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パク・クネ政府に登場した「新386世代」、過去への回帰?

2013年10月11日 | 南域内情勢

朴槿恵大統領とキム・ギチュン大統領秘書室長(右)



以下のコラムは、韓国のインターネットニュース『プレシアン』、2013年10月10日付に掲載されたものです。朴槿恵(パク・クネ)政権の人事動向を的確に分析しており、また、韓国社会の一面を反映していることから、参考資料として紹介します。(事務局)
http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=60131010094609§ion=062


パク・クネ政府に登場した「新386世代」、過去への回帰?

「新386」が話題だ。パク・クネ政府がスタートした以降、使われるようになった用語だ。 「新386」とは、1930年代(もしくは40年代前半:訳注)に生まれて、60年代に社会活動を始めた、現在は80才を間近にした世代をいう。1960年代に生まれ、軍事政権時期である80年代に大学に通った30代を称した「386世代」とは、その意味が全く違う。キム・ギチュン大統領秘書室長をはじめとし、イ・ギョンジェ放送通信委員長、ナム・ジェジュン国家情報院長、ホン・サドク民族和解協力汎国民協議会(民和協)常任議長などが政権に帰還したのを受け、本格的に使われるようになった用語だ。

パク大統領が「新386世代」を重用していることに対して、“彼らの経綸を重用した”という肯定的な論評の反面、“過去へ回帰している”という批判も起きている。評価は立場によって相異なり、両分されるようだ。概して保守陣営は前者を、進歩陣営は後者の立場だ。だが、度が過ぎれば問題になるものだ。保守陣営からも“過去への回帰”を憂慮する声が出てきている。

<中央日報>は10日付の4面トップ記事、“パク・クネ政府の「新386」時代…経綸重用?過去回帰?”という見出しの記事で“以前の政府では第2線に後退していた元老たちが、現政府の前面に登場した。その背景にはパク・クネ大統領の要人観がある。信任を最も重視するパク大統領だけに、忠誠心が確認できた人間は、時代を越えて再起用するという意思が読み取れる。"と説明した。

<中央日報> “ソ・チョンウォン氏への推薦、パク・クネ大統領も望んだことなのか”

同紙の34面コラム“オールダー・ボーイ(older boy)の帰還”はさらに一歩踏み込んで、「新386世代」の起用がイ・ミョンバク前政権の人事に酷似していると批判した。コラムは最近、ソ・チョンウォン前ハンナラ党代表(朴槿恵大統領の最側近で、与党の事務総長や代表最高委員を努めたが、収賄罪で議員を辞職:訳注)を、京畿道(キョンギド)華城(ファソン)甲区の国会議員補欠選挙の候補者として推薦したことを、強く批判した。

コラムは“推薦を受けたソ・チョンウォン候補は、当選さえすれば、党代表にも国会議長にもなれる立場だ。それをパク・クネ大統領も望んでいるのだろうか”と反問した。

このコラムは“かつてパク・クネ大統領は、「何人かの有力者が、思いのままに推薦してはいけない(2011年)」、「推薦に私心が介入してはいけない(2008年)」と主張していた。パク大統領の政治における核心的な価値は、実践を前提とした言葉の一貫性であった。だが、今回のことで、その価値は損なわれるしかないだろう”と指摘した。

コラムはまた、大統領府の性質を熟知する人士の評として、“今回のソ・チョンウォン推薦を指して「報恩」と「役割論」を提示する者がいるだろう。しかし、わずか数年前の李明博政権下でも、院外の元老(パク・ヒテ氏)を補欠選挙に出馬させ、元老の実力者(イ・サンドク:大統領の実兄、後に収賄罪で拘束)が与党議員を統率した。しかし、そうした元老登用の効力は一時的なものだった。手中に握ろうとすれば、かえって逃げていくのが権力だ”と批判した。

それと共にコラムは、“パク大統領は公職者の要人において私的な縁故を排除する、と公言したではないか。なのに、大統領に馴染みの「古い履歴書」を持ちだすとは..."と反問した。

<朝鮮日報>“「新386世代」、時代に逆流している”

<朝鮮日報>も10日付34面のコラム“「新386世代」”で、“今の政界で脚光を浴びる386政治家がいないのを見ると、「386世代」は歴史的な役割を充分に遂行していないか、あるいは、もはや退潮したかのどちらかだろう。この間隙を利用して、「新386世代」が登場している”と説明した。

コラムは続けて“「新386世代」の登場は、パク・クネ政府の出帆とともに始まった「オールドボーイの帰還」と、密接に繋がっている”と付け加えた。

コラムは“社会的活動の適合性を測る唯一の尺度ではないが、「新386世代」という用語には、時代に逆流する現象を皮肉る意味が含まれている。彼らが今見せている旧態依然な思考と行動を見れば、より一層そのように感じる”と批判した。 ホ・ファンジュ記者。

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