まだPHSも携帯電話も普及していない、ポケベルと留守番電話が主な連絡手段だった学生時代、インターネットサーバーとネットワーク接続とコンテンツづくりに勤しんでいました。
プログラミングといえばCとかC++とかが主で、授業ではFORTRANが使われるような時代ですよ。
PASCALやらPerlやら、なんでも使えるものは使う主義でしたが。
Mathematicaで微積分方程式を解くのをMATLABに移植〜なんて、訳のわからんことを真剣にやったりね。
Excelマクロウィルスが猛威を奮っていたのもこの頃ですな。
Cドライブすべてのファイルを強制削除するMS-DOSバッチウィルスに脅威を感じていたのが懐かしい。
そんなことをしながら、ネットワークリテラシーなんてことを真剣に議論していました。
リテラシーというのは、使いこなす能力という意味ですが、どちらかというとネットワークモラルとか道徳という意味で使っていました。
例えばインターネットの情報はパケットで送受信されますが、サーバにはその送受信履歴が残る。
いつ誰がどことどんな情報をやり取りしたのかは、サーバを管理者権限で見ればわかるんです。
やろうと思えばやれるけれどやらない。
少なくとも私はインターネットの有用性がわかっていたし、その危険性も同時に考えながら普及促進するという考え方で動いていました。
管理者権限で他のユーザのメールやファイルを覗いたりすることはできることはわかっていても、実際はしないわけです。
インターネットを使うことに恐怖を感じてしまっては、普及促進なんか不可能なので。
頼まれればWEBを構成するファイルのアクセス権を整理して見られるようにする様な変更を行いますが、それ以外は自由意志に任せます。
他人の情報まで管理整理していたら時間も手間もいくらあっても足りないので。
調べればわかりますが、インターネットの前身はアメリカのARPAnetです。
網の目のように張り巡らされたネットワークがつながっている限り、どこかの拠点が攻撃されたとしても、情報伝達が途切れることがないというのが、最大のメリットだったわけです。
今持っているスマホは通常回線とWi-Fi回線両方で同じように情報を送受信できる。
どちらかの通信手段が途切れたとしても、他の手段で通信できる。
今では当たり前のネットワーク機能が画期的だったんですね。
それまでは同軸ケーブルで直線でつないでいたコンピュータの、1ヶ所のコンピュータやケーブルが不具合を起こしただけでネットワーク全てが使えなくなる。
なんてことは当たり前だったんですよ?
「軍事技術の転用だから普及しないよ。しかもタダって商売になるわけない」
なんて事を言う人もいましたが、今の社会どのように生きているのでしょうか?
自動運転自動車のセンサアクチュエータ各情報から、銀行の送金システムまでインターネットに乗せる時代ですよ?
生活の一部となった技術によって、通信の概念が完全に変わった。
テレビ放送なんか必要ない時代なのよ?NHKさん?
基礎技術によって社会そのものが変わる良い例がインターネットで、そのような基礎技術は実はたくさん存在する。
それを使って世の中を牛耳ることも不正を働くことも可能だけれど、敢えてしないという選択肢を選ぶことができるのも人なんですよ。
よく切れる包丁でおいしい料理を作るのも人を殺めるのも人次第。
あなたはどちらですか?
私はそういったものを作り出し活用するエンジニアですが?