ある中年の冴えない男の独白。「私は人を殺した・・。」
どんなクライム・サスペンスが始まるのかと思いきや、街角の劇場の、波乱万丈の道のりだった。
世界中が不況にあえいでいたころ、ここパリも例外ではない。借金を抱えたシャンソニア劇場は、赤字を逆転することはできず、街のドンの手に渡る。
ここで長いこと働いてきた裏方のピゴワル。失業してしまった彼は妻にも裏切られ、失意の日々を送る。でも、孝行息子のジョジョとつつましく暮らしていけるのがわずかな幸せ。
ジョジョはラジオの前から離れないマックスのところでアコーディオンを習い、得意な腕で小銭を稼いでいた。でも、それも見つかり、父と息子は離ればなれに。ピゴワルには子供を養育する力がないとされてしまったのだ。
どうしたら、息子とまた暮らしていけるのか?自分にできるのは、シャンソニア劇場で、舞台を作って行くことだけ。また出来る。絶対に出来る。そう決意したピゴワルは、劇場を取り戻そうと奮闘を始める。
昔からの仲間となんとか再建を図るが、うまいこと行かない・・・。そこに一人の女神が舞い降りた。見事な歌を披露するドゥース。はたして、劇場の再建は成功するのか。ピゴワルは息子と暮らすことができるのか?そして、冒頭の殺人事件とは・・・。
時代は、不況の嵐が吹き荒れた30年代で、何をやってもうまくいかない・・。仕事もない、誰しも落ち込んで、未来に希望が持てないとき。でも、そんな中でも人々に力を与えるのはエンターテイメント!
歌に踊りに、舞台に、それを作り上げようとする人々の純粋な思い。これぞ舞台人。そのめげない精神がいい。
簡単に再建はできないし、最初は酷過ぎる舞台に頭を抱える。この辺はシビアなパリっ子を簡単に満足はさせられない。すべるコメディアンのギャグは、まじめにつまんなくて面白かったぁ。
そして、少しずつ舞台がよくなって、じわじわ出来ていく。その陰にちらつくやくざの力。美人のヒロインに、それをとりまく男性陣の個性が光る。底抜けの明るさに、どうしても逃れられない悲劇が混ざりあって、得も言われぬ雰囲気が醸し出されるのだが、この空気はどっかで感じたなあ・・・。
なかなかぴんとこなかったのだが、映画の最後に幕がすとんと落ちたとこで、不覚にもわかった。「天井桟敷の人々」!!!だった。そうだ、あの空気だ。舞台裏に、誇りを持った役者たち。ヒロインを取り巻く胡散臭い男ども。
決して綺麗な町!とは言い難かったパリのちょっと猥雑な様子もよーく出てた。この雰囲気と、うまい脚本と、歌のうまさに大満足。
あまねく受け入れられる映画かは好みがわかれそうだったが、もろにあたしのツボにぴったり。珠玉の作品となった。
◎◎◎◎○
「幸せはシャンソニア劇場から」
監督・脚本 クリストフ・バラティエ
出演 ジェラール・ジュニョ カド・メラッド クロヴィス・コルニアック ノラ・アルネゼデール ピエール・リシャール ベルナール=ピエール・ドナデュー マクサンス・ペラン
どんなクライム・サスペンスが始まるのかと思いきや、街角の劇場の、波乱万丈の道のりだった。
世界中が不況にあえいでいたころ、ここパリも例外ではない。借金を抱えたシャンソニア劇場は、赤字を逆転することはできず、街のドンの手に渡る。
ここで長いこと働いてきた裏方のピゴワル。失業してしまった彼は妻にも裏切られ、失意の日々を送る。でも、孝行息子のジョジョとつつましく暮らしていけるのがわずかな幸せ。
ジョジョはラジオの前から離れないマックスのところでアコーディオンを習い、得意な腕で小銭を稼いでいた。でも、それも見つかり、父と息子は離ればなれに。ピゴワルには子供を養育する力がないとされてしまったのだ。
どうしたら、息子とまた暮らしていけるのか?自分にできるのは、シャンソニア劇場で、舞台を作って行くことだけ。また出来る。絶対に出来る。そう決意したピゴワルは、劇場を取り戻そうと奮闘を始める。
昔からの仲間となんとか再建を図るが、うまいこと行かない・・・。そこに一人の女神が舞い降りた。見事な歌を披露するドゥース。はたして、劇場の再建は成功するのか。ピゴワルは息子と暮らすことができるのか?そして、冒頭の殺人事件とは・・・。
時代は、不況の嵐が吹き荒れた30年代で、何をやってもうまくいかない・・。仕事もない、誰しも落ち込んで、未来に希望が持てないとき。でも、そんな中でも人々に力を与えるのはエンターテイメント!
歌に踊りに、舞台に、それを作り上げようとする人々の純粋な思い。これぞ舞台人。そのめげない精神がいい。
簡単に再建はできないし、最初は酷過ぎる舞台に頭を抱える。この辺はシビアなパリっ子を簡単に満足はさせられない。すべるコメディアンのギャグは、まじめにつまんなくて面白かったぁ。
そして、少しずつ舞台がよくなって、じわじわ出来ていく。その陰にちらつくやくざの力。美人のヒロインに、それをとりまく男性陣の個性が光る。底抜けの明るさに、どうしても逃れられない悲劇が混ざりあって、得も言われぬ雰囲気が醸し出されるのだが、この空気はどっかで感じたなあ・・・。
なかなかぴんとこなかったのだが、映画の最後に幕がすとんと落ちたとこで、不覚にもわかった。「天井桟敷の人々」!!!だった。そうだ、あの空気だ。舞台裏に、誇りを持った役者たち。ヒロインを取り巻く胡散臭い男ども。
決して綺麗な町!とは言い難かったパリのちょっと猥雑な様子もよーく出てた。この雰囲気と、うまい脚本と、歌のうまさに大満足。
あまねく受け入れられる映画かは好みがわかれそうだったが、もろにあたしのツボにぴったり。珠玉の作品となった。
◎◎◎◎○
「幸せはシャンソニア劇場から」
監督・脚本 クリストフ・バラティエ
出演 ジェラール・ジュニョ カド・メラッド クロヴィス・コルニアック ノラ・アルネゼデール ピエール・リシャール ベルナール=ピエール・ドナデュー マクサンス・ペラン
「幸せはシャンソニア劇場から」 ジャーン!
映画の楽しさが一杯つまった作品でした。
「パリー♪ 」震えましたよ。
ノラ・アルネゼデールの笑顔と彼女の舞台衣装が鮮やかでした。彼女の次作ぜひ見たいです。
ジェラール・ジュニョ、実はボクと同級生なんです。いえ、机を並べて勉強したわけではないんですけどね。いいオジさんでしょう。彼の次作も是非見たいものです。
もろにフランスの劇場の雰囲気ですよ。
階段状になってて、天井桟敷なんかもあったら、最高なんですがね。
すべてがよかったです。
舞台も、少年の話も、ミュージカルも、滑り加減も!!
こういうフランス映画を見ると、ほんとに幸せになりますわ。
これ見逃してたら、禍根を残しましたね。
ノラちゃんも、ゴージャスで、これからも楽しみですね。
ジェラール・ジュニョと同級生って、どんなん?
「コーラス」もとっても良かったですが、芸達者な人ですね。人格がにじみ出てる人だなあと思います。
パリ~♪パリ~♪また記憶が
甦ってきましたよ。もう一度観たいですね。
歌と言い、踊りと言い、脚本と言い、どれもみな、さすがの作品でした。
登場人物はみんな良かったですが、僕はあのひきこもりラジオ男と物真似男が大好きでした。
こういう作品をつくりながら、このスタッフは
「Oceans」なんかを制作しているんですから、感心しますね。
ああいうのをさらっとやっちゃうのが、フランス映画のまたいいところですよね。
ジャック・ペランは、ほんとに映画が好きなんだなあと思います。