迷宮映画館

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ピンポン

2002年07月18日 | は行 日本映画
片瀬高校卓球部星野、通称ペコ、卓球が大好きで大好きでたまらない。ラケットはペン。鉛筆を持つように握るのでこういうが、普通に卓球を始めるときの握り方だ。型は前陣速攻、ばしばし打つのが好きなタイプ。

同じく月本、通称スマイル、滅多に笑わないのでこうよばれている。こっちはカットマン。これはもうひたすら拾う。とにかく拾う。拾って、拾って相手がミスするまで拾う。隙を見て攻撃するが、まあ堅実なタイプかな。

小さいときから卓球が大好きで、宇宙で一番になりたいペコに卓球を教えてもらったのがスマイルだ。暗くていじめられっこのスマイルにとってペコはヒーローだった。助けて欲しいときに敢然と表れる何とかマンだった。えらくお調子者でにぎやかなペコと、いまやめきめき才能を顕しつつもクールなスマイル。卓球なんて死ぬまでの暇つぶしとうそぶきながらなんとなく離れられない二人だった。

卓球が好きでたまらないペコ、本当は好きなんだけど正直に表現しては自分のキャラに合わないスマイル、他にも卓球に人生かけた奴に、中国から卓球するために来た奴に、いつまでも卓球から離れられない奴(おじさん、共感しました)。それぞれ表現方法は違っても、どれもみな卓球ばか。彼らが織り成すなんともいえない卓球人生がいい。

不肖ワタクシ、卓球部でございました。まあ半端な部員で、5人で団体組むときの6番手。才能も根性もないので早々に卓球人生から足を洗いましたが、ちょっとは卓球の魅力を知っているのであります。その面白さはというと、まず、上手になると面白くなる。今まで取れなかった球を返せた、届かなかった一歩に足がでた、スマッシュが決った、これは一時の至福の刹那であります。まあ、勝てればそれに越したことはないのですが・・。そして、何より、かによりラリーが長く続いたとき、これはもう卓球冥利に尽きます。このラリーを永遠に続けていたいと思う。敵であろうと、練習相手であろうとぴったり呼吸が合って素晴らしいラリーが続いたとき、これです。卓球をする人は、勝負はもちろんですが、この至上のラリーを求めてヘラを握るのでは・・・。お互いに最高の相手を見つけることができた彼らたち。こういう片割れもとめの映画もいいんじゃないかい。年配の方向きにちゃんと竹中の御大尽もお決まりに出てますよ。

だいぶ、練習をつんだらしいのですが、インパクトの時まで球ちゃんとみねーとだめだぞ、ペコ。

「ピンポン」

監督 曽利 文彦  
出演 窪塚 洋介  ARATA  サム・リー  竹中 直人 2002年 日本作品

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