欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

赤い熱気球

2013-02-14 | une nouvelle
赤い風船が飛んでいってしまったよ。
悲しい顔で空を見上げる女の子。
だって、その風船は一番の友達にもらったものだからさ。
うれしさのあまり走り過ぎて手から離れてしまったんだよ。

とぼとぼしょげて歩く帰り道。
不思議なことが起こったのさ。
遠くおしゃれな塔の方から赤いバルーンがやってきてさ。
"お嬢さ~ん。お嬢さ~ん"って呼ぶんだよ。
見ると、あら不思議。トナカイがこっちにむかって手を振っているのさ。

トナカイの言うまま、バルーンにのって、いつもの街を見渡すとね。
多くの人たちがせかせかと動いてる。
こんな街に住んでるんだなぁってね。
でも、冬でもないのにどうしてトナカイなの?って。
すると・・。今のトナカイは寒くなくても大丈夫なんだって。

大切な風船探して、夕の空を旅してると。
トナカイはよく目が利くから、遠くにただよう風船を見つけ出してくれたのさ。
いつもの公園に降ろしてもらってさ。
ありがとう。これから君はどこ行くの?ってたずねると、
トナカイは笑顔で言うのさ。
困ってる子供たちのところへ行って助けてあげるのさって。

赤い風船もって、家に帰るいつもの道。
でもね、今日の気分は最高さ。木々や街灯まで小躍りしてるように見えるんだ。
だって、そうでしょ?
バルーンのトナカイが空を駆け巡る世界。
こんな世界は嫌いじゃないよ。
だって夢のバルーンがまたなにかの時に助けてくれるからね。