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開城工業団地への視察案内

2015年12月22日 | NPO三千里鐵道ニュース

開城工業団地で働く北の労働者



11月15日、三千里鐵道は都相太理事長の名義で、開城工業団地への視察案内文を一部の方々に送付しました。以下のような内容です。


開城工業団地への視察案内


アンニョンハセヨ。
 今年は朝鮮民族が植民地統治から解放されて70年、そして、分断後初めての南北首脳会談から15年を迎える年でした。節目の年に相互の不信と対立を解消する進展が期待されましたが、残念ながら南北関係は改善せず、平和統一への歩みは滞ったままです。

 その一方で10月には、離散家族の再会事業(金剛山)や労働者統一サッカー大会(平壌)などが開かれ、民間次元での部分的な交流と往来が実現しています。こうした流れを活かすためにも、在日同胞の立場で南北の和解と協力に寄与したいと思っています。

 「朝鮮戦争の停戦体制」という祖国の厳しい状況は続いています。でも、南北が唯一「未来の統一」を準備し実践している場所があります。それが「開城工業団地(開城工団)」です。「開城工団」は2000年の『6.15南北共同宣言』に基づき、2003年6月に着工しました。
翌年12月には最初の製品を生産し、ソウルの百貨店などでも販売されて好評でした。

 「開城工団」は北の法令によって設置された経済特区です。南は土地を50年間契約で賃借し、北の委任を受けて開発・管理・運営と企業の誘致を推進しました。現時点で、100万坪の地に124の韓国企業が工場を稼働しています。南から800名、北から53,000名の労働者が一体となって協同作業をし、年間約4.6億ドルの生産高を上げています。南の資本と技術、北の資源と労働力が一体となった「開城工団」の可能性は計り知れません。

 南北の鐵道連結を推進した「三千里鐵道」は、「開城工団」に注目してきました。ここに、在日同胞が共同出資する工場建設を企画しています。名づけて『開城プロジェクト』です。生産利益の一部を南北の和解・協力への「平和統一基金」として活用すれば、意義あることではないでしょうか。

 まずは、有志の皆さんで「開城工団」を視察してみませんか。現場の状況を具体的に知り、『開城プロジェクト』の可能性を打診するためです。来年の1月中旬に、二泊三日での視察ツアーを考えています。ソウルから開城へ入るコースで、韓国政府統一部との交渉も始めています。在日同胞の「開城工団」公式訪問は、初めての試みです。ぜひ、この機会に視察ツアーへのご参加をお勧めします。そして、『開城プロジェクト』ヘの関心とご協力をお願いする次第です。

              
 2015年11月15日 NPO法人三千里鐵道 
                         理事長 都相太



12月15日の時点で15名の方から参加の意思を確認し、韓国政府統一部の実務担当者に打診したところ、在日同胞の視察を前向きに検討するとの連絡を受けました。ただ、実際に開城工団への投資および工場稼働に向けた視察を前提とするので、対象者は企業家に限定したいとの条件を提示されました。それで、第一次の申請対象者は12名になりました。

昨年、外国人企業家(海外同胞を含む)たちの開城工団視察が20回以上も実施され、延人員は400名を超えるそうです。こうした流れを考えると、在日同胞商工人の視察も実現の可能性は十分にあると思います。案内文を読まれ、趣旨に賛同し参加の意思をお持ちの方はご連絡をください。具体的な訪問時期は、統一部との今後の交渉によって決まりますが、2月中旬を一応の目標にしています。

南北の和解と祖国の平和統一に向けて、『開城プロジェクト』が何らかの契機になればと願っています。(三千里鐵道事務局)