その青年はさっと蔀をあげた。
まぶしい朝日をあびてたつその姿は輝かしい。
再び下座へ下がった青年は、範頼に向かって丁寧にお辞儀をした。
「お初にお目にかかります。
私は、源九郎義経、幼名を牛若と申します。」
「そなたが、その・・・」
「はい」
どこまでもまっすぐな眼差しを向けてくる弟。
その瞳はさっき浴びたばかりの日差しよりまぶしかった。
基成に朝餉の膳に招かれ
範頼は改めて弟義経を紹介された。
父が死んだ時にはまだほんの赤子であったという弟。
一度もあったことのないこの末の弟を想像したことが何度かあったが
想像のなかの弟はつねに乳飲み子であった。
それがこのようなまぶしい青年に成長している。
朝餉がおわるころ穏やかな席に闖入者が現れた。
「父上!」と一人の幼い女の子が走りこんできて、
義経の方へ走り寄ってきたのである。
そして、手馴れた動作でその娘を義経は膝に載せた。
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まぶしい朝日をあびてたつその姿は輝かしい。
再び下座へ下がった青年は、範頼に向かって丁寧にお辞儀をした。
「お初にお目にかかります。
私は、源九郎義経、幼名を牛若と申します。」
「そなたが、その・・・」
「はい」
どこまでもまっすぐな眼差しを向けてくる弟。
その瞳はさっき浴びたばかりの日差しよりまぶしかった。
基成に朝餉の膳に招かれ
範頼は改めて弟義経を紹介された。
父が死んだ時にはまだほんの赤子であったという弟。
一度もあったことのないこの末の弟を想像したことが何度かあったが
想像のなかの弟はつねに乳飲み子であった。
それがこのようなまぶしい青年に成長している。
朝餉がおわるころ穏やかな席に闖入者が現れた。
「父上!」と一人の幼い女の子が走りこんできて、
義経の方へ走り寄ってきたのである。
そして、手馴れた動作でその娘を義経は膝に載せた。
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