欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

悲しい時に流れてくる音色

2011-03-22 | poem



悲しい時に耳にするこの音色はどこからくるのでしょう?
もの悲しいトーンではあるけれど、心が落ち着いてくるのです。
現実と幻想がすうっと混ざりあって、明るいヒカリがさし込んでくるような・・。
聞いているうちに胸があたたかくなってくるのです。
どうしてなのかわかりません。音色がどこから聞こえてくるのかも・・。
それでも心がなにかを求めている、そんな時にはかならず聞こえてくるのです。
目をつぶるとさらに胸が熱くなってきます。
そして、ありがとうという気持ちの中で、心が素直に楽になっていくのです。

目を覆いたくなるような現実。乾いた情景を前に人はあまりに弱い存在だと思える時があります。
しかし、そんな心にきざすのはこの音色なのです。耳を澄ましていると聞こえてくるのです。
心なごむあたたかな旋律・・。
誰が弾いているのかわかりません。
長く耐え忍んでいる心がふっと軽くなり、一筋の涙とともによみがえってくるもの・・。
それは自分の中にある力でなのしょうか? 人と人との間に発せられるヒカリなのでしょうか?
それらを取り戻していけるのです。ふたたび見いだしていける音色なのでしょう。
わたしたちという存在はいったい何なのでしょう?

落ち着きをとり戻したわたしが、まだ硬くおびえた瞳にむけられるもの。
聞こえた愛の旋律を口伝えに知らせられるように・・。あなたにもこの音色が聞こえるはずですと、笑みを浮かべささやいてあげられる。
音色にこめられたあたたかな思いを心に・・。
見失いつつあるものをふたたび呼び戻してくれる。持っているものをふたたび気づかせてくれる。
誰が弾いているのかわからないけれど、心がなくなりそうになった時にかならず聞こえてくるもの。
その不思議な響きによって、人は人であることに思い出せるのだと思います。
なくしそうになった愛をふたたび胸の中に見いだすことができるのだと思います。