2005年、ニュージーランドに短期語学留学した。
ホームステイしたのだけど、ホストファミリーは非常に優しく、他の留学生と比べても、非常に恵まれていると感じた。
父親、母親、息子の3人家族。
週末になると、バーベキューをして、車で自然公園に連れて行ってもらったりして、至れり尽くせリだった。
息子は私より年下で大学生。
家に帰ると電子ドラムを練習する好青年。
ある日、その息子に将来何になりたいかを訊いた。
迷わず、
“cleaner”
父親は空港の清掃員を仕事にしていた。
元はコックだった。
その父親を尊敬しているので、将来清掃員になりたいとのことだった。
ものすごく感動した。
私は仕事の殆どを「研究開発」に費やしている。
やったことがない人にとっては花形職種かもしれないけれど、実際やってみるとわかるのは、99%は地道な片付け作業。
3Sの整理整頓清掃を毎日繰り返して、やっとわからないことがわかって、どうしたらいいかわかる。
ちなみに、5Sの清潔躾は目的であって、実行手段ではない。
どうしたらいいかわかったら、どうやっていくかを決めなければならないけれど、手段も予算も限られているので、これをどうやって実行させるかをしっかり考えていく。
100の手順のうち99がそういった片付け作業で、成果は残りの1のイメージ。
それをやってやっと人前に出せる、「成果」ができる。
別に研究開発だけでなく、今までやったデザインの仕事も、宅配便の仕分け作業も、アイドルの握手会スタッフも、コンサート会場の撤収作業も、すべての基本は3Sだと考えている。
つまりすべての仕事が清掃だと思っている。
被災地ボランティアは100%以上の清掃作業だ。
未だにホロライブ5期生のコメントに、「清掃員を馬鹿にした」とのコメントが入っているけれど、コメントしている当人がいわゆる「清掃員」なのであれば、相当自己卑下が強い。
すべての仕事が清掃であり、片付けであるのだから、清掃員を笑う人も清掃を行う人も、すべての人が清掃員という矛盾。
ひたすら片付けを行っている自分自身を顧みて、本当に笑うしかないときもある。
それがなにか間違いかといえば別に間違いではない。
これは、炎上させられた当人が思っていても、そんなことは言えない内容。