![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/f9/1cf76eb054e20d8ded3d52e34f428295.jpg)
92年版のイーストウッドの「許されざる者」は、そん時に一度見たきり。30そこそこで見た。枯れたガンマンと言うか、イーストウッドにもそれほどの思い入れもなく、さらっと見た感しかない。イーストウッドよりも、悪代官(?)のジーン・ハックマンと、相棒のモーガン・フリーマンの味わい深い佇まいが印象的だった。
その存在も忘れかけてた頃、李相日監督が、もう一回作ってしまう!!と。リメイクなんて言葉は似あいません。人間くさーーい一品となりました。
戊辰戦争の混乱から、最果ての地に逃れてきた剣豪。。寒風吹きすさぶ北の大地が似合っております。そこで出会った原住民の女性と所帯を持ち、つつましく、人目を避けるように暮らしてきた十兵衛。しかし、大地は作物を与えてはくれず、妻ももうこの世にはいない。せっぱつまった暮らしを送っているところに、賞金稼ぎの話が舞い込んできたのでした。
娼婦の顔を切り刻んだ男の風上にも置けない男。でも、軽い処分で済んだ・・らしいという話。怒った女たちが、その男たちの首に賞金を懸けたというもの。昔の仲間の金吾が誘いに来たが、もう刀は抜かないと誓っていた十兵衛。しかし、背に腹は代えられない。生活は極限まで困窮していた。意を決して刀を取り出す。
男たちのいる街を牛耳っているのは大石という役人だが、悪代官という言葉が見事にピッタリ。力で完全に町の人間を威圧し、自分が裁いた男の首を狙って賞金稼ぎなんぞ、許すはずがない。
賞金目当てに、名うての男たちが町にやっては来るものの、大石に返り討ちにあってしまう。こんなことでは、仇を討ってくれるくれる人も来なくなってしまう。泣き寝入りか・・・。
と思っていたところにやってきたのが、あまりにもみすぼらしい男たち、と言うかくたびれたおっさん。。+アイヌと和人の間に生まれた調子のいい五郎と言う青年。
ターゲットを討つのはそれほど難しいことではない。大変なのは大石だ。大石のルールブックで動いてる町で、彼に背いて睨まれることが難しい。十兵衛は何を切り裂くのか。。。。
と言うことで、とにかく濃い。濃ゆさ10倍。西部劇の砂嵐舞い上がるどこか乾いた枯れた感じもいいけれど、こっちの粘っこさと言うか、濃さはかなりなもん。佐藤浩市の大石に、十兵衛の謙さんも威圧するくらいに濃い。まだ十分にギラギラしてたなあ。それが悪いんじゃなく、持ち味十分で、時代背景に、設定もやけにしっくり来た。
リメイクと言うより、新たに作った重層版・・と言った感じだろうか。
基本の物語りは変わらず、かなり忠実だ。そうなると、いろいろと齟齬が生じるはずなのが、なぜかこっちの方がしっくりくるのが不思議だ。そういやイーストウッド版を見たときに、どこか西部劇という設定自体に違和感があるなあと思ったような気が・・・。いや、見てから20年も経ってるんで、定かではありません。
佐藤浩市さんと謙さんは一歳しか違わない同年代の人。でも、全然違う。何か違う世界の二人と言う感じがしていた。同じ世界で生きてるはずなのに、なぜか接点を見いだせないみたいな・・。その違和感が優れたグラデーションを生み出してたような気がした。
秀逸だったのは、柄本さん。彼の存在なくして、この映画は成立しない。
討たれる側の小沢さん。似顔絵見た時、こりゃ柳楽だべ!と。似てるぞ、二人。
女性陣は好演。小池栄子は突き抜けてます。
◎◎◎◎
「許されざる者」
監督 李相日
出演 渡辺謙 柄本明 柳楽優弥 忽那汐里 小池栄子 近藤芳正 國村隼 滝藤賢一 小澤征悦 三浦貴大 佐藤浩市
その存在も忘れかけてた頃、李相日監督が、もう一回作ってしまう!!と。リメイクなんて言葉は似あいません。人間くさーーい一品となりました。
戊辰戦争の混乱から、最果ての地に逃れてきた剣豪。。寒風吹きすさぶ北の大地が似合っております。そこで出会った原住民の女性と所帯を持ち、つつましく、人目を避けるように暮らしてきた十兵衛。しかし、大地は作物を与えてはくれず、妻ももうこの世にはいない。せっぱつまった暮らしを送っているところに、賞金稼ぎの話が舞い込んできたのでした。
娼婦の顔を切り刻んだ男の風上にも置けない男。でも、軽い処分で済んだ・・らしいという話。怒った女たちが、その男たちの首に賞金を懸けたというもの。昔の仲間の金吾が誘いに来たが、もう刀は抜かないと誓っていた十兵衛。しかし、背に腹は代えられない。生活は極限まで困窮していた。意を決して刀を取り出す。
男たちのいる街を牛耳っているのは大石という役人だが、悪代官という言葉が見事にピッタリ。力で完全に町の人間を威圧し、自分が裁いた男の首を狙って賞金稼ぎなんぞ、許すはずがない。
賞金目当てに、名うての男たちが町にやっては来るものの、大石に返り討ちにあってしまう。こんなことでは、仇を討ってくれるくれる人も来なくなってしまう。泣き寝入りか・・・。
と思っていたところにやってきたのが、あまりにもみすぼらしい男たち、と言うかくたびれたおっさん。。+アイヌと和人の間に生まれた調子のいい五郎と言う青年。
ターゲットを討つのはそれほど難しいことではない。大変なのは大石だ。大石のルールブックで動いてる町で、彼に背いて睨まれることが難しい。十兵衛は何を切り裂くのか。。。。
と言うことで、とにかく濃い。濃ゆさ10倍。西部劇の砂嵐舞い上がるどこか乾いた枯れた感じもいいけれど、こっちの粘っこさと言うか、濃さはかなりなもん。佐藤浩市の大石に、十兵衛の謙さんも威圧するくらいに濃い。まだ十分にギラギラしてたなあ。それが悪いんじゃなく、持ち味十分で、時代背景に、設定もやけにしっくり来た。
リメイクと言うより、新たに作った重層版・・と言った感じだろうか。
基本の物語りは変わらず、かなり忠実だ。そうなると、いろいろと齟齬が生じるはずなのが、なぜかこっちの方がしっくりくるのが不思議だ。そういやイーストウッド版を見たときに、どこか西部劇という設定自体に違和感があるなあと思ったような気が・・・。いや、見てから20年も経ってるんで、定かではありません。
佐藤浩市さんと謙さんは一歳しか違わない同年代の人。でも、全然違う。何か違う世界の二人と言う感じがしていた。同じ世界で生きてるはずなのに、なぜか接点を見いだせないみたいな・・。その違和感が優れたグラデーションを生み出してたような気がした。
秀逸だったのは、柄本さん。彼の存在なくして、この映画は成立しない。
討たれる側の小沢さん。似顔絵見た時、こりゃ柳楽だべ!と。似てるぞ、二人。
女性陣は好演。小池栄子は突き抜けてます。
◎◎◎◎
「許されざる者」
監督 李相日
出演 渡辺謙 柄本明 柳楽優弥 忽那汐里 小池栄子 近藤芳正 國村隼 滝藤賢一 小澤征悦 三浦貴大 佐藤浩市
あります。西部劇を現代に復活させる使命が
オレにはあるので、これ以上はつっこまないと。
でも李相日は、その捨てた部分にこそ自分が
語りたいことがあるとふんだんでしょう。
明治のお話として、これは傑作だと思いました。
もう西部劇なんて、古い、誰も扱わない・・って時に、やらねば!!みたいな力が入りすぎた感じがあった。
ちょっと引いて、客観的に撮ったのが、正解でしたね。時代も背景も見事にはまってました。
小池栄子は本当にいい顔なんですよね。
どの映画でも、凄く変わった事をやってる風には見えないのに目を引かれてしまう。そういう持って生まれたものも立派な才能だと思う。
あの瞬きしない目の力がすごい。。。