東京は、ここんところ底冷えがするように寒くて、雨や雪が降ったり止んだりのどんよりとした日が続いています。元来、家でお篭りするのが好きな私は、天気が悪いことを理由にして、これ幸いと何日でも”ヒッキー状態”になってしまいます。
ようやく重い腰を上げて、以前、造形していただいたもののほったらかしになっていた原型の仕上げでもすることにしました。(こいつらを見るたびに、いつか仕上げなくちゃなーとユウウツな気分だったのです)
まずは、光造形のモデルから・・・。サポートの”足”がモデルの面に沿ってびっしりくっついています。なにせ、樹脂の扱いは初めてなので、緊張します。ハードワックスの切削造形ならば、失敗しても修復ができますが、樹脂は修復できないそうなので、一発勝負です。
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何を使えばいいだろうか?余分な板の部分は、カッターで傷をつけて指で折り取りました。さて、本体からサポートはどうやって取りましょう・・・・。
樹脂はプラスチックの硬さがあり、粘度やしなりといった”遊び”がほとんどないので、むやみにカッターを入れるのも危険そうです。結局、リューターに金属ポイントをつけて、切るような要領で超低速でゆるゆると除去しました。やれやれ・・・、なんか大仕事を1つ終えた気分です。
今回はあまり立体的でないので、着用時に裏面になる部分にサポートがついてくれて、比較的楽な作業だったかもしれません。サポートがついていた部分の細かい点々は、ヤスリで落とすことにしましょう。
次は、ワックスの切削造形です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/a1/4f50469b0a90881c751f65bc897a3292.jpg)
こちらは超簡単なモデルなのでサポート箇所も少なく、垂直な側面部分がほとんどないので、とてもきれいにできています。ただ、横には針が入らないので、丸カンの部分は、ドーナツ型ではなく、”逆U字型”になってしまっており、手作業で丸カンに穴をあけたり、接合部を削って、U字を丸にする作業が必要です。
そして、強敵出現。
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一見、何も問題なくきれいに出来ているようですが、ルーペで見ると、かなりガッカリ・・・。まず、設計上は問題ないと思われた、メインストーンの爪とメレ爪がくっついてしまっています。爪と爪との距離が十分ではなく、針が入らなかったものと見えます。爪を少し削って間を離さなければなりません。以前も、鋳造時に、地金を流し込む際の表面張力で爪と壁の間が埋まってしまって苦労したことがありますが、またもや似たような失敗をやってしまいました。。。
爪のトラブルの修復が終わると、今度は、通常どおり”CAD目”の除去の作業が待っています。クロスの側面がぎざぎざ模様になっています。たとえると、トタン屋根のように規則正しく縦方向に細かい溝が入っている感じです。切削針は上から縦に降りて削る仕組みなのでどうしても、どうしても垂直の縦面は滑らかにはなりません。鋳造に出す前にこのギザギザを平らに滑らかにする必要があります。
結局、この作業の間にも、不注意でメレ爪を1本折り、ミル様のパーツを2個潰し、丸カンをぶっとばしてしまい、大惨事の連続。修復作業に1時間以上も費やしました。(泣)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/8f/1d1da970c5541b4fc65a2f3ea31f3d69.jpg)
疲れました・・・。
CAD目をそのままにして鋳造し、、地金になってから綺麗にするという手もあるんですが、それはそれで、なかなか大変です。以前、CAD目がついたまま鋳造した地金の研磨をプロの磨き職人さんにお願いしたら、ギザギザなまま鈍く光ってました。(悲)