時は、「太平天国の乱」の真っ最中。アヘン戦争で、大国中国の仮面が剥がれ、さまざまな問題が浮き彫りにされ、内部から膿が噴き出すように民衆の怒りがあらわになってきた。
清はご存じのとおり、異民族の支配下の王朝国家だ。支配者は北方にいた女真族。その特徴はあの独特の髪型と、最強を誇る騎馬軍隊だった。長い中国の歴史の中で、異民族が支配する王朝もあったが、押し並べて短命だった。
しかし、この清王朝は、支配の巧みさと、強い軍事力、そして創世記の卓越した皇帝たちによって、盤石な国となった。その盤石すぎた体制があだとなって世界に目がいかず、古い体制にしがみついてしまった。この矛盾があからさまにされてしまったのが、「アヘン戦争」の敗北だったわけだ。
中国の皇帝には、すべての人がひれ伏さねばならない。何があっても勝つ。神が付いている・・・というより、皇帝そのものが神だ。
その中国が無様に負けてしまったアヘン戦争は、中国の遅れをまざまざと認識させ、外国と渡り合うためには、妙なプライドも捨てなければならないことをわからせたはずなのに、わかってなかったのは当のお偉い宮殿の中の方々。
その頃、『滅満興漢』をスローガンに、立ちあがったのが洪秀全率いる、太平天国という集団であった。洪秀全は、キリスト教に傾倒していたが、目指すはとにかく打倒清!これだ。
と、ながながと太平天国について述べてしまったが、政府軍といっても、それは必ずしも正ではない。どころか、匪賊と呼ばれる盗賊まがいの集団の方がよっぽど規律正しく、弱きものを守り、税を搾り取ることばかり考える政府より、よっぽど支持を得ている。その立場を知ることが、この映画で描かれる官軍やお役人の立場、太平天国側、民衆側の思惑がわかると思う。
清側の兵隊は、一枚岩ではない。最上層部には、当然女真族が配されるが、末端の兵隊は、当然漢民族になる。さらに各地の有力者が義勇軍を結成し、それぞれが手柄を立てようとする。漢民族の義勇軍に国家に対する忠誠心などはなく、己の出世と、戦利品にしか興味はない。それが冒頭のパン@リンチェイの負け戦の様子だ。
たった一人生き残り、憔悴していたパンを助けたのはのちに義兄弟となるアルフの妻だった。アルフはいわゆる盗賊で、それで自分の村の人々を養っていた。その村にパンを連れてきたのが、アルフの弟分のウーヤン。
ウーヤンはパンを仲間に入れようとするが、アルフはいい顔をしない。アルフとパンは、そのまま袂を分かつと思ったときに、村は官軍の収奪にあう。その官軍こそが、パンを裏切ったホー軍だった。
ボロボロにされた村人を見て、官軍に入ることを決意したアルフは、パンとウーヤンと義兄弟の契りを結ぶ。(義兄弟とか、三兄弟!なんてのは、中国人の大好きなところですな。)
三人の思いは一つで、きっと手柄を立て、取り立てられ、村人を助けられると信じていた・・・かのように見えたが、それぞれの思いは微妙に不協和音を立てていく・・・。
ということで、だらだらと能書きを述べてしまったが、三者三様のそれぞれの性格の違いがあらわされててなかなか面白い。手ひどい裏切りにあい、心の大きな傷を持つ軍人。根っこは役人というパン。そして寝とり男・・。これはどう見てもアンディのキャラだが、ここをリンチェイが!!
直情的な役だけじゃなく、この複雑な役が何とお見事。アンディ様見るのをひたすら楽しみに行ったのだが、ここはあたしも複雑にリンチェイに見入ってしまった。うーん、見直した。
そして、K-20ばりの活躍を見せたのがタケちゃん。お髭が似合わないことを発見したが、リンチェイとアンディ様を向こうに回して、しかりとした存在感をアピール。何度聞いても、中国語しゃべってた方が決まります。
そして、アンディ様!!!!!きゃーーー、わーーー、わにゃああーー!(うるさい!え?誰の声)今回のアンディ様はとってもまっすぐで、皆のために生き、仁義を大事にし、寝とられる・・・。あのまっすぐな曇りのない目。。。約束をたがえることになってしまった時の苦悩・・・・。あーー、たっぷりアンディ様を、堪能させていただきました・・・・・。なのですが、今回に限っては、リンチェイが勝るとも劣らない見事さだった。
清の高官の狡猾さは、鬼も尻尾巻いて逃げ出すほどのいやらしさだが、そんな世界は長くは続かなかったはずだ。腐った大木が崩れるちょっと前・・・。そんなことを思わせた。
◎◎◎◎
『ウォーロード 男たちの誓い』
監督 ピーター・チャン
出演 ジェット・リー アンディ・ラウ 金城武 シュー・ジンレイ ウェイ・ツォンワン クゥ・パオミン ワン・フイウィン チョウ・ポー グオ・シャンドン シ・チャオチー
清はご存じのとおり、異民族の支配下の王朝国家だ。支配者は北方にいた女真族。その特徴はあの独特の髪型と、最強を誇る騎馬軍隊だった。長い中国の歴史の中で、異民族が支配する王朝もあったが、押し並べて短命だった。
しかし、この清王朝は、支配の巧みさと、強い軍事力、そして創世記の卓越した皇帝たちによって、盤石な国となった。その盤石すぎた体制があだとなって世界に目がいかず、古い体制にしがみついてしまった。この矛盾があからさまにされてしまったのが、「アヘン戦争」の敗北だったわけだ。
中国の皇帝には、すべての人がひれ伏さねばならない。何があっても勝つ。神が付いている・・・というより、皇帝そのものが神だ。
その中国が無様に負けてしまったアヘン戦争は、中国の遅れをまざまざと認識させ、外国と渡り合うためには、妙なプライドも捨てなければならないことをわからせたはずなのに、わかってなかったのは当のお偉い宮殿の中の方々。
その頃、『滅満興漢』をスローガンに、立ちあがったのが洪秀全率いる、太平天国という集団であった。洪秀全は、キリスト教に傾倒していたが、目指すはとにかく打倒清!これだ。
と、ながながと太平天国について述べてしまったが、政府軍といっても、それは必ずしも正ではない。どころか、匪賊と呼ばれる盗賊まがいの集団の方がよっぽど規律正しく、弱きものを守り、税を搾り取ることばかり考える政府より、よっぽど支持を得ている。その立場を知ることが、この映画で描かれる官軍やお役人の立場、太平天国側、民衆側の思惑がわかると思う。
清側の兵隊は、一枚岩ではない。最上層部には、当然女真族が配されるが、末端の兵隊は、当然漢民族になる。さらに各地の有力者が義勇軍を結成し、それぞれが手柄を立てようとする。漢民族の義勇軍に国家に対する忠誠心などはなく、己の出世と、戦利品にしか興味はない。それが冒頭のパン@リンチェイの負け戦の様子だ。
たった一人生き残り、憔悴していたパンを助けたのはのちに義兄弟となるアルフの妻だった。アルフはいわゆる盗賊で、それで自分の村の人々を養っていた。その村にパンを連れてきたのが、アルフの弟分のウーヤン。
ウーヤンはパンを仲間に入れようとするが、アルフはいい顔をしない。アルフとパンは、そのまま袂を分かつと思ったときに、村は官軍の収奪にあう。その官軍こそが、パンを裏切ったホー軍だった。
ボロボロにされた村人を見て、官軍に入ることを決意したアルフは、パンとウーヤンと義兄弟の契りを結ぶ。(義兄弟とか、三兄弟!なんてのは、中国人の大好きなところですな。)
三人の思いは一つで、きっと手柄を立て、取り立てられ、村人を助けられると信じていた・・・かのように見えたが、それぞれの思いは微妙に不協和音を立てていく・・・。
ということで、だらだらと能書きを述べてしまったが、三者三様のそれぞれの性格の違いがあらわされててなかなか面白い。手ひどい裏切りにあい、心の大きな傷を持つ軍人。根っこは役人というパン。そして寝とり男・・。これはどう見てもアンディのキャラだが、ここをリンチェイが!!
直情的な役だけじゃなく、この複雑な役が何とお見事。アンディ様見るのをひたすら楽しみに行ったのだが、ここはあたしも複雑にリンチェイに見入ってしまった。うーん、見直した。
そして、K-20ばりの活躍を見せたのがタケちゃん。お髭が似合わないことを発見したが、リンチェイとアンディ様を向こうに回して、しかりとした存在感をアピール。何度聞いても、中国語しゃべってた方が決まります。
そして、アンディ様!!!!!きゃーーー、わーーー、わにゃああーー!(うるさい!え?誰の声)今回のアンディ様はとってもまっすぐで、皆のために生き、仁義を大事にし、寝とられる・・・。あのまっすぐな曇りのない目。。。約束をたがえることになってしまった時の苦悩・・・・。あーー、たっぷりアンディ様を、堪能させていただきました・・・・・。なのですが、今回に限っては、リンチェイが勝るとも劣らない見事さだった。
清の高官の狡猾さは、鬼も尻尾巻いて逃げ出すほどのいやらしさだが、そんな世界は長くは続かなかったはずだ。腐った大木が崩れるちょっと前・・・。そんなことを思わせた。
◎◎◎◎
『ウォーロード 男たちの誓い』
監督 ピーター・チャン
出演 ジェット・リー アンディ・ラウ 金城武 シュー・ジンレイ ウェイ・ツォンワン クゥ・パオミン ワン・フイウィン チョウ・ポー グオ・シャンドン シ・チャオチー
最近のアンディ様(←いちおう様つけてみました♪)の作品ではこの作品が一番良いかなって思ってます。太平天国の乱って日本ではいま一つ地味な出来事ですが、きちんと時代考証されていた作品でした。惜しむらくは個々のエピソードの繋ぎが雑になってしまっていることかなぁ。特に南京攻めはちゃんと描いて欲しかったです。^^;
ほとんどミーハーおばさんです。でへへ。
もうアンディ様を前にすると、まったく理性をなくしちゃいます。
まあ、同年代だから、許してもらおう!!と思っております。
アンディ様の最高傑作は、なんと行っても「イノセント・ワールド」ですわ。
さて、映画。なかなかきちんと描かれてましたね。
戦いばかりについ目が行ってしまいますが、あの高官たちのいやらしさなんぞ、よく描いたと思いました。
太平天国は、いろいろ複雑ですので、難しいところがありますが、敢闘したのでは。
ウォーロードのアンディさんは、まっすぐで、義に溢れ、これぞアンディって思いました。
ピーター・チャンとは思えない、ハードな内容でしたが、見ごたえありましたよね。
ところで、ぜんぜん関係ないですが、
今度の土曜から香港へ行くので
香港マダム・マッソー蝋人形館で
一番そっくりだと言われるアンディ人形と
ツゥーショット撮るのが楽しみです(爆)。
(もちろん、黎明とも・・・)
やっぱあれはトニーさんかなっと。
そそそ、ピーター・チャン!!何があったんだあ!!という感じでしたね。
えーーーーーー、アンディ様とツゥー・ショット!!!
アンディ様だけください。
なんかケンカ売ってんのか記事みたいに
金城さんが好き~~~!って壊れ記事書いて
TBしてしまいました。ゴメンナサイです。(笑)
でもアンディとジェットリーの前では
オコチャマでございました・・・。
うん、アンディのやってたアルフは
めちゃくちゃかっこよかったですね。
愛と正義の戦士って感じでした。
ただ、あの時代、あの戦においては
正直あまりにも生きるのに不得手な
不器用すぎるひとでしたけど。
それゆえに余計見る人の心をわしづかみに
するんでしょうね・・・。
あは、その気持ちわかりますよぉ。
すいません。気安く、タケちゃんなんて読んじゃて。
昔から、タケちゃんなんで、許して。
あの二人の迫力には、及びませんでしたが、そのことも十二分にわかって、あの役になったのでは!と感じました。
それなりによかったっすよ。
ただむさい姿は似合わんかった。
アンディ様!!!よかったですね。
またあの無骨さがいい。
見るたびに惚れ直してますが、でも今回は、リンチェイの複雑さが見ところでした。
お名前はよく拝見させていただいてました。(miyuさんや、ななさんのところかな?)
今日、アンディのファンだと知って嬉しくて書き込みさせていただいてます。
『イノセント・ワールド』お好きなんですね~?あのおかっぱさん(笑)を選ばれるなんて~さすがです!!
いろんな表情を見せてくれた、いい作品でしたね~~~。私のところは公開されずDVD鑑賞なのが、なんとも残念でした。
私は『インファ・・』も好きなんですが~、『暗戦 デッドエンド』や『ファイターズ
ブルース』最近では『プロテージ(門徒)』にやられました・・・
『ウォーロード』は、アンディのステキなシーンがたくさんカットされてがっかりしていたら~今度発売されるDVDではカットされてないのが入ってるそうで、早速予約しました~♪
楽しみです。
ジェットがこれで初めて主演男優とったのも納得の演技でしたね。葛藤する彼、とてもよかった。
金城さんも熱演でした。無邪気なウーヤン(もうちょっと考えようよ。と何度も声をかけたかった・・・)ぴったりでした。
アンディは、もう言うことありませんでした。
愛に生きる二虎・・・貴方の愛なら、私は逃げないのに。。。シュー・ジンレイのバカ~!(笑)
と 取り乱しました・・ごめんなさい。
長々失礼しました。又 伺いますね~。
どうぞよろしくお願いいたします。
アンディ様にとりつかれた(?)のは、結構最近なので、昔の派あまり見たことないんですよ。
え!こんなのに出てたの?とたまげたり。
「イノセント・ワールド」は、最高でしたね。
あの髪形に最初は「ぎょぎょおお!」となったのですが、あれもふりだったのね・・とわかってきて、もう最後なんか、ぽーっとなって見てました。
なんとそのときの劇場は、観客あたし一人!!完全にアンディ様を独り占めしておりました。なはは。
そうですか、「ウォーロード」は、もっとかっこええシーンがいっぱいあるのですか。これ要チェックですね。ありがとうございます。
「ウォーロード」は、アンディ様見に行ったのですが、リンチェイにちょっと感激。
いろんな役をこなして、いい役者になってきましたね。
ということで、ありがとうございました。
また来てくださいね。
あちらにも書きましたが、今、息子が
帰省中で、どうも通常通りにいかなくて(^^ゞ
明後日には帰りますので、その後はなんとか通常の日々に戻れそうです^^
私がアップした記事、ほとんどといっていいほどsakuraiさんも記事を書いてらっしゃるので、こちらにコメントとかTBとかしたかったんですが、ついつい、読み逃げ、スルー状態になってしまって、申し訳ありません。
で、この映画ですが、
これまで何本も金城さんの出てる映画を
観てるのに、素敵だとは思っても、普通に素敵・・ってくらいで、萌えたり惚れちゃったりしたことはなかったんですが、これですっかり惚れちゃいました~(^^ゞ
それに私もタケちゃんは中国語の方が
断然似合う!と思いました。
sakuraiさんにお勧めいただいていた
「K-20」をこの映画の後に息子も一緒に観たんです♪で、余計に思いましたわ。
彼は中国語をしゃべってる方がずっと良いなぁって^^
K-20 思ってたよりもずっと良かったです!!!
sakuraiさんに勧めていただいてなかったら、多分観てなかったので、感謝感謝です♪
息子もかなり面白かったと言っておりました(*^^)v
いつものことながら、教えていただいて本当にありがとうございます!!!
またこの映画の話しに戻りますが
ジェット・リーが一人で涙しながら
晩餐の席についてる姿、アンディ様の
まっすぐな姿、タケちゃんの投名状に
忠実な姿、みんな印象に残りまくりでした。
大好き~(*^^)v
こういう男の世界は堪りません!!!
sakuraiさんが書いてくださったコメントの映画、今度探して観てみますね♪
また楽しみが増えました~(*^^)
いろいろと忙しいですよね。
うちの大学生も、9月に帰る・・とか言ってたのですが、こっちが忙しすぎてほっておいたら、結局来なかった。
来なくて正解でした。
ほんとに忙しかったもので。
今度は、またゆっくりお話しましょうね。
さてこれ。
やっぱタケちゃんは、日本語喋んない方がいいっすよ。
「K-20」はかみかみだったっしょ。
で中国語の方だと、あの独特のトーンとぴったりあうんですよね、なぜか。
リンチェイとアンディ様に引けを取らず、がんばってたと思います。
で、あたしはなんといってもアンディ様なんですが、これに限ってはリンチェイのうまさに驚愕でした。
こんなに演技派になるとは思わなかった。
見た甲斐あった映画でした。