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「そうだったのか!朝鮮半島」/池上彰さん

2015-10-12 | 読んだ本
今日は朝目覚めたのがまだ真っ暗闇。そこで借りてきた本を読むことにする。
タイトルは「そうだったのか!朝鮮半島」池上彰さんの本である。

予約して届いてまず本のサイズが大き過ぎる。その割りに字が小さく(これはたぶん、読み終わらないうちに返す事になりそう・・)と思ったが、目覚めたのが早すぎて(夜中だったのかも)読み終えてしまった。

この本は日本が第2次世界大戦で負けてからの韓国・北朝鮮の歴史が綴られている。これだけのボリュームの物を短い文章でまとめるのは難しい事を最初に断わりながら要約すると、事の発端は日本が負けてからの朝鮮半島がアメリカとソ連により、南と北に分けられてしまうという悲運から始まる。

ソ連もアメリカも、自分の言う事をききそうな朝鮮人を連れてきてトップに立てる。北朝鮮では有名な金日成(キムイルソン)さんである。この人は自分がソ連から引き立てられてその座に収まったとは認めず、自分の軍隊が日本をやっつけたことにしてしまう。そうなると韓国の方も黙ってはいられない。実は韓国の方のトップの李承晩(イスンマン)さんもアメリカから擁立された人であったのだが、それを認めてしまうと「それじゃちゃんと日本軍をやっつけた北朝鮮の金日成さんが正当な継承者ではないか」と言われてしまう恐れがあったので、こちらもまた自分達の軍隊が日本軍をやっつけたことにしてしまうのである。(この李承晩さんが竹島を自分の領土だと言い張ったり、韓国を戦勝国にしてくれとアメリカに言うのだが、両方とも当時は却下されたそうである。)

この李承晩さんは反日で暴君っぽい人だったのだが、やがて大統領が変わる、クーデターの時期を得てやっと次に落ち着いたのが朴正熙(パクチョンヒ)さんである。この人は今の大統領の朴槿恵(パククネ)さんのお父さんである。この時代に日韓基本条約が結ばれる。
この条約では韓国側は戦勝国のつもりだから「賠償しろ」と言うが、日本からしたら戦ってない韓国(当時は日本の領土の一部)に賠償するのはおかしな話。そこで賠償ではなく「経済協力」と言う名目でお金を払い、その代わりに今後もう賠償は請求しないこと、と言う条件をつけたのである。その資金援助で韓国は経済発展して、中国やソ連などともこのあと基本条約を結ぶ事になっていく。
ちなみに日本では「経済協力」と日本語で訳されているが、韓国では「賠償」と韓国語で認識しているそうである。

それが面白くないのが北朝鮮である。何故なら朝鮮戦争(北朝鮮と韓国との戦争)の時に自分の味方になってくれた中国やソ連が次々に韓国と条約を結んでいく。その一方で自分の国は経済的にうまく行かず雲泥の差がついてしまっているからである。そこから北朝鮮は核や武器を従え孤立していくようになる。(ちなみに朝鮮戦争ではアメリカが入ってくるまでは北朝鮮の方が優位であと1歩近くまで行ったようである。)

話は韓国に戻すが、こう考えると韓国が未だに戦後の賠償を求めるのはおかしな話になるのだが、日本を戦争で自分達がやっつけた認識になっているので、その前の統治時代(奴隷扱いではないと言うのが日本の認識)も目の敵状態となり、ましてや今の時代に居る人は統治時代を知らず反日教育で育ってきている人なので、賠償が終わったという認識もなく、恨みが増す一方で、支持率を上げるためにも大統領は反日の態度を崩せないようである。

今の朴槿恵さんのお父さんは側近に飲んでいる席で暗殺されるのである。まさに韓国版「本能寺の変」みたいなクーデターである。その側近も明智光秀同様、すぐにやられてしまうのであるが。。。このお父さんの朴正熙さんはその前にも暗殺されそうになり、その時は弾丸をかすめて、奥さん(朴槿恵さんのお母さん)に命中して亡くなってしまうのだ。

そんな風に両親を殺され、たった一人で国を背負っているかと思うと、読みながら涙が出てしまった。
この人の頑なな態度は、両親も失い、政権ではいつ足を引っ掛けられるか分からず、本当に心から許せる人が誰もいないだろうと想像したら涙が出てしまった。
卒業式でも泣いたことが無いし、うれし涙を流したこともない。
災害も病気も経験がないせいか、気の毒だなぁと思っても涙が出ない私なのに、なぜか朴槿恵さんのページでは涙のツボに入ってしまった。(それはこの本の意図する所ではもちろん無い)

最後にこのように書いてある。

「日韓関係の改善に関しては日本側にもできることがあるはずです。たとえば、ヘイトスピーチ。韓国や朝鮮人に対する誹謗中傷を繰り返したところで何かが変わるわけではありません。日本国内のヘイトスピーチは、韓国で報道され、それが韓国内での反日報道につながります。悪循環です。自国に誇りをもつのであれば、他国の人々の誇りもまた、尊重しなければなりません。
理不尽な言いがかりにはきちんと反論して主張する一方、相手に対する敬意は払うこと。ここから始めるしかないのではないでしょうか。」(原文通り)

本当にその通りだと思った。