ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

ジュエリーCADって、やっぱりいいなぁ

2008年02月10日 | ジュエリーよもやま話
2月8日の私のブログ、『幸せ2倍のクローバーペンダント』

 

を掲載した翌日、他の方のブログに、このデザインをジュエリーCADに起こした画像が掲載されました。
お二人いらっしゃるのですが、いずれもプロの宝飾業界の方で、ジュエリーCADをテーマにしたブログです。ライノを買ってから、他のソフトとの違いを知りたくて、検索エンジンで情報を探していたところ、たまたま見つけたブログでつい最近からRSS登録させていただいたばかりです。
これも何かのご縁ですのでご紹介させてください。
なお、ブログから画像を借用させていただくことを何卒お許し下さい。

まず、neo mkoさんの2月9日のブログから。
(画像をクリックすると該当記事へジャンプします)


私のブログに遊びに来てくださり、コメントを頂戴しました。バチカンと丸カンはもっと攻め込む余地があるとのアドバイスをいただきました。私がお手本のご教授をお願いしたところ、この方が大変ご親切な方で、素敵なデザイン・パターンをいくつか作ってご自身のブログで紹介してくださいました。(レンダリングもキレイ!)すごく嬉しかったです。とにかくバチカン、丸カン1つで作品の印象がここまで変わるなんて、小さな部分もおろそかにしてはいけないと反省しています。大変勉強になりました。neo mkoさん、ありがとうございました。

次に、佐藤 善久さんの同じく2月9日のブログ。
(画像をクリックすると該当記事へジャンプします)
この方はジュエリーCADを普及させる活動をされているとのことで、大変参考にさせていただいています。「デジタルジュエリー」という言葉をこの方のブログで始めて知りました。


こちらは特に断り書きがありませんが、タイミングからいって、おそらく私の作品からヒントを得たものと思いますが、たった5分で作られたそうで、やっぱプロはすごいです。私じゃCADでも5分じゃできません・・・。今度CADで作ってみようっと♪

いずれの方も、私の投稿の翌日ですから、CADデータは短時間でチャッチャと、いとも簡単に作られたのだと想像します。手作りだと、そうですね、ワックス原型つくるのに3時間はかかりましたから、やっぱり、CADは早くて、しかもカンペキにシンメトリックでキレイな面が出せるので、いいなあと思います。丸カン、バチカンなどの付属パーツも、CADだとあれこれといろんなパターンを着せ替えしてバランスを見ることができるので、大変便利です。

「ジュエリーCADを勉強してるのに、なぜいまだに手作りなの?」って突っ込まれそうですが、それは、手作りそのもののプロセスが楽しいからです。早く正確に綺麗に作りたかったらCADにはかないませんし、多分、すべてのジュエリー作品はCADで実現可能だと思います。でも、手で作る(創る)ことは理屈ぬきにして楽しいのです。

このクローバーは一点物だし、知人へのプレゼント用だったので、手作り(=心がこもっている)、というイメージが大切なので手で作りました。しかもその知人はコンピュータばちばちで、DTP(イラレ)を扱えるので、コンピュータで制作したっていうと、いかにも”簡単にすぐにできちゃいました”、なイメージがわいて、せっかくのプレゼントのありがたみが減っちゃうかもしれません。

スカパーなどの通販番組でジュエリー特集を見ていると、誰がどう見てもキャストの大量生産品なのに、「職人さんが1つ1つ手でコツコツ丁寧に作りました。」、ということをやたら強調したりしています(まあ、量産とて石留めぐらいは手でやってるでしょうから嘘ではない)もともとジュエリーは美術品・工芸品として長い歴史と伝統を経てきた価値のあるものですから、消費者にとっては今後も「手作り=良いもの」というイメージはずっと残っていくであろうと思われます。(そういや、毒入り餃子も”手作り”がウリの商品だったな。

たとえ、CAD全盛時代が来て、紙と鉛筆がコンピュータ、ヤスリが切削機に取って代わったとしても、売るときには、「これはCADによるデザインで、しかも原型は機械で正確に彫刻されてます。磨きも高性能の研磨機で仕上げています。」なんて絶対に言わないだろうと思われます。

あと、私がCADでめったに作品を作らないのは、原型を作るためのコストの問題もあります。あくまで今は趣味の範囲でやっているので、自分の作業時間は費用に入らないという前提での話ですが・・・。とくに1点制作の場合は、CADでやるのはもったいないなーという、プロとは逆の発想になります。

CADの場合、データをワックス原型に造形するには、専門ビューローに依頼しますが、この造形代がとても高いのです!CADで起こしたデザインが実用に耐えるか、装着感はどうかといったことは、本当は造形までやって原型を見て確認したいところですが、この費用が高いために、次々とCADデザインを作っては原型造形を発注するというわけにいきません。どうしても金属にして仕上げまでやってみて様子を見たいというケースのために、造形は取っておきます。

この造形料は、実用段階では量産品や高級ジュエリーの場合、コストに吸収させられるものですが、その値段の高さがまだ勉強中の人々にとっては共通の悩みだと思います。ジュエリーCADの生徒の多くは企業から派遣されたデザイナーさんと思いますが、私のように自費で勉強している人にとっては、切実です。造形代がもっと安くなることを願っています。