必然的なヒストリー

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【篤姫レビュー】薩長同盟

2008-10-12 22:06:32 | 大河ドラマレビュー《篤姫》
OPクレジットが大変な事になりました。
高畑淳子と若村麻由美がいきなりトメグループに!
中間ピングループの定員オーバーによる繰上げだとは思いますが、これはびっくりしました。
今回退場する若村さんならともかく、今回に限れば坂本龍馬役の玉木宏さんをトメグループに持ってくればいいのに、と。でも下手にトメグループに持ってくるよりは、あの位置(中間ピングループでも一定の間を空けた後にクレジットが表示される)の方が存在感はありますね。
そしてある意味、目立ってしまったのが以下の3連名。
木戸孝允・伊藤博文・井上馨
長州出身の明治元勲が揃いも揃って3連名。いや、確かに長州3人を並べて表示させるのはグループ分けする上では分かりやすいと思うのですが、ネームバリューがありすぎる人物が一気に3連名で表示された時は流石に吹きました。
役名だけを見れば贅沢なぐらい凄まじいクレジット(でも役者を見るとそうでもないのが悲しいところ)。
どうせだったらこの3人の中では知名度が低い井上馨を外して、高杉晋作を替わりに登場させて欲しかったです。どの道、視聴者の半分以上はそこに高杉晋作がいる違和感なんて感じないのだから(泣)。
そうすると、下記のようなクレジットの並びが完成します。
木戸孝允・伊藤博文・高杉晋作
この3連名はどうですか?豪華な3連名じゃないですか?
で、当然ながら高杉晋作にも無名の俳優を使います。木戸孝允役に無名の俳優を使うのですから、彼の後輩に当たる高杉晋作はもっと無名の俳優を使わないと道理に適いません。

で、本題。
薩長同盟に奔走する坂本龍馬と小松帯刀が主に描かれていました。
そこまではいいのですが・・・。
問題は薩摩と長州の対談シーン。西郷どんのオイシイところを全部、小松帯刀が持っていってしまいました。
というか、小松帯刀、凄すぎ!
木戸を「不思議ちゃん」扱いし、長州の真意が全く読めない西郷に喝を入れて、いつの間にか西郷・大久保を差し置いて薩摩の代表者として同盟締結する小松さん。
そして、長州に帰ってみんなと一緒に玉砕するつもりでいる血気盛んで短慮すぎる木戸(※1)に迫力ある誠意で対応し「よろしく・・・、お願い致します」と言わせてしまう小松さん。
こうして西郷・木戸を差し置いてすっかり同盟締結の最大の功労者となった小松さん。よもや、篤姫だけではなく小松さんまで「まつ化」(※2)するとは思ってもみませんでした。

一方、大奥では。
観行院、逝去。和宮に悲劇。
うん、というか若村さんの名シーンを描くには今回はタイミングが悪い。琉河的にOPクレジットと薩長同盟での小松様の活躍ぶりが凄すぎて、若村さん扮する観行院臨終シーンは特に印象に残りませんでした。
いた、宮中の調べを再現する演出とか和宮を最後まで案じていた姿とか良かったと思うのですが、如何せん「薩長同盟」と抱き合わせセットで死んでしまったのは無念としか言い様がありません。
おたあさんの死が影響を与えたのでしょうか。家茂の出陣を巡って、塞がりかけていた天璋院との溝を再び深めてしまった和宮。
和宮と天璋院。そのタイミングでお互いを分かり合うシーンが描かれるのか。少し楽しみになってきました。

次週、将軍・家茂死す。
幕府の威信を取り戻す事に命を賭けていた男の勇姿。
来週で見納めです。


(※1)木戸孝允・・・こんな人物が代表者扱いされる藩と同盟を結ぶメリットが無いのでは?と感じさせてしまうほど木戸に威厳がありませんでした。これだけオーラが無ければ新撰組に捕まらないわけです。普通に町を歩いていても新撰組は気付くまい。
無名役者を起用するにしても、もう少し人選には気を遣って欲しいところです。

(※2)まつ化・・・「利家とまつ」における前田利家夫人が成し遂げた虚構の功績。演出に無理がありました。

4 コメント

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鉄の宰相同盟 (ポケット保持)
2008-10-12 22:39:45
明治にまだ入ってないのに「木戸孝允」が出てきてたこと突っ込むなんて野暮なことしません(してるがな)。でも池田屋事件でお龍が服着たままあがってきちゃだめでしょう、ここは史実通り(ドスッ、バキッ、ドカッ)
グラバーが出てきました、しかしいつの間に小松と英国は昵懇になってたんだ。
でその交渉で小松帯刀の後ろにいたの、後の井上馨と伊藤博文でしたか、わかりませんでした、ご教示ありがとうございました。
で例によって岡本氏のギャラは1000(もういいって)
あと薩長同盟、やはり慎ちゃんはいなかった。

しかしWikiの記述がもう改まっている、早い・・・
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今思うと三谷幸喜は偉大だった (琉河岬)
2008-10-14 00:37:34
ポケット保持さん、こんばんは!

>「木戸孝允」が出てきてたこと突っ込むなんて野暮なことしません(してるがな)
そこはツッコんだ方がNHKに思惑に嵌るような気がして敢えて触れませんでしたが・・・。やっぱり、ツッコミを入れたくなりますよね~。
三谷さんの「新撰組!」の時は、桂小五郎改め『木戸貫治』として登場していたのですが、流石は篤姫。何にも考えていないようですね。

>でその交渉で小松帯刀の後ろにいたの、後の井上馨と伊藤博文でしたか、わかりませんでした
あんなエキストラ出演では気付きませんよね~。欧米留学を経験している“英語達者”な伊藤・井上が小松の脇でチョコンと座っているシーンが滑稽でした。
「伊藤・井上が薩長同盟の前にグラバーと銃器の値段について交渉していた。しかも後から調べたら実はぼったくられていた」
というマニアックなことを知っていないと、あのシーンだけを見た場合、普通に勘違いを起こしそうな気がします。

>しかしWikiの記述がもう改まっている、早い・・・今、確認しました。
ポケット保持さんが弊ブログに書き込み頂いた時間にはすでに更新されていた事を考えると編集した人は相当な幕末ファンの方だと思いました。これは確かに凄いです。
ひょっとして、伊藤役か井上役の俳優さんが自分で書き込んでいたりして(笑)
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Unknown (yutaro)
2008-10-20 02:02:49
確かに「翔ぶが如く」だったら有り得ない配列ですね。
ただドラマでの立ち位置が違うから同列にしてはいけませんが。
「翔ぶが如く」での三人は、佐久間信盛・おぐおぐ・ウルトラマン80という何とも濃い面々。
(ただ木戸役は彼にとって大河でのキャリアで一番カッコいい役かもしれない、顔も似てるし)
他の志士役も、ずうとるび、正露丸、モアイetc

会談で四人が登場するシーン、同盟の最大貢献者になっちゃったと管理人様は書かれていましたが、一般人は西郷・大久保その他の扱いだから小松どんも凄いのかとプラスに受け取ってくれればいいんですけど。
(前述大河だと最大貢献者は大久保のイメージになりそう、あくまでギリ差だが)

こちら大奥では、和宮母の観行院が逝去。
元朝ドラのヒロインでは一足早い退場となりました。
考えたらこの人、これまでの大河での役は共通して側室なんだよなあ。

*「まつ化」でお琴さんを何故か思い浮かべてしまった。
というのも「キッドのブログinココログ」がありますが、そこでは天璋院が魔眼の使い手、滝山は蛇に変化する(イメージのまんまだな)という山田風太郎テイストの「篤姫」。
あの世界だと、お琴もまた術の使い手なのでは・・・と想像したり。
男の性歴を見抜く術を持つ彼女、実は師から将来ある男を助ける宿命を持っていると予言されている、と書いていそうだがそのブログには見当たりません(失礼)
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田中健の栄光と影 (琉河岬)
2008-10-21 22:34:51
yutaroさん、こんばんは!
コメントが遅くなり、申し訳ありません。

>(ただ木戸役は彼にとって大河でのキャリアで一番カッコいい役かもしれない、顔も似てるし)
そうですよね。
「信長」でケーナを吹いて追放された(あの演出には思わず笑ってしまいました)佐久間信盛役はまだしも、同じ役で登場した「利家とまつ」では完全に空気扱いでしたし。

>山田風太郎テイストの「篤姫」
和宮がどんな役で登場するのか楽しみになってしまいました!
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