NPO法人 三千里鐵道 

NPO法人 三千里鐵道のブログです。記事下のコメントをクリックしていただくとコメント記入欄が出ます。

朴槿恵大統領への支持率、どこまで落ちるのか?

2015年01月23日 | 南域内情勢

朴槿恵大統領への支持率。実戦=支持、点線=不支持(1.16『韓国ギャロップ』)



世論調査機関の『韓国ギャロップ』は1月16日、朴槿恵大統領の国政運営に対する国民世論の調査結果を発表した。それによると肯定的評価は35%、否定的評価が55%だった。調査は全国の成人男女1002名を対象にして、13~15日にかけて実施されたものだ。同社は毎週この評価を実施しており、事実上の支持率を問う調査といえる。

現政権の出帆以降、肯定評価が40%以下になったのは、昨年12月第3週目(37%)以来のことだ。否定的な評価の理由として、①独善的な政局運営(19%)、②人事の失敗(13%)、③選挙公約の不履行(11%)などが挙げられている。今回の調査結果には、1月12日の年頭記者会見に対する厳しい批判が反映されているようだ。

朴槿恵政権には以前から、“側近の秘書官たちが絶対的な権限を行使し、密室で国政を運営している”との批判が集中していた。しかし、大統領は年頭記者会見で“国政運営に関する疑惑は事実無根だ。今後も秘書官たちを信頼し政局を運営する”と述べ、国民の批判を一蹴した。

大統領の傲慢な姿勢には与党内部でも憂慮の声が高まっており、民心の離反も加速されているようだ。世論調査機関『リアルメーター』が22日に発表した数値によれば、朴槿恵大統領への支持率は33.2%と最低値を更新している。また、不支持が58.8%まで上がった。これも就任以来の最高値である。

朴槿恵政権には不動の固定的支持層(主に50歳以上の世代、慶尚北道地域の住民)があり、全有権者の1/3に達すると言われてきた。33.2%という数値は、そうした固定的な支持層以外は、もはや現政権に見切りをつけ始めたことを示しているのかもしれない。ちなみに『リアルメーター』の調査で政党への支持率を見ると、与党・セヌリ党が37.4%、野党・新政治民主連合は23.3%である。

1月22日、ソウル大学の『民主化教授協議会』は時局宣言文を発表した。宣言文は「韓国社会は今、総体的な難局に直面しており、その責任の大半は大統領と青瓦台(大統領府)が負うべきだ」と指摘している。

宣言文は末尾で、朴槿恵政権への要求として次の三項目を挙げている。
①大統領は危機を直視し、大統領府の人事刷新と全面的な内閣改造を直ちに実行せよ。
②対話と妥協、共生の政治を実現するために必要な、あらゆる措置を取れ。
③経済民主化と福祉の拡大、南北関係の改善に関する大統領選挙の公約を実践せよ。

韓国の大統領は任期5年で、再任が認められない。朴槿恵大統領は今年が3年目だ。実績を残すには最適の時期かもしれない。金大中政権は3年目に首脳会談を実現し、南北の和解と協力に向け新たな時代を切り開いた。盧武鉉政権も3年目に六カ国協議の合意達成に貢献し、朝鮮半島の非核化と東北アジアの平和構築において重要な役割を果たした。朴槿恵政権が大胆に政策を転換することで、南北関係の改善を主導するよう促したい。(JHK)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿