ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

寒い冬はオタクでサポート取り

2010年02月14日 | ジュエリーよもやま話

東京は、ここんところ底冷えがするように寒くて、雨や雪が降ったり止んだりのどんよりとした日が続いています。元来、家でお篭りするのが好きな私は、天気が悪いことを理由にして、これ幸いと何日でも”ヒッキー状態”になってしまいます。

ようやく重い腰を上げて、以前、造形していただいたもののほったらかしになっていた原型の仕上げでもすることにしました。(こいつらを見るたびに、いつか仕上げなくちゃなーとユウウツな気分だったのです)

まずは、光造形のモデルから・・・。サポートの”足”がモデルの面に沿ってびっしりくっついています。なにせ、樹脂の扱いは初めてなので、緊張します。ハードワックスの切削造形ならば、失敗しても修復ができますが、樹脂は修復できないそうなので、一発勝負です。



何を使えばいいだろうか?余分な板の部分は、カッターで傷をつけて指で折り取りました。さて、本体からサポートはどうやって取りましょう・・・・。

樹脂はプラスチックの硬さがあり、粘度やしなりといった”遊び”がほとんどないので、むやみにカッターを入れるのも危険そうです。結局、リューターに金属ポイントをつけて、切るような要領で超低速でゆるゆると除去しました。やれやれ・・・、なんか大仕事を1つ終えた気分です。

今回はあまり立体的でないので、着用時に裏面になる部分にサポートがついてくれて、比較的楽な作業だったかもしれません。サポートがついていた部分の細かい点々は、ヤスリで落とすことにしましょう。

次は、ワックスの切削造形です。




こちらは超簡単なモデルなのでサポート箇所も少なく、垂直な側面部分がほとんどないので、とてもきれいにできています。ただ、横には針が入らないので、丸カンの部分は、ドーナツ型ではなく、”逆U字型”になってしまっており、手作業で丸カンに穴をあけたり、接合部を削って、U字を丸にする作業が必要です。

そして、強敵出現。



一見、何も問題なくきれいに出来ているようですが、ルーペで見ると、かなりガッカリ・・・。まず、設計上は問題ないと思われた、メインストーンの爪とメレ爪がくっついてしまっています。爪と爪との距離が十分ではなく、針が入らなかったものと見えます。爪を少し削って間を離さなければなりません。以前も、鋳造時に、地金を流し込む際の表面張力で爪と壁の間が埋まってしまって苦労したことがありますが、またもや似たような失敗をやってしまいました。。。

爪のトラブルの修復が終わると、今度は、通常どおり”CAD目”の除去の作業が待っています。クロスの側面がぎざぎざ模様になっています。たとえると、トタン屋根のように規則正しく縦方向に細かい溝が入っている感じです。切削針は上から縦に降りて削る仕組みなのでどうしても、どうしても垂直の縦面は滑らかにはなりません。鋳造に出す前にこのギザギザを平らに滑らかにする必要があります。

結局、この作業の間にも、不注意でメレ爪を1本折り、ミル様のパーツを2個潰し、丸カンをぶっとばしてしまい、大惨事の連続。修復作業に1時間以上も費やしました。(泣)


疲れました・・・。

CAD目をそのままにして鋳造し、、地金になってから綺麗にするという手もあるんですが、それはそれで、なかなか大変です。以前、CAD目がついたまま鋳造した地金の研磨をプロの磨き職人さんにお願いしたら、ギザギザなまま鈍く光ってました。(悲)


通販で売れているショップとは・・・

2010年02月14日 | ジュエリーよもやま話

先日は、通販で売れているアイテムについて取り上げてみましたが、今回は、売れているショップについての話題です。冒頭の『手鏡』の写真は、そのヒントです。

私は、自分でもアクセサリーを作りますが、同時に消費者(エンドユーザー)でもあります。実店舗で買うこともありますし、ネットショップで買うこともあります。

最近、長さ調整ができるボールチェーンのネックレスが欲しくなり、ネットで買ってみることにしました。ネットショップは、それこそ星の数ほどありますから、選択にとても迷います。チェーンのように店ごとの差別化が難しい商品では、どういうポイントでネットショップを評価・選択すべきか、自分の中で基準を持たないといけません。
 
通販ジュエリーショップは、値段で勝負している店が多いのですが、安いものはやはり”それなり”、と申しますか、チェーンのように耐久性を求められる商品は品質の良いものが欲しいですし、故障時のアフターサービスも気になります。信頼のおけそうなお店を見つけて、とりあえず注文してみました。

なんと注文した翌日の朝に商品が届いたのです!はやっ~!(@0@;) 
そのショップの所在地は京都です。ジュエリーショップは山ほどある東京都内に住まいながら、京都のショップでお買い物というところがネットショッピングの楽しいところです・・・。(笑)

ショップの対応で、もうひとつ、感心したことがありました。
宅配便は、届くと早く中身がみたくてはやる気持ちで慌ててあけようとしがちですが、ガムテープがうまく剥けなくてハサミやカッター探したりイラっと します。ところが、そのお店から届いたダンボール箱は、ガムテープがはがしやすいようにすべての端をきちっと丁寧に折って”耳”を作ってあり、また、ネックレスのチェーンが絡まらないよう、セロハンの帯が巻いてあって、それを留めているセロテープの端もはがしやすいように”耳”がついていました。こういった、目に見えないところまで細やかな気遣いがあると、お店の品格といったものをなんとなく感じます。



そして、たったチェーン1本が、こんな豪華な詰め合わせセットになって届きました。品物のスペックを記載した保証書、スタッフの方の丁寧な手書きのお手紙と小物(フラワーキャンドル、手鏡、ポーチ、ポリッシュクロス)が同梱されていました。冒頭に掲載の、縮緬に可愛らしい絵柄が施された手鏡は、このプレゼントのひとつでした。京都の心、と申しますか、なんとも”女心をくすぐる”気の利いたキッティングです。まるで誰かに京の旅のお土産を頂いたような気分です。



このお店では、注文時に、ラッピングサービスを注文しないと”簡易包装”の扱いとなり、その代わり、”エコ還元サービス”として次回の買い物で使えるディスカウントクーポンを同梱しています。自家用でもラッピングしてもらうと、得した気分になる人は多いもの。しかし、このお店のように、『ラッピングは選択しても無料ですが、選択しなければディスカウントクーポンをあげます』、というサービス発想は、なかなか他店ではないと思います。



もちろん、注文した肝心の品物は大変しっかりした作りの良いものでした。もちろん、商品が良質であることは顧客満足度を満たす当然の条件ですが、今回利用したショップは、女心をよくわかっていると申しますか、次の購買に繋げる『プラスα』の工夫があると思いました。

今回購入したショップは、沢山のお客さんがポジティブな評価コメントをつけています。『ここで買ってよかった。また利用したいです。』・・・そして、多くの方が、私同様に、丁寧な梱包や迅速な配送、そして手書きのお手紙やおまけが嬉しかったと書いておられます。

このエントリの冒頭に、”信頼のおけそうなお店・・・”と書きましたが、まさに、たね明かしです。私自身、先客さんによるお店の評価コメントが購買の決め手となりました。楽天では、まず購買者のコメントがたくさんある、という事が売れているという指標になり、さらに購買者のコメントがポジティブであると、良いお店または良い品物という評価基準となります。私は、楽天のようなショッピングモールでお買い物をするメリットは、やはり、このコメント機能(つまり口コミ)にあると思っています。

行列が出来ているラーメン屋さんには自然と人が集まります。同じように、売れてる店や評価の良いお店に人は集まりますが、じゃあ、どうすれば売れたり評価を高くできるのか?、そもそも、最初はどうやってお客さんを集めたのか・・・・。それは、成功しているお店のみぞ知るノウハウと言えましょう・・・。しかし、一度訪れたお客さまを、リピート顧客につなげるためのヒントは、冒頭の『手鏡』から、見つけていただけたのではないかと思います。