必然的なヒストリー

クソムシが歴史系映像の感想を書いたり、妄想キャスティングしています。このブログは純度の高い自己満足で構築されています。

第28話「江に泣いてます」~第44話「羅山がアレになりまして」

2011-11-20 23:49:44 | 歴史ファンタジードラマ「江」

本日、11/20に放映された第45話「欣也食堂」の感想はまたの機会に。

視聴率は戦国モノにしては苦戦しているようですし、あながち琉河の価値観も世間ズレしていないのだな、と感じた今年の大河ドラマ。

これといって印象に残るエピソードもなければ、目新しい説もなかったので特に語ることはありません。
が、琉河的にツボにはまったエピソードがあったので、列記しています。

①エグザイルの人、パフォーマーとは思えない情けない戦死!
②前田利家、魔界転生を遂げて大出俊になる!
③江、どこかのシーンで秀忠に「武士が嫌なら百姓になればいいじゃない」と問題発言!
④お福、正体は足子先生だった!
⑤千、家政婦のミタさんに依頼しなかったので、豊臣方が大敗北!
⑥林羅山、見た目通り簡単に懐柔される!

簡単に解説。
①はもう論外。普通にありえない展開。何で普通に病死にしてあげなかったんだ。かばって斬られるにしても場面が間抜けすぎて悲しむ気にもなれません。AKIRAファンの人は怒っていいレベル。

②は前田利家の役者を変えてまで、秀吉死後に登場させる意義が不明。しかも、転生を遂げた結果が大出俊。どうやっても荒唐無稽な展開になるのだから、せめてここは趣向を凝らして宇津井健をキャスティング出来なかったのか。
利家は信長存命時に一回だけモブキャラとして登場していました。なら、せめて最後までモブキャラとして残してやればいいのに。どうせ秀吉政権での利家の役割なんて一つも描かれてなかったのだから、脈絡もなく見せ場を作ってやる必要もない。すっ飛ばせば良かったのです。
歴史を全く知らない人が、秀吉死後に突然出てきた利家の出演シーンを見たら「お金を沢山持ってそうな、このおじいちゃんは誰?」ってな疑問を持つことになりかねません。しかも、次に登場した時は臨終シーン!なんて、シュールなギャグなんだ!!

③は関ヶ原の戦い直前での発言だったでしょうか?よく覚えていません。
百姓を舐めきった江の発言。さすがです。
畑にロールスロイスで乗り付けてきそうな娘は要りません。秀忠と江が百姓になっても村八分にされるだけだからやめとけ。

④は正直、ぶったまげた。
立ち位置としては江と対立するわけだから、多少なりとも“嫌な奴”になる予感はしていましたが、まさかここまで不気味な春日局になるとは思いもよりませんでした。動作一つ一つが人間っぽくない。
「憎き豊臣が滅んで・・・」なんて春日局に言わせるな。そんな簡単なキャラ設定でいいのかね。
ちなみに足子先生とは鈴木先生に登場するキャラで富田さんが演じていました。SMAP×SMAPの裏でドラマ化されていましたが、大変面白いドラマなので機会があれば原作漫画やドラマDVDでご鑑賞下さい。

⑤はここまで至るのに三田村さんが「渡る世間は鬼ばかりだった…」と呟いて大坂城から退場するシーンや、秀頼が意外に頼もしかったりと意外につまらなくなかった展開だったのですが、ここまで自由にやらかしたのだから、最後は人気ドラマに頼って、もっと滅茶苦茶にしても良かったと思います。
例えば芦田さんにあの歌を歌わせたり、突然BGMにいきものがかりの歌がかかったり、千姫が忽那さん繋がりでミタさんを呼んでも良かったんです。
特に忽那さんなんてリアルタイムじゃないですか。しかも父親を認めていないところまで一緒。
ゲストで芳春院役として松嶋さんをキャスティングするだけで事足りるのですよ。
芳春院が「承知しました」と言ってバットや包丁や赤いスプレーを持って家康本陣めがけて突進していく姿が見たかった・・・。幸村よりも強い味方です。
まあ、それでも家康横死までやらかすとさすがに色々な方面から苦情が出てくるでしょうから、最後に
「父さんは生き残ったぞ」(映画インシテミルより)
と北大路さんに言わせれば完璧です。
以上をもって、大河ドラマ至上で空前絶後の面白くもなんともない視聴者の怒り心頭ネタドラマの出来上がりです。ある意味、話題かっさらいですよ。

⑥については林羅山でなくても良かったでしょうに。なんだこれ。
ついでに言うと、林泰文さんは小早川秀秋役が似合うと思いました。そういえば、このドラマでは関ヶ原のキーパーソン小早川秀秋すら登場しませんでしたね。漫画版には秀秋も大谷吉継も登場したというのに。


とりあえず江の感想はここまでにしたいと思います。来年の平清盛はHPを見る限り、面白そうな感じです。


14 コメント

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此処までして (tomohiro)
2011-11-21 05:24:49
此処までして、
とんでもない企画を立てればたてるほど
大河ドラマが「日本の多くの時代劇企画の一つ」
に落ちていくのではと思ってしまいます。
不特定多数の人が好むをよく連発するのですが
其れによって、
大河の敵対者が増えているのでは
私が、戰國や幕末ばかりやるのに
反対なのは大河を存続させたいからです。
かえって枠を貶めて、今回のような事故が
起きたのではないでしょうか?
価値観の多様化時代だからこそ
老舗の看板を変わりながら守らなければ
いけないのでは。
だから朝ドラ大河と私は言うのです
「バカでも分かりやすい企画」の再考
今後は促して貰いたいです。
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27日最終回! (えびすこ)
2011-11-21 18:10:28
3か月ぶりの記事は後半の総評ですね。
「エピソード3」は家康に「将軍を継いでほしい」と言われた際の事です。視聴者の大半が疑問に思う小早川秀秋の不登場は、多分地震による回数削減の影響だと思います。関ヶ原のくだりが「キセル」だと思うので。

でもあんなにマスコミで、ボロクソに叩かれた(作者のプライバシーなど含む)のは前代未聞だと思います。番組が終わったら週刊誌内容の真意を巡り、裁判になると言うウワサまであります。
もしも、来年・再来年と似た現象が起きたら俳優の方が嫌気がさして降板するかも?
現状の打開策として、私が以前提唱した「私の履歴書のドラマ化=現代編大河ドラマ」に移行する日も近いかな?
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ふふふ・・・ (くう)
2011-11-21 19:44:28
パソコンの前で爆笑したじゃないですかww
家族に変な目で見られています・・・

いちいち同意です。
来週はもう最終回。どんな風に適当に締めくくってくれるのか、ある意味楽しみ♪
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家族展開、江が異常 (ポケット保持)
2011-11-21 22:54:01
琉河様、お久しぶりです。
長い間更新がないのでどうなすったのかと思いましたよ。

小早川秀秋が出て来なかった件、すっかり忘れてました、この作品第一万福丸が出て来なかった時点でもうね。

小生が思ったことですが、

・豊臣氏が滅亡したのはなにもかも淀殿のせい。
・後に家光と忠長の関係が悲劇的になるのはなにもかも春日局のせい。

みたいな演出になってると感じました。
ほか。
・林羅山、なぜ方廣寺の鐘銘事件のときに出て来なかったんだ?
・後藤又兵衛を出した意味が分からん。
・大河くん、太賀ドラマではろくな死に方しない役ばっかやな(汗)
・濱田学さん、2年連続だけどこんなことってありましたっけ?
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「不特定多数」の連発はだめですよね (琉河岬)
2011-11-23 00:55:18
tomohiroさん、こんばんは!

NHKの失敗は「江」を“不特定多数”をターゲットにしたこともあると思うんですよね。戦略ミスだと思います。
歴史の面白さを体感させる作りこそが不特定多数の支持に繋がるのだと、ドラマのスタッフ陣には感じて欲しかったです。
『篤姫』がウケたのは、主役と時代背景と主人公が置かれた立場が偶々、作風と合っただけだと思います。
もっと練ってほしかったです。
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田淵さんの履歴書 (琉河岬)
2011-11-23 01:26:54
えびすこさん、こんばんは!

>視聴者の大半が疑問に思う小早川秀秋の不登場は、多分地震による回数削減の影響だと思います。
あ、回数が削減されたのですか!それは知りませんでした。確かにあの週は放映していなかった覚えがあります。でも、よりによって関ヶ原を削るとは…。狙いがよくわかりません。(笑)

>でもあんなにマスコミで、ボロクソに叩かれた(作者のプライバシーなど含む)のは前代未聞だと思います。
大河ドラマ脚本家のスキャンダルというとジェームス三木さんが思い浮かびますが、まあ何と言うか…。
篤姫の時から田淵さんのおしゃべりな性格のおかげで変な噂(詳しい内容は分かりません)が立っていたように思えますが、事実だとしたら、あの時は誰かが助け舟を出して表に出ないようにしてたのでしょうね。
まさしく『金(視聴率含む)の切れ目が縁の切れ目』という言葉を文字通りに体現している方だと思います。
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笑いは健康に良いですよね! (琉河岬)
2011-11-23 01:35:19
くうさん、こんばんは!

楽しいで頂けて、大変うれしいです!
久々にレビュー(というか文句)を書いて良かったです。17回分をまとめて書くと結構ネタがたまっていることに気づきました。
お笑いタレントのツッコミ役を目指している人は「江」で技術を磨くことが出来るかも!?
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太賀ドラマ (琉河岬)
2011-11-23 01:45:16
ポケット保持さん、こんばんは!

>太賀ドラマ
むしろ、こちらの方が正しい気がします。(笑)

>林羅山、なぜ方廣寺の鐘銘事件のときに出て来なかったんだ?
全くもって謎ですよね。別に羅山が登場しても辻褄が合わない展開にはならないと思うのですが…。

>濱田学さん、2年連続だけどこんなことってありましたっけ?
確か、光石研さんが地味に「武蔵」~「義経」まで3年連続で出演してた記憶がありますが、珍しいケースだと思います。しかも、龍馬伝の時のキャラとは全く正反対の役柄ですから。
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「坂の上の雲」の影響? (えびすこ)
2011-11-23 13:39:38
この3年の大河ドラマ(天地人・龍馬伝・江 姫たちの戦国)の評価が思わしくない一因として、年末に「坂の上の雲」を放送している影響があると言う人がいます。「天地人以降の大河ドラマの予算は以前より少ない」と言うウワサがあり、制作側が多方面であおりを受けた可能性があります。
もしも、来年の平清盛の視聴率が今年を下回ると崖っぷちになるかも。八重の桜は明治20年以降も扱うと思うので、従来とは内容的にも嗜好が違うと思います。

>ポケット保持さん
調べてみたら太賀くんが演じる人物は良くない死に方をしてますね。1年おきに出ているので、「八重の桜」にも出られるかな?
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日曜江でしょう (万年寝太郎)
2011-11-23 20:37:35
お久しぶりです。

ここ暫く記事の更新が行なわれていなかったので、もしかしたら「日曜江でしょう」は御覧になっていないのではないかと思っておりました。
この記事を読んで、およそ3~4ヶ月分がまとめてレビュー出来る程度の作品だったのだろうと改めて認識した次第です。

琉河さんの指摘にもある通り、この作品ほど歴史・先人・役者、そして農業といったものを悉く蔑ろにしたテレビ番組はなかったと思います。
「武将が食べ物の恨みを巡るドサクサで家来に斬られる」
「歴史上の人物、並びに大河ドラマでもお馴染みのベテラン俳優を次々と“便利屋”扱い」
「セリフで農業や百姓を蔑視」…etc。
何故そうなってしまったのかを考えて行くと、結局脚本を書いた(とされる)人物に、そうしたものに対する敬意や愛情が全て欠如しているからだという結論に達してしまいます。
スタート当初から方々で批判を浴び、顰蹙を買ったのも当然と言えます。
『坂の上の雲』の影響を差し引いたとしても、この作品の酷さが擁護される訳ではなく、ましてや言い訳にもなりません。

他の時間帯のドラマ、特に朝ドラやスペシャルドラマでは、それぞれにその時代の空気や価値観を表現することで評価を得ているNHKの、その看板番組である大河ドラマ、しかも記念すべき50作目が、何故「史上最悪の出来」と酷評されるに至ったのかを真摯に検証する必要があるのかも知れません。

大河ドラマに限らず、歴史ドラマを作る際には、『坂の上の雲』のスケールの大きさや、『龍馬伝』や『平清盛』で見られる、デザインを通じて時代を表現し伝えようとするこだわりを、大いに参考にすべきだと思います。

長文、妄言多謝。
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