ANA NH126便(那覇→羽田)ラストフライト藤村機長のアナウンスです。
ご搭乗の皆様、こんにちは。機長の藤村でございます。
おやすみのところ失礼致します。
本日はこのボーイング747ジャンボジェットの日本でのラストフライトに
ご搭乗頂きまして誠にありがとうございます。
当機、本日の巡航高度39,000ft、約11,900mにて順調に飛行を続けております。
ちょうど先ほど、左手に奄美大島を通過したところでござます。
当機はこの先、本邦南洋上を北上致しまして
最終的に新島から房総半島経由にて目的地羽田空港へと向かってまいります。
現在のところ、皆様の羽田空港到着、遅れて恐縮ではございますが
20分遅れ、15時20分、午後3時20分前後を予定しております。
なお、この先の航路上の天候でございますが
昨日まで本邦を横切っておりました前線が通過いたしまして
比較的穏やかな中で目的地まで迎える見込みでございます。
ただまだ,強い偏西風の中での飛行でございますので
急に揺れる事もございます。
お座席にお座りの際は安全の為シートベルトをお願い申し上げます。
また最後になりましたが
このボーイング747ジャンボジェットについて少しお時間頂きたいと思います。
このボーイング747型機は、ANAにおいて今から35年前、1979年に導入されましたが
以来長きに渡りまして,ジャンボジェットの愛称で親しまれ,そして,
可愛がっていただきました事、改めましてお礼申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。
このジャンボジェットは現在世界で運航されています旅客機の中で
一番速い飛行機とも言われております。音速の約92%出すことができ
追い風時は、時速1,200kmに達する事も御座います。
また、揺れに強いと言われる飛行機でもあり
速さと居住性を両立させた本当に素晴らしい飛行機でございます。
私事で恐縮ではございますが、私はジャンボの操縦25年前に始めました。
当時、このジャンボジェットを初めて見たときは、この圧倒的な存在感に
ホントに私に、この飛行機が操縦できるのだろうかと不安に思ったのを
覚えております。以来、パイロット人生のほとんどをこのジャンボと過ごしてまいりました。
ともに多くの経験をし、そしてパイロットとして育てて貰った様に思います。
時代の流れとはいえ、この大好きなジャンボジェットが
退役する事は非常に残念ではございますが
このジャンボへの想いを,熱い想いを,次世代の翼に繋げ
引き続き多くの方々に安全でそして夢のある空間をお届けできる様
従業員一同努力してまいりますので、引き続き見守って頂ければ幸いでございます。
それでは、後1時間20分程の飛行になりましたが
この大きくて早くて、そして快適なジャンボジェットの空の旅を引き続き
お楽しみ下さいませ。改めまして本日のご搭乗ありがとうございます。
失礼致します。