（５００）日のサマー

独特の雰囲気で、これまで見たことのないような映画っぽかったので、楽しみにしていた一本。

運命の愛を信じるトムと、愛におぼれることなく、愛なんだか友情なんだかよくわかんない付き合いを望むサマー。対照的な二人の500日の軌跡・・・なのだが、どちらも変なことはなく、どちらかというと結構、典型的な男性像と女性像に見えた。

本当はこんな仕事はしたくないと思っているカードのコピーライターのトム。才能はあるし、次々と名コピーは生み出すし、あってると思うのだが、本当にやりたいのは建築の仕事。

そのカード会社にやってきたのが、ズキュん！！通り過ぎる人を見事に振り替えさせる力を持つ女の子、サマー。くりっとした目で見つめられれば、そりゃ男の子はいちころでしょう・・・。と、男の子、女の子なんていってしまいましたが、双方30才くらいなんすね。子じゃ失礼か。

でも、つい男の子、女の子といってしまいたくなる雰囲気。一目見たときから、恋に落ちてしまったトムは、サマーと付き合う（？）ことに成功するが、どうも彼女はヨーわからん。夜をすごしたり、一緒に買い物したり、コピー部屋での逢引きやら、どう考えても恋人のそれなのだが、サマーにとってトムは運命の人ではなさそう・・・・。

なぜ？どして？おれにとってサマーは運命の人なのに・・・・・。

とまあ、結構ありがちな片一方が思い込みすぎてる、というちょっとアンバランスな物語でございます。よくあるんすよ。あたしの50年近い人生の中で、圧倒的に男性側が思い込む！というのを見てまいりましたが、イマす、ハイ。絶対彼女は運命の人で、おれにメタメタ・・・なはず。そっけない態度をとるのは、恥ずかしいから。ほんとのところはおれを好きなんだ！！と思ってるのですよ。

女の子がそういう態度をとっていたのかもしれませんが、大概は男の子の思い込みってやつですよね。

でも、このサマーの態度は、トム君がそう思い込んでしまってもおかしくはなかったですよね。でも、やっぱ違う。彼は運命の人ではないし、運命なんて信じない・・・・といってたサマーが、突然婚約、結婚？？！！そりゃ、トム君にとっては裏切られた・・・と思うのも無理はないですが、そういうもんなんすよね。

通して見りゃ、トム君の成長物語だということで決着。艱難辛苦を乗り越え、自分のやりたいことを貫く勇気を手にした！そして、自分は自分に正直に生きることを自分にわからせた、ということでしょうか。なんか、コピーの仕事が半端なように扱われてて、少々そこは気になったのですが、二人の感じはとってもよかったです。

ジョセフ君は、若いときのエドワード・ノートンを髣髴させてくれましたです。

◎◎◎○

「（５００）日のサマー」

監督　マーク・ウェブ
出演　ジョセフ・ゴードン＝レヴィット　ズーイー・デシャネル　ジェフリー・エアンド　クロエ・グレース・モレッツ　マシュー・グレイ・ガブラー　クラーク・グレッグ　レイチェル・ボストン　ミンカ・ケリー