福岡県久留米市の水天宮を総本社として日本全国にある神社の一つです。祭神は
壇ノ浦で海に身を投げた安徳天皇とその一族ですが、安徳天皇に仕えていた按察使
局(あぜつちのつぼね)が、九州筑後川のほとりに祠を建てて、その霊を慰めたのが
水天宮の始まりです。
その後、有馬忠頼公により豪壮な社殿が造られました。後に第九代有馬頼徳公が
分霊して江戸屋敷に水天宮を祀り、これが東京水天宮の始まりです。江戸っ子たち
の信仰が高まり、塀越しに賽銭を投げ込むなどしたため、五の日に限り屋敷が開放
されて参拝が許されました。人々は「情け深い」ことを感謝する際に、有馬家と水
天宮をしゃれて「情けありまの水天宮」といったそうです。
最近は出生率の低下が言われますが、安産・子授けの水天宮に参詣する人々は後
を絶ちません。狛犬は親子連れとその連れ合いが門前で頑張っています。明治五年
に現在地に祀られたということです。