迷宮映画館

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オーストラリア

2009年03月02日 | あ行 外国映画
第二次世界大戦前夜、オーストラリアのダーウィンに降り立った女性がいた。
山のような荷物と、ハイヒールと、あでやかな帽子。見るからにいいとこの奥様だとわかるが、当地にきたまんま、さっぱり帰ってこない夫君のところにやってきた。

夫がいるのは奥地の農場。そこで牛の飼育をしているというが、到底女の一人旅では無理。案内人になったが、牛追い・ドローヴァーと呼ばれた、文字通りのカウボーイだった。

片や貴族のご婦人、片や荒地のカウボーイ。まったくの水と油の二人だったが、なんとか珍道中を続けて、夫のいる農場にやってきた。しかし、夫は何者かに殺されており、農場は荒れ果て、人手にわたる寸前。

この農場で働いていたと言うフレッチャーは、信用ならない。彼を追い出し、自らの足で立とうと決意したサラは、ドローヴァーと一緒に、なんとか1500頭の牛を、ダーウィンの港まで移動させて、再建を図ろうとする。

と言うことで、物語は複雑ではないのだが、いつものバズ・ラーマンの癖と言うか、彼の語り口と言うか、少々遠まわしにしてしまうのが、特徴。ちょっととっつきにくい始まりを乗り越えればあとは、怒涛ののりで進んでいく。

とにかく圧倒的なのが牛の大群!!フレッチャーの卑劣な行為で、牛が暴走するのだが、スクリーン全体からものすごい迫力の走りと、イスにまで伝わってくる振動この迫力のシーンは、凄い!!このシーンを体験するだけでも、十分の価値はある。

そしてなんと言ってもヒュー様のワイルドな魅力と、端正なタキシード姿と、お見事なむちさばき。なんと、ヒュー様、乗馬はあんまり経験がなく、1年間の猛特訓でこの手綱さばきができるようになったとか!そんなことは微塵も思わせないくらいの見事さ。

とにかく監督の思い入れがありすぎて、いろんな要素を詰め込み、自分のよりどころであるオーストラリアの姿をこれでもかと描きたかった・・・と言うのが伝わる映画だった。その描き方は、いつもの彼流の大写し、ドアップ、大仰な表現で、あたしはそれが好きなのだが、それが苦手な人は少々重たいと思うかもしれない。

今は、マルチカルチュアリズムの大推進国として、さまざまな文化を、何の垣根もなく取り入れる国として評価されてる国だが、私が中学校のころには、オーストラリアといえば、白豪主義を実施している国・・・として勉強した。たかだた30数年前のことである。

彼らの根底には何らかのコンプレックスを感じる。そして、それを乗り越えた今の姿。かの国の歩んできた姿を見ると、イギリスの世界戦略が、いかに大きな負の遺産を生み出したのか・・と言うことも見えてくる。

大戦中、日本軍がオーストラリアまで攻め込んで、爆撃したのも事実だ。あまねく描いて、散漫になったきらいもあるが、とにかく圧倒的な牛の群れと、馬の疾走は一見の価値あり。ヒュー様の見逃せないシーンも盛りだくさん。ぜひ、大スクリーンで見てほしい。

デビッド・ウェンハムが一番年長で、次がニコール、ヒュー様が一番若いんだって。ってちょっと意外。

◎◎◎○●

『オーストラリア』

監督 バズ・ラーマン
出演 ニコール・キッドマン ヒュー・ジャックマン ブライアン・ブラウン デヴィッド・ウェンハム ジャック・トンプソン デヴィッド・ガルピリル ブランドン・ウォルターズ


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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
>mezzotintさま (sakurai)
2009-03-24 11:46:03
ありがとうございます。
本当につらいですわ。毎年ひどくなる一方です。
頭にもやがかかってるわ、のどにも何かが張り付いてるようで、深い呼吸もできない。
いやですね。
春はいい季節のはずなのに、憂鬱です・・。

ラッセル・・・「ワールド・オブ・ライズ」で太りましたが、戻ってないのですかね。
あのまま馬に乗ったら、馬がかわいそお・・。
ここはやっぱヒュー様ですよね。
ヒュー様以外、考えられないです。
新婚旅行で、オーストラリアに行って、エアーズ・ロックにも登ってきましたが、本当にいいとこですね。また行きたいです・・。
花粉症お見舞い。 (mezzotint)
2009-03-22 21:28:30
sakuraiさま
今晩は☆★
花粉症、辛いですよね。実は私も花粉症です。
先日sakuraiさん同様、えらい目に遭いました。
仕方なく、病院で薬を処方してもらい・・・。
ステロイド剤をしばらく飲みました。
ようやく治まり、現在は軽い薬で何とか。
またいつ起こるやらとドキドキものです。
そうなんです。ラッセルだったそうです。
結果的にラッセルはだめになったらしいです。
ラッセル、またお太り状態です。少しきもい
ですよ。結果ヒューさまになって良かったと
つくづく思いますね。鑑賞前はどうなんや?
なんて思いましたが、それなりにいい作品に
仕上がっていたと思います。オーストラリア
に行きたくなりますね。
>はらやんさま (sakurai)
2009-03-13 10:28:36
何が一番の見所かって、絶対あの牛の大群だったと思います。
腹にぐぐっときましたもん。
バズ・ラーマンの独特の撮り方が、ドラマティックな感じを盛り上げてましたね。
>由香さま (sakurai)
2009-03-13 10:25:39
ごった煮状態でしたが、結構なんでもありのオーストラリアという国自体の性格もあらわされていたんじゃないでしょうかね。
楽しく見ました。
ウェンハム!いつもでもファラミアでもなく、確実にいいですね。
こんばんは (はらやん)
2009-03-11 21:41:55
sakuraiさん、こんばんは!

少々詰め込みすぎの感はありましたけれど、その分監督の思い入れを感じました。
あの牛の暴走は見応えありましたよね。
リアリズムとも違う迫力がありました。
なんというかドラマティックなんですよね。
こんにちは~♪ (由香)
2009-03-11 08:24:14
お邪魔します♪
色々詰め込み過ぎて、ちょっと散漫な印象はありましたが、ヒューと二コールの組み合わせの美しさは十分堪能させて頂きました(笑)

デヴィッド・ウェンハムは、モロ悪役でしたね~(笑)
彼って結構好きなんです♪作品ごとに顔が違って見えるし、上手いなぁ~って思います。
>mori2さま (sakurai)
2009-03-07 10:49:40
それはお疲れ様でした。
あたしは、十分楽しめました。
バズ・ラーマンの思い入れみたいなもんが伝わりました。
ちょっとしんどかったです…。 (mori2)
2009-03-06 15:50:09
TBいただきました。
吾輩は、ちょっとしんどかったです(>_<)。
牛の群れなど、前半は確かに面白かったのですが…。
あとはただひたすら、長~い!と感じました。
好き嫌いがハッキリしちゃうようですね。
>ひらりんさま (sakurai)
2009-03-04 08:56:16
そそそ、大味のよさ。
大味でその魅力が十分伝わる映画でした。
ニコールもはじけてましたね。彼女のいい部分が、たっぷり出てました。
大味でも大満足 (ひらりん)
2009-03-04 01:29:29
あんな大自然を、ちまちま撮ってたらキリがないし、
きっと監督、自然や物語より、ニコちゃんを撮りたかったんじゃないかと思います・・・なーーんて。
それくらい、彼女の喜怒哀楽な演技を盛り込んでたんじゃないかなーーー・・・
と、自己満足してるひらりんです。
>umeちゃん (sakurai)
2009-03-03 08:17:06
あはは。
カッコ良かったでしょ。
素敵なんですよ。一度、ブロードウェイに行って、舞台を見てみたいんですがねぇ。
ちょっと長いんで、時間の余裕のあるときに、どうぞ!
大スクリーンで見るべき映画です。
Unknown (ume)
2009-03-02 21:15:07
いいともに出たヒュー・ジャックマンをみて
お!sakurai姐さんのヒュー様だわ。と(笑)
いやぁ~凄いっ!!タダモンじゃないわっ!!
と、思った次第です。見てました?
ニコール・キッドマンも出てることだし
がんばって映画館行って観たいと思います。
>miyuさま (sakurai)
2009-03-02 20:10:29
ナラ君は、よかったですねぇ。
まっすぐな瞳にぐぐっとキマした。
二コールのコメディエンヌぶりにも楽しませてもらいましたが、映画の表わす歴史の重さも感じつつ、じっくり見ました。
やっぱ、下っぱらに響いた牛の怒涛の疾走が凄かった!!
あたしは (miyu)
2009-03-02 15:57:39
ヒュー様のこの映画のために鍛え上げた肉体美&
軽やかな乗馬シーンだけでも充分満足致しました。
それに加え、あのナラ君の瞳の美しさ、
ニコールの青白さwww
「マンゴー」と「オーバー・ザ・レインボウ」と
鼻歌交じりで帰りました♪

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