時は元禄十四(1701)年。江戸の中期は、将軍五代綱吉の時代である。信州松本藩士、青木宗左衛門は父の仇を追って、花のお江戸に来ていた。『チャーリーとチョコレート工場』を彷彿させるようなボロ長屋に住んで、貧乏を絵に描いたような長屋の連中と日々を暮らしていた。
是枝監督は、ホボあたしとおんなじ年。小さい頃は時代劇全盛で、毎日のようにさまざまな時代劇が放映されていた。好き嫌いにかかわらず、とにかく時代劇だった。素浪人シリーズに金さん、大岡越前、木枯らし紋次郎、NHKの名作『天下御免』やら、『男は度胸』、『ふりむくな佐吉』に『赤ひげ』等々。ちょっと時代が進むと今度は『必殺シリーズ』がはじまる。とにかく見た。そして好きだった時代劇。あたしが歴史の勉強をしたいと思ったのは、もしかしたら時代劇をひたすら見ていたのが理由と言っても過言ではないかもしれない。
今は、どのチャンネル回してもほとんど時代劇はない。せいぜいNHKにすこーしあるだけで、民放はほとんど手をつけていないのでは。なんでかは分からないが、あたしらにとっては普通に見ていた江戸の風景、街並、ちょんまげ・・・これらはもしかしたら本当に滅多に見れない、珍しいものになってきつつあるのかもしれない。赤穂浪士の討ち入りなんて、腐るほど見てきたが、もしかしたらものすごく新鮮なものなのかもしれない。
山田洋次監督が藤沢周平原作で、時代劇を撮るとはじめて聞いたとき、ほとんどの人が「え!」と思った。意外。出来た映画はなかなかの秀作だったが、監督は「ちゃんばらを撮りたかった。男として監督してきて、やはりチャンバラを撮るのが夢だった」と言った。もしかして是枝監督もそうだったのかな・・と思ったのだが、映画を見る限りは、監督の撮りたかったのはチャンバラではなく、とにかく江戸。江戸を撮りたかったのではと感じた。
仇討ちが公然と認められていた変な時代だ。犬が人間よりえらくて、縮小再生産が行われていたどよよーーんと停滞していた時代。何も生み出さない二本ざしがもののふの生き方を貫き、何となくぬるま湯に浸かった様な白濁した時代。
剣が苦手な武士がいてもいい。仇討ちの相手が本当はいい奴。うんうんあるある。隣の呼吸の音まで聞こえるような汚い長屋なんて、きっと今時の人が見たら、ものすごく新鮮なのでは。江戸時代、下肥は最高の肥料として珍重されていた。江戸の街並の長屋のような下肥の山は、農家にとってものすごく大事なもの。盆暮れには必ず付け届けをしたもんである。江戸時代は究極のリサイクル社会。狭い島国の中で、限られた資源をとことんまで使いまわす縮小再生産の社会だったのだ。勿体無い精神をとことん体現していた世界なのだ。
監督が、できうるかぎり江戸時代をつくりあげたいという気持ちがよく見えた。小学生が工作の時間に一所懸命、なんかを作りあげたいと言う気持ちに通じるものがある。ところどころにユーモアとペーソスをちりばめ、江戸を作った。仇討ちはその一つのエピソードに過ぎないように見えた。
是枝監督の新境地というよりもこういう映画も作りたかったんだよ、というようにあたしには見えた。チャンバラが少なかったのが少々不満だけど、こういう時代劇があたしはいっぱい見たい。
そして多分役者を思う存分使いたかったのだろうと。コンだけ贅沢な役者を使う事が出来たのも、今までの成果。あまりに役者の個性が強すぎて、役者を見せる映画になってしまったが、充分金払った甲斐がある。あたしの目当ては、はなっから岡田君だったのですが、これまた加瀬亮君光ってました。うーーん、いいです。
是枝監督は、ホボあたしとおんなじ年。小さい頃は時代劇全盛で、毎日のようにさまざまな時代劇が放映されていた。好き嫌いにかかわらず、とにかく時代劇だった。素浪人シリーズに金さん、大岡越前、木枯らし紋次郎、NHKの名作『天下御免』やら、『男は度胸』、『ふりむくな佐吉』に『赤ひげ』等々。ちょっと時代が進むと今度は『必殺シリーズ』がはじまる。とにかく見た。そして好きだった時代劇。あたしが歴史の勉強をしたいと思ったのは、もしかしたら時代劇をひたすら見ていたのが理由と言っても過言ではないかもしれない。
今は、どのチャンネル回してもほとんど時代劇はない。せいぜいNHKにすこーしあるだけで、民放はほとんど手をつけていないのでは。なんでかは分からないが、あたしらにとっては普通に見ていた江戸の風景、街並、ちょんまげ・・・これらはもしかしたら本当に滅多に見れない、珍しいものになってきつつあるのかもしれない。赤穂浪士の討ち入りなんて、腐るほど見てきたが、もしかしたらものすごく新鮮なものなのかもしれない。
山田洋次監督が藤沢周平原作で、時代劇を撮るとはじめて聞いたとき、ほとんどの人が「え!」と思った。意外。出来た映画はなかなかの秀作だったが、監督は「ちゃんばらを撮りたかった。男として監督してきて、やはりチャンバラを撮るのが夢だった」と言った。もしかして是枝監督もそうだったのかな・・と思ったのだが、映画を見る限りは、監督の撮りたかったのはチャンバラではなく、とにかく江戸。江戸を撮りたかったのではと感じた。
仇討ちが公然と認められていた変な時代だ。犬が人間よりえらくて、縮小再生産が行われていたどよよーーんと停滞していた時代。何も生み出さない二本ざしがもののふの生き方を貫き、何となくぬるま湯に浸かった様な白濁した時代。
剣が苦手な武士がいてもいい。仇討ちの相手が本当はいい奴。うんうんあるある。隣の呼吸の音まで聞こえるような汚い長屋なんて、きっと今時の人が見たら、ものすごく新鮮なのでは。江戸時代、下肥は最高の肥料として珍重されていた。江戸の街並の長屋のような下肥の山は、農家にとってものすごく大事なもの。盆暮れには必ず付け届けをしたもんである。江戸時代は究極のリサイクル社会。狭い島国の中で、限られた資源をとことんまで使いまわす縮小再生産の社会だったのだ。勿体無い精神をとことん体現していた世界なのだ。
監督が、できうるかぎり江戸時代をつくりあげたいという気持ちがよく見えた。小学生が工作の時間に一所懸命、なんかを作りあげたいと言う気持ちに通じるものがある。ところどころにユーモアとペーソスをちりばめ、江戸を作った。仇討ちはその一つのエピソードに過ぎないように見えた。
是枝監督の新境地というよりもこういう映画も作りたかったんだよ、というようにあたしには見えた。チャンバラが少なかったのが少々不満だけど、こういう時代劇があたしはいっぱい見たい。
そして多分役者を思う存分使いたかったのだろうと。コンだけ贅沢な役者を使う事が出来たのも、今までの成果。あまりに役者の個性が強すぎて、役者を見せる映画になってしまったが、充分金払った甲斐がある。あたしの目当ては、はなっから岡田君だったのですが、これまた加瀬亮君光ってました。うーーん、いいです。
必殺はまたどうしても作ってもらいたいですわ。
キム兄、いい味出してましたね。
映画では、『たそがれ清兵衛』以降
時代劇ブームですね。
私は、宮沢りえ目当てでしたが
キム兄が光ってました(笑)
私も岡田くん目当てだったのですが、満喫しました♪
加瀬亮くんは「オダジョー?」と思いながら見てました
復讐はすんな、っていうことかしら。なんか違うような気もしますが。
私は江戸時代特有のどよよーんとしたぬるま湯雰囲気がよく出ていて、アンニュイな感じがよかったです。
別な方のブログで見たのですが、この映画は9.11
に対する強いメッセージがこめられているそうです。
そうしてみてみるとひと味違った気がしますよね。
僕は見終わった後に知りました...(-_-;)
TVのインタビューでは監督何も言ってなかったのにな~。
総髪の髪型は決まってたのですが、月代そっちゃうと、あれ?ってな感じで、お城勤めはできない侍ですね。
加瀬亮くんの役もちょい悪というか、格好良かったですね。
予告編で「オダジョー」と見間違えましたが(~_~;)
それもやってますか?うちの高校生なんぞ「京本政樹って本当に『必殺!』に出てたの?」とマジに聞いてます。
沖雅也とか・・・・・あーーーーー見たい、見たい、見たい。
>しばっちゃん様
たまに目の保養に行きましょう。行くという意志が映画に行かせてくれます。是非。
個人はインターハイ行くみたいだよ。団体は負けたけど。
最近さっぱり映画観てないや・・・
仕事で行く暇もナイ(泣
ケーブルテレビに時代劇チャンネルができたために、
ちょっと目を離すといつもそのチャンネルになってます。
勧善懲悪のベタな1時間ドラマ。
好きな人は好きなんですよね~(笑)
是枝監督はこうした時代劇を嫌っていたようです。
もっと庶民的な時代劇。
少ないんですよね・・・