やがて刻限が来て、能保と範頼は頼朝の御前に呼び出されることとなった。
頼朝はいつも座る上座ではなく、上座に対する最上位の場所に既に座っていた。
そのすぐ後ろに能保
能保の後ろに平賀義信、源広綱、そして範頼が座るように指示された。
一番前の頼朝は殆ど黒に見える濃い緋色の袍を身に着けている。
その後ろの能保はやや薄い緋色、さらに後ろの三人は黄色の袍である。
「除書ご到着」という声が流れた。
その声と共に頼朝以下全員頭を下げる。
除書を捧げた使者が頼朝の前に立つ。
「除目、
一、左馬頭藤能保を讃岐守に任ず、なお左馬頭と讃岐守は兼任となす。
一、源義信を従五位下に叙し武蔵守に任ず
一、源広綱を従五位下に叙し駿河守に任ず
一、源範頼を従五位下に叙し三河守に任ず。」
そういい終わると除書は閉じられ頼朝に手渡された。
頼朝は丁寧に礼を述べて除書を受け取った。
使者が去ると頼朝はいつもの自分の座に座った。
「方々、除書の通り任官が行なわれた。
ありがたき沙汰である。勤めを立派に果たされよ。」
「今回のご沙汰、鎌倉殿のお骨折りと聞き及びました。
ここに謹んで御礼申し上げます。また、懸命に役目を果たす所存でございます。」
と一同を代表して一条能保が言上する。
それに対して頼朝は大きくうなづいた。
次に平賀義信、源広綱、源範頼は五位の色である緋色の袍に着替えさせられて
その後簡単な祝宴が催された。
かくして、任官劇は順調に行なわれた。
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頼朝はいつも座る上座ではなく、上座に対する最上位の場所に既に座っていた。
そのすぐ後ろに能保
能保の後ろに平賀義信、源広綱、そして範頼が座るように指示された。
一番前の頼朝は殆ど黒に見える濃い緋色の袍を身に着けている。
その後ろの能保はやや薄い緋色、さらに後ろの三人は黄色の袍である。
「除書ご到着」という声が流れた。
その声と共に頼朝以下全員頭を下げる。
除書を捧げた使者が頼朝の前に立つ。
「除目、
一、左馬頭藤能保を讃岐守に任ず、なお左馬頭と讃岐守は兼任となす。
一、源義信を従五位下に叙し武蔵守に任ず
一、源広綱を従五位下に叙し駿河守に任ず
一、源範頼を従五位下に叙し三河守に任ず。」
そういい終わると除書は閉じられ頼朝に手渡された。
頼朝は丁寧に礼を述べて除書を受け取った。
使者が去ると頼朝はいつもの自分の座に座った。
「方々、除書の通り任官が行なわれた。
ありがたき沙汰である。勤めを立派に果たされよ。」
「今回のご沙汰、鎌倉殿のお骨折りと聞き及びました。
ここに謹んで御礼申し上げます。また、懸命に役目を果たす所存でございます。」
と一同を代表して一条能保が言上する。
それに対して頼朝は大きくうなづいた。
次に平賀義信、源広綱、源範頼は五位の色である緋色の袍に着替えさせられて
その後簡単な祝宴が催された。
かくして、任官劇は順調に行なわれた。
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