この間、三千里鐡道と急速に交流の深まった韓国統一ニュース編集局長金致寛氏が、6.27行事を終えて京都への取材に赴いた。取材対象はマンガン炭鉱とエルファ、耳塚など。まずはエルファを紹介する。namsang
この時代の沈清’たちと呼びたい”
在日同胞老人福祉施設'エルファ'訪問
2010年06月28日(月)京都=金致寛記者ckkim@tongilnews.com
▲写真ー在日同胞密集地域の京都東九条にある'エルファ'事務室内部.
'互いに助けて生きる'という理念が壁に誇らしくかかっている
28日午前日本、京都市在日同胞密集地域の東九条‘NPO(非営利団体)法人京都コリアン生活センターエルファ’という多少長い名前の老人福祉施設を訪問、記者の目を引いたのはこの句が書かれた額縁であった。
2000年創立当時からこの団体を導いているチョン・ヒスン(67才)理事長は、この精神が‘エルファ’の精神だと話した。 ‘エルファ’は‘アイゴ’の反対になる、興じ奮い立たせる感歎詞であり、この団体の略称でもある。 在日同胞老人たちの境遇を'アイゴからエルファに'変えるという意だ。
▲ 35年間総連女性同盟事業をしてきたチョン・ヒスン エルファ理事長に、この事業を始める契機を尋ねた。
するとチョン理事長は“当時同胞生活相談所には、就職相談が一番、次に家族相談が多かったが、その中でも舅姑.実家両親問題が深刻だった”という。こういう問題意識で1999年から老人福祉機関設立を模索することになったし、2000年9月設立総会を開いた。
彼女は“20年前から在日同胞社会も高齢者問題が提起され始めた”とし、“日本人有資格者よりは韓国語と日本語が分かり老人に接してみた経験のある同胞子女らが望ましいと考え、独自のカリキュラムで教育し、今まで116人の‘ホームヘルパー’を育成した”と胸を張った。
エルファは総連の付設機関から出発したが、日本社会の法的要件に合う資格、品格をそなえているので、今では総連はもちろん民団(在日大韓民国民団)所属同胞老人たちと日本人老人たちまで愛用する施設に発展し、京都市の支援金も受けている。
エルファは毎日(09:30-15:30)一日養老院‘デーサービス’を行い、この地域老人120人余りがこのサービスを利用している。25人のホームヘルパーらが家庭訪問して見てあげる‘訪問介護サービス’は、78家庭が恩恵を受けていて、老人福祉機関の模範的事例として評価が高い。
また、1階に用意された障害者共同作業場では25人の障害者らが、ゴマ塩など私たちの食品と菓子を作って納品し自立をサポートしている。
エルファの格別な哲学に立った献身的運営は周辺にも広く知られ、毎日新聞社賞、京都市長表彰状を受けた。 1階廊下には故キム・スファン枢機卿など有名人らが訪問した写真らも並んで展示され、エルファの存在の大きさ、社会的貢献度をひと目で確認することができる。
チョン理事長は“老人福祉事業は社会的問題でもあるので、協力して下さる方々も多い”と語り、特に後援会長の清水寺森清範貫主には謝意を表した。 また、高齢化問題が深刻な日本の他の地域はもちろん、世界各国からもこちらを訪問して運営のノウハウを習っていると語った。
ナム・スンヒョン エルファ事務局長(44才)は“苦労を多くされた在日のおばあちゃんらが笑う時、やりがいを感じる”としながら“日本の福祉制度での死角地帯に置かれている在日同胞らの境遇に胸を痛めこの事業に身を投じた”と話した。
遠い他国で老年をむかえて福祉の恩恵も受けられず、孤独と苦痛を受ける境遇に置かれた高齢の同胞らに暖かい世話を提供しているエルファに対して、記者を案内した南相三三千里鉄道副理事長は“エルファは民族愛、同胞愛に基づき、大変なことをしている”とし、“私はここで働くヘルパーはじめ職員たちを‘この時代の沈清’と呼びたい”と賞賛を惜しまなかった。