狂っちゃいないぜ

航空管制官という、あんまり表舞台にはでない仕事をしている人たちの話である。でもこれは、自身満々でまわりと自分がよく見えていなかった主人公が、挫折と自我の回復によっておのれを取り戻していくというような哲学的な要素を感じることができる、などど、しちめんどくさいことを言ってしまったが、全篇にあふれるユーモアと管制官という仕事がいかにストレスフルなものかというのが見どころか。
しばらく前にどこまで太るんだろうとちょっと心配していた、ジョン・キューザックがスマートになって、聖徳太子ばりの頭のよさを演じている。早口でしゃべらないといけない管制官のような仕事は,なんて英語が似合うのかと思ってしまう。

かっこ良すぎるのが、ビリー・ボブ・ソーントン。頭の切れから、クールさから、度胸のよさ、美人の妻から、ちょっとかっこよすぎ。

ビリー・ボブ・ソーントンファン（いるかな？）はお見逃しなく。

ビリー・ボブ・ソーントン：スリング・ブレイドというすごい映画ではじめてこの役者を認識したのだが、くしゃおじさんみたいな顔は地顔だと思っていた。その後、『アルマゲドン』、『シンプル・プラン』、『パーフェクト・カップル』などで、いかんなくその才能を発揮。アメリカ人から聞いたのだが、ビリー、ボブという名前はアメリカではダサいの象徴のような名前なのだそうである。本名か否かは不明だが、あえてこういう名前にするとは只者でない。

『狂っちゃいないぜ』