「帰化人から見た靖国神社のすべて」
石平(せき・へい)さん。
(中国人の書いた本か・・・靖国の悪口が書いてあるのかな)と思ったが、手に取ったのはただ今の北朝鮮問題で、私が外交にまた興味を持っていたからである。(あんまりこの手の本を読むのはしんどいのだが、怖いもの見たさで読んでみた。)
「私は平成19年11月に日本に帰化した。」で始まるこの本は、日本人に生まれ変わった方の執筆であった。
靖国神社の歴史、その意味、そしていつから靖国問題が生まれたか、そしてその背景にあるもの、今後の日本のあり方について書かれた本である。またここでもギョッとしたのは帰化したとはいえ中国の人がここまで調べ上げ、本を執筆したことである。
靖国神社のあらましは戊辰戦争(幕府軍をやっつけて明治政府が生まれた時期の戦争)から。それまでの戦争は藩と藩の戦い、それで報酬が増えたり土地がもらえたりしたが、これは国内の戦いなので、そのような報酬はない。国のために戦って命を落とした人を国が国民が讃える追悼施設の位置づけである。
丁度この当時、欧米の植民地政策が盛んで、中国や東南アジアを植民地にした欧米の国らが日本を植民地にするべく、向かってきたのである。それをいち早く察した明治時代の政治家は(そんな事は許さないぞ)と思い、日本国民は一つとなり、欧米諸国と渡り合って、独立を貫いてきた経緯がその背景にある。
その基軸にあるのが大日本国憲法であり、武士道であったり、神道であったり、教育勅語である。
教育勅語も某事件により、恐ろしいもののようにメディアで伝えられているが、この本で紹介されているのを見ると、当たり前の道徳精神なのだ。
「教育勅語」とはこの本では以下のように述べられている。
1.親に孝養を尽くしましょう。
2.兄弟。姉妹は仲良くしましょう。
3.夫婦はいつも仲睦まじくしましょう。
4.友達は互いに信じ合ってつきあいましょう。
5.自分の言動をつつしみましょう。
6.広く全ての人に愛の手を差し伸べましょう。
7.勉学に励み職業を身につけましょう。
8.知識を養い才能を伸ばしましょう。
9.人格の向上につとめましょう。
10.広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう。
11.法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう。
12.正しい勇気を持って国のため真心を尽くしましょう。
この12の徳目こそが日本人の集大成ではないかと著者は語る。
(今まで教育勅語と言うと恐ろしいものだと言う印象だったが、読んでみると当たり前の道徳にも見えるが。。。)
そして最後の「国のため真心を尽くしましょう」これが欧米の植民地にならぬための戦いとつながっていく。その国のため、両親や妻子のために戦って命を落とした方々が英霊となり祭られているのが靖国神社。
その後戦争に負け、GHQにより憲法の書き換え、教育勅語の撤廃・・・etcが行われる。それはこのような強い一丸となって戦う日本国民の気合をアメリカが恐れたということのようだ。
その一方で、筆者は中国人なだけ、中国に関して詳しいことが書かれている。
2014年習近平国家主席は、オランダ・ドイツ・ベルギーを訪れた。石さんはこの訪問を「欧州への対抗意識と優越感」を感じたそうである。古くに虐められた欧州への恨みを忘れていないのだと。
当然、それは日本にも向けられる。
党指導部・軍部の戦略「第一列島線」「第二列島線」というものがあり、第一の方には沖縄が、第二の方には日本全部が含まれている。つまり、中国では近いうち沖縄を、いずれは日本を属国にするつもりでいるのだと書かれている。
そうなるとどうなるか。
中国に占領された後のチベット人やウィグル人のようになるであろうと書かれている。
「反日で燃えている中国人民の手に掛かってしまえば日本国民がどれほど惨い仕打ちを受けるかと思うと、想像するだけでゾッとする。」と書かれている。
(高須クリニックの高須先生が、盛んにチベット人のニュースをツイッターでアップしているのは、そういうことだったのか。)
石さんは「それを避けるためには、国防を考えること。あの明治時代の日本人精神を取り戻すことだ」と語るのだ。「武士道」「教育勅語」「愛国心」これを取り戻して国を守ることを考えようと言う。
文章も長くなるので、大幅省略して、最後に元駐タイ大使の岡崎久彦さんとの対談がある。
ここに靖国問題・教科書問題は、実は日本国内にいる反日の人が最初は取り上げたもので、それが中国・韓国のメディアとうまく連携して、中国韓国で広められているそうである。
慰安婦問題も元は日本国内の人の書いた本が元になり、当初その韓国の地元の人も「そんなことありませんでしたよ」と証言していたのものが、政治的に利用され、結局世界中に広められてしまったというような感じなのだそうだ。
靖国問題も、中曽根さんまでは当たり前に総理大臣も靖国参拝をしていたのが、中曽根さんが親しくしていた中国の政治家が親日で叩かれたのを慮って、訪問を控えたのを皮切りに、ガンガン言い出したそうだ。
それをきっぱり拒絶したのが、あの小泉総理。
「やるなら勝手にやれ!」とそれを無視し靖国参拝を貫いたら、中国側もウッとなり、その問題は消えつつあった・・・が。
マスコミが騒ぐ中、その後の総理大臣が参拝を控えた後(民主党政権もあったし)に、安倍総理が(第二次)靖国参拝したら、今度は中韓が大騒ぎして、世界中にプロパガンダを広めた・・・・という経緯があった・・・と書かれている。
(安倍総理は第一次の時に是が非でも参拝しておくんだったと悔やんでいるとのこと。)
まだまだ内容はあるが、これから出かけるのでここで終わりにしておく。
石さんによると、小泉総理のアメリカをバックに中国の挑戦に真っ向から戦ったことの評価、安倍総理の今の外交も評価している。
(あくまでもこの本にはそう書かれているということである。)
ただ私はこの本を読んで、やっぱり中国は恐ろしい国だなと思った。
アリスさんやモンゴルさんの言われたことは本当だったのかと思った。
これを思うと、やはり国防は考えて行かなければならないことだと思う。
この本にメディアも永田町も左が多いと書かれていたが、もしそれが本当だったら、不倫騒動やらで国会議員を止めさせたりする報道も、それと関係あるのだろうか。
今度の衆議院解散について、「加計・森友隠しか」と揶揄されていることに、ある自民党議員が「そんな小さいことを・・」と言ったら、また騒がれた。
でも、本当に中国が日本を属国や奴隷にしようとしているのが本当なら、やっぱりそれは小さなことに思えてしまう。
今の自分は正直、金や女のスキャンダルで有力な政治家を貶めるのがアホに思えてしまう。
あの伊藤博文さんだって、女の人なんていくらでもいたじゃないか。
石さん曰くの「ゾッとする」という事になるぐらいだったら、そんな「小さなこと」より国防をしっかり考える人の方がいいではないかと思ってしまう。もちろん、この気持が「正しい」かどうかは分からない。
あくまで、今時点の感想である。
今度靖国神社の「みたままつり」に行ってみようかな。
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