ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

桜模様のタンブラー

2011年12月08日 | ガラス工芸・サンドブラスト

このグラス、被せ(きせ)ガラスの初めての作品です。

”初めてにしてはちょっと出来すぎなんじゃない?”っていう声が聞こえそうですが、はい、おっしゃるとおり。これは、お教室の体験講座の作品なのです。あらかたの作業は先生が準備済みでして、とても”ワタシの作品”とは言えないかもです。(笑)それでも、初めてでこんな綺麗な作品が作れたら、テンションあがりますよね。


”被せ(きせ)ガラス”とは、色のついたガラスが複数層重なっているガラスのことです。東京都の伝統工芸に指定されており、一つ一つ熟練した職人さんが手間をかけて作り上げる、高級な素材なのだそうです。江戸切子にも使われる素材です。この被せガラスを作れる職人さんや工房が少なくなってきているそうです。

 

江戸切子は、ガラスの表面を回転するホイールに当ててカットするように彫っていき、カットした部分(模様となる箇所)がキラッと輝きます。一方、サンドブラストは、ガラス面に砂を吹き付けていくので、彫った表面がすりガラス状になります。

江戸切子はその名のとおり、江戸時代に発祥したといわれますが、サンドブラストは20世紀に入ってから、つまり現代の技法という違いがあるそうです。テクノロジーの発展が美術工芸の世界も変化させていくのですね。

この方法は、均一の深さで彫っていくので、”平彫り”と呼ばれる、もっとも基本的な技法とのことです。模様になる部分とそうでない部分のどちらをマスキングするかで、凹凸を変えることができます。

このローズ色がとても好きです。


きれいなもの

2011年12月07日 | ROSE POSYのひとりごと

日々の生活の中で、いろいろな、”素敵なデザイン”、に触れる機会がありますよね。自然が生み出したもの、人が作り出したもの、いろいろあります。

まったくのネコバカといわれそうですが、うちのねねさんの柄の”配置”も、神様が作った素敵なデザインだと思っています。背中側とお腹側の色柄が逆だったら可愛くないと思いません?

あたしもGoodデザインかにゃ?


最近、通勤中に電子書籍を読むためにiPod Touchを常に携行していますが、いつでも気づいたときに撮れ、しかも比較的きれいに撮れることを知って、日常生活の中で気になった”デザイン”を記念にとっておきたくなりました。

私の場合、個人のデジタルアルバムに収めても、それを後で見ることが少ないので、ブログにアップして、皆さんに共有したいと思います。(もちろん、撮影禁止の場所では撮りませんし、他の方が撮影した写真の無断転載はいたしません。)

それらが、何かの役に立っても立たなくてもいいんです。きれいだな~と思うものを記録しておきたい、そういう気持ちだけです。

今日は、最近の日常で出会った"素敵なデザイン”を一挙にご紹介したいと思います。(後はぼちぼちと・・・)

さっそくですが、冒頭にご紹介したワインラベル。

なんでもないデイリーワインなのですが、ラベルの絵柄がとっても気に入りました。真正面から見るとまったく気づかないのですが、葉脈に金箔のプリントが施されており、ボトルを持ち上げたり、横から見るとキラリと光ります。なかなかリアリティのある絵ですが、実際には架空の植物でしょう。とても上品で美しいデザインだと思います。

次は、駅弁です。(^^)

小さな升目に、これまた見事に色とりどりのおかずを埋め込んだものです。色のバランスがとても素敵です。地味になりがちなお煮物は、グリーンやピンクのケースに入れられて彩りをよくしています。色の地味なものと、鮮やかなものを上手にレイアウトしています。この配置も料理人さんのセンスだよなぁと思いました。

なんか、しょっぱなから、食べ物ばかりで申し訳ありませんが、あるレストランでのランチの前菜です。

木の板とガラス板の間に、お品書きの紙がはさんであります。ガラスの上に直接食材が載っています。ムースの下の黒い色は薄くて堅いパンです。右下のキャンディ様のものは、オリーブの実。空間をエディブル・フラワーが飾っています。プレート直載せや、オリーブをキャンディに見立てたアイデアもおそるべしですが、彩りが素晴らしく、まるで抽象画を見ているような楽しさです。"目で食べる”とはこのことですね。

続いて、同じお店のデザートです。ランチだからといって気を抜かないこの丁寧な仕事ぶりに感心します。(このランチはけして高くありません。)

白い皿のキャンパスに、四角と丸でラインを描き、緑・黒・赤の色のバランスも絶妙です。まるでコンテンポラリーアートですね。

デザートつながりになってしまいますが、今日の最後の"トリ”展示となります。地元のレストランののデザートです。 

ショートケーキとバニラアイス、なんてことのない平凡な取り合わせですが、シェフのほんのちょっとの”魔法”で、デザートプレートがこんなにコミカルに楽しくなり、デザートタイムが和みの場になりました。後ろのチョコレートで書いた点々は、ねずみさんの足跡、のようですよ。

 


あるクラフト展にて・・・

2011年12月01日 | ROSE POSYのひとりごと

画像は、パルテノン多摩のクリスマス・イルミネーションです。コンテンツとは関係ないけど、とてもキレイだったので、UPしました。スマホでとってるのであまり鮮明じゃなくてすみません。
さて、先日、あるギャラリーにて、複合作品展を見に行ってきました。 ガラス、陶芸、漆、木工、金工、染織、ジュエリーなどさまざまな分野の作家さんの美術・工芸作品を一度に鑑賞させていただくことができました。

何人かの作家さんとお話する機会に恵まれたのですが、制作過程が想像もつかないような技に、思わず、”どうやって作るのかしら?”といったような独り言が口をついてでてしまうのですが、いずれの作家さんも、そんな愚問にもかかわらず、素人にもわかるように丁寧に説明をしてくださり、工程や手法の開発経緯や苦労話をうれしそうに語ってくださいました。
自分の作品について語る作家さんの顔は、本当に輝いていて楽しそうです。

ジュエリーアーティストの展示もありました。先生とお弟子さんのペア出展で、作品そのものが命を持っているような、作者の強いメッセージが伝わってくる、骨太で迫力のある作品の数々でした。鍛金や箱物など、伝統的な彫金技術による凝った作品でした。

彫金で作ったシルバーって、なぜか表面が引き締まって見えるんですよね。キャストと何が違うのかわからないのですが、同じ鏡面仕上げでも、なんだか彫金作品のほうがとても上品で力強く、そして美しく感じます。

その先生は何十年来のファンのお客さんがいて、30年前に購入した作品をいまだに大切に使っていて、修理に持ってきてくれるといいます。素敵なことですよね!良いデザイン、良い造りのジュエリーは、つける人が年齢を重ねても、ファッションの好みが変わっても、飽きないで長く使えるのだと思います。

とても気さくで豪放磊落な先生いわく、
『昔は、本当に面白いほどよく売れたものよ~。作ればどんどん買ってもらえたわぁ。デザインが珍しいほど売れたのよ。』

んー、こんなに個性的な(失礼!悪い意味でなく)作品がガンガン売れるなんて、そんないい時代を経験できたなんて、うらやましいですっ! 

『でも、今はだめね~。売れない!史上最低に売れてない! 不景気もあるけどジュエリーは特にダメだわ。みんな、個性的な作品を敬遠して、誰も彼も、芸能人の真似して、ブランド物とか、みんなが持ってるようなチープなジュエリーしか買わない。しかも、地金が高騰してしまって新作作るのも大変なのよぉ。』

愚痴る割りには、あまり顔が深刻そうじゃないんですが。(笑)お気持ちは、十分わかります! 個人の作家さんだけでなく、メーカーも苦労してると思います。  最近は、みんな、ジュエリーショップに、何かを買いに来るのではなくて、手持ちのゴールドやプラチナを売るために来店してますもんね。(笑) 

『ウチに修理に持ち込まれる今時の量産モノのジュエリーは、どれもこれもメッキがしてあって、手間ばっかりかかってホント困るわ。金属の種類がわからないものがあって、ロウ付けするの怖いから接着剤使っちゃったりしてるわよ。(笑)メッキものはね、所詮、使い捨てジュエリーなのよ!』

たしかに、メッキ商品の修理はやっかいでしょうね・・・・。  ”使い捨てジュエリー”、とはよくいったものです。

などなど・・・・と、その作家さんと話が盛り上がって、話題が尽きないのでした。

去り際に、”アナタ、よかったら、私のお教室で教えてあげるわよ”、とお名刺をいただきましたが、大変面白い方だったので、生徒ではなく、僭越ながら、お友達になりたいと思いました。

Kittyちゃんの後姿