迷宮映画館

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屋根裏部屋のマリアたち

2012年11月15日 | や行 映画
舞台は1962年のパリ。戦争の影も消え、経済は右肩あがりの頃でしょうか。なんとなく、はなやいだ感じがします。株の仲買人をしているジャン=ルイは、資産家であります。パリの住民は、アパルトメント暮らし。それでも豪華な部屋に住むお金持ちもいれば、同じ建物のの屋根裏-エルミタージュ・・・・ここだけちゃんと聞こえました!-に住んでいるのがスペインから出稼ぎに来てい女性たちだっあたのです。

お隣のスペインなのに、あちらは内戦のために国を出ざるを得ない。ひどい格差の中で、彼女たちはどこまでも明るく、前向きで、信心深く、そして働き者!最高のメイドであります。

ジャン=ルイのところで働くことになったマリア!名の通り、慈悲深く、美しく、働き者で、完璧なゆで卵を作れる女性。いままでメイドの生活がどんなものなのか、暖房もないところで、狭い一部屋。トイレは詰まったままで、シャワーもない。それでも苦とも思わず、仲間を思い、故郷に残してきた家族を思う彼女たち。

ジャン=ルイの気持ちがマリアに向いて行くのも道理でしょう。奥さんは相変わらずの慇懃なまま。夫がスペイン女性たちに理解を示すことがわかるのが悔しいのですよ。

結局、マリアは故郷に残してきた息子の行方を知って、帰ることになるのですが、彼女が残して行った優しさと開放感(?)みたいなもんがものすごく爽やかに去っていくのです。

何か派手な事件が起きるわけでもないし、お金持ちの家の暮らしと、貧乏なエルミタージュの暮らしの違いと、スペイン女性たちの素敵なものの考え方がとっても心地いいのです。良いです。本当に良いです。本当に素敵な映画でした。こういう映画と出会えるから、映画はやめられません。

ジャン=ルイのファブリス・ルキーニさん。もてる役と言うより、ふられるちょっと哀しい役っての印象が強かったのですが、このファブリスさんは素敵でした。マリア役のナタリア・ベルベケさん、スペイン女性ならではの美しさ!ペネロペ風のはっきりとした美しさでした。

◎◎◎◎○

「屋根裏部屋のマリアたち」

監督 フィリップ・ル・ゲイ
出演 ファブリス・ルキーニ サンドリーヌ・キベルラン ナタリア・ベルベケ カルメン・マウラ ロラ・ドゥエニャス


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2 コメント

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マリア―! (KON)
2012-11-16 13:56:26
追いかけたくなる女性でしたね。
すべてを包んでくれるようなおおらかさ。
ラテンの良さを体現しているような、アイロンかけたシャツのようなパリッとした美しさでした。
他の出てくる人もみんないい。ねちっとした悪者がいない。
みんなで歌いながら家事をするシーンでなぜか泣きたくなりました。
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>KONさま (sakurai)
2012-11-16 23:00:57
ははは!男だったら、追っかけてる。
素敵な女性でした。
そして、そのこと分かってる妻が結構あたし的には来ました。
彼女たちのようになりたくてもなれない。
自分は自分なりに生きるしかない。。。夫がどこか羨ましい・・・みたいな感じ?
掃除のシーン、よかったです。ジンとはこなかったけど、グイときた。
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