2階デッキ部を引き延ばした、SUD(=Suspended Upper Deck)タイプでは、普通席を一気に74席にまで増やした。これは、かつて日本の国内線で活躍した、国産旅客機のYS-11型の座席数に相当する。
かくして、ジャンボ機シリーズの中でも、導入当時は全座席数569席を数え、世界最大の座席数を誇る、ジェット機が出現した。発注を行ったのは、JALとANAの2社のみ、日本向けの特別仕様機である。
この巨大キャパシティを武器に、羽田を拠点とした新千歳・伊丹・福岡・那覇線へと就航。狭い日本の国土を、ジャンボ機が毎日何十便も飛んだ。まさに日本の経済を支える存在となり、日本人に「ジャンボ機=日本の空の象徴」であることを深く印象付けた。
世界で約1500機が引き渡されたジャンボ機、B747。
全2階建の超大型機、Airbus社のA380が、2007年にデビューするまで、長らく世界最大の旅客機の地位にあり続けた。