちろんここにも共同浴場があり、強力な浴感を味わうことができます。

別府市街からバスで20分ぐらい、明礬温泉は、別府市街から少し離れた伽藍岳の中腹標高400mの所にある温泉です。ここには小規模な旅館街とともに、湯の花小屋が建ち並び、その湯の花製造技術は、国の重要無形民俗文化財に指定されているとのこと。

別府八湯の中で、ここだけ異質のひなびた雰囲気を持ち、泉質も特徴的で、酸性硫化水素泉、緑ばん泉で、コロイド硫黄を含んで白濁した温泉が多くなっています。

ここには大規模なホテルはなく中小の旅館が10軒足らず。その中に別府市営の共同湯があるとともに、日帰りの入浴施設に力を入れてる旅館もあります。中には入浴できる「地獄」があり、そこでは美肌効果の高い『ドロ湯』が味わえます。

高級旅館やら湯治宿、地元の共同湯やらキワモノ温泉、地獄、芝居小屋、秘宝館…なんともカオスな情緒を味わえるのが別府八湯の魅力といえるでしょう。

渋の湯@鉄輪温泉(別府八湯)

2019-08-24 10:13:41 | 温泉(大分県)
日豊本線・別府駅から亀の井バスで鉄輪温泉BSで10分ほど、別府八湯のひとつ、鉄輪温泉は、今なお湯治場の面影を濃く残し、として残り、路地を挟んで古い宿泊施設が旅館や貸間が建ち並ぶレトロで情緒豊かな温泉街です。

国内最大の源泉の数を誇る別府ではあるが、その大半が鉄輪に集中し、地上に吹き上げる高温の蒸気は「湯けむり」となって、温泉場らしい雰囲気を醸し出しています。

ここにももちろん共同湯があります。メインストリートのいでゆ坂ににあるこの「渋の湯」地域の人たちの日常使いの温泉であるとともに、一遍上人が開設したと言われる歴史ある鉄輪の代表的な共同湯です。

入浴料としては無料だが、観光客は100円のロッカーを使用して運営に協力することになっています。早速服を脱いでお湯をいただくことにするが、竹瓦温泉で間違って300円を入れてしまった失敗があるのでここは慎重に。

それほど大きくない浴槽には澄明の美しいお湯が当然の如く掛け流されています。鉄輪の高温のお湯を薄めないため、ここでは竹枝の束に湯を流しかける方式のラジエーターで湯音を下げています。湯雨竹という商品だそうです。

ラジエーターがあってもそれでも熱い。せっかくの工夫に水を差すことなく必死の入浴、かなり我慢を強いられるがそのうちにちょっと慣れてきました。実質、無料の温泉で非加水の源泉を味わ贅沢なことです。

・場所:亀の井バス・鉄輪温泉BS
・泉質:ナトリウム-塩化物泉 源泉温度87.1℃
・訪問日:2008年5月11日

湯屋えびす@明礬温泉(別府八湯)

2019-08-20 22:35:21 | 温泉(大分県)
別府市街から北西方向の山の中腹に広がる明礬温泉は、地面のあちこちから湯けむりの上がる、まさに地球が生きていることを感じさせる温泉です。ここは明礬の旅館街とは少し離れた幹線道路沿いにある、えびすや旅館の運営する日帰り施設です。

最近あちこちで出現している日帰り温泉施設と同様、環境デザインに力を入れており、日替わりで男女が入れ替わる温泉にそれぞれ「風と歩く石畳」とか「石の小道と癒しの洞窟」とか、キャッチーな名前がついていて、いささかむず痒い。

しかも入浴料も1,000円と、今回の最高値。今日の男風呂は「風と歩く石畳」です。広大な露天には明礬独特の青みがかった美しいお湯が満たされていて、TVやガイドブックの取材には絶好のロケーション。

確かに硫黄泉独特の匂いと浴感があり、温泉としての質は悪くはないと思うんだが、なんでだろ?なんか濃厚感がないな。しかもかなり温い。前日の雨の影響なんでしょうか…リピーターらしき先客も今日は温いとぼやいていました。

帰り際、フロントでそのことを告げると、「おかしいですね、温度計では42度になっているんですが」と宣う。手を浸けて確認することがないのでしょうか。温泉の管理を機械に任せにしているようです。こんな広い露天風呂なら余計きめ細かい泉質管理が必要でしょうが…

・場所:亀の井バス・明礬BS
・泉質:硫黄泉 源泉温度不明
・訪問日:2008年5月12日

鶴寿泉@明礬温泉(別府八湯)

2019-08-19 22:48:44 | 温泉(大分県)
別府市街から少し離れた伽藍岳中腹の標高400mの所、別府八湯のひとつの明礬温泉はその名の通り江戸時代から明礬が採取されてきた山の温泉街です。

湯けむりの立ち込める急傾斜の地熱地帯に石垣が築かれ、そこに湯の花小屋が建ち並ぶ明礬温泉の景観は、鉄輪温泉とともに「別府の湯けむり・温泉地景観」の名称で国の重要文化的景観として選定されています。

高速道路の巨大な橋の袂にある明礬温泉BS付近が明礬温泉の導入部。ここから坂道を登ってゆき、数軒の温泉旅館の奥のところに地元の共同浴場、鶴寿泉があります。

入浴は無料だが入り口の仏さんにお賽銭を入れることになっているようです。中に入ると、5人程でいっぱいいっぱいの狭い湯船に、先客がぎっしり。

二人ほどが上がるのを待って入浴してみるが、あれ?案外温いな。先客が埋め過ぎたのでしょうか。大勢が入った後の湯を舐めるのは勇気がいるが、恐る恐る舐めてみたら硫黄臭はなく、僅かに酸味を感じます。

多量の湯の華が舞っているが、僅かに白濁する程度。じっくり浸かっているうちにだんだん先客が去っていき、ようやくゆったりすることができました。しかしその分、湯量が一気に減ってしまった…

この共同湯の横の空き地では、地面から自然に湯気が上がっています。民家の並ぶ中で当たり前のように湧く温泉…これが別府の底力ですね。

・場所:亀の井バス・明礬温泉BS
・泉質:酸性泉 源泉温度69.5度
・2008年5月11日