花の公園・俳句 ing

日本は素晴しい花の国。美しい花々と公園、四季折々の風景を記録したいと思います。我流の俳句は06年3月12日からです。

雪に見まがう ニワウルシ

2015年11月22日 10時02分55秒 | 草木の実、キノコなど      
北本自然観察公園の入り口右手の沼地の向うに、白く雪をかぶったような
高木がありました。庭師らしい人に、あれは花ですか、と聞く人があり、
ニワウルシの実でしょう、という声が聞こえました。

ニワウルシ (庭漆) は羽のような翼果(よくか)を多数つけます。初めは
淡い緑色ですが、次第に赤味を帯び、熟すと淡褐色からほとんど白に近く
なります。これを雪に見まがえたのです。

ニガキ科ニワウルシ属の落葉高木で雌雄異株、学名 Ailanthus altissima。
ウルシ科ではなく、かぶれないが、漆に似ているのでこの名があるそうです。

別名 シンジュ(神樹)、英名 Tree of heaven、中国名 臭椿。
高さ15~20mにもなる高木です。属名 Ailanthus はマラヤ群島アンボイナ島
の現地語アイラント aylanto (天の樹)を採ってモルッカ産のモルッカシンジュ
(Ailanthus integrifolia、Ailanthus moluccana)に名付けられ、「ドイツに入って
ゲッテルバウム(Götterbaum)即ち神の樹となり、日本で神樹という文字に
緒方道平氏が訳した」 そうです。(「木のメモ帳」 所引 「樹木大図説」)

「神樹」は牧野説にならって英名 Tree of heaven の直訳とするサイトが多い
のですが、実はドイツ語からの訳で、英名が現地語からの直訳というわけ
です。中国名 「臭椿」 (チョウチュン chòuchūn またピンイン pinyin) は、葉に
特有の不快な臭いがあるからだそうです。なお武蔵丘陵森林公園に植わっ
ている、よい香りのある「香椿」チャンチンはセンダン科でした。

ニワウルシの根皮や樹皮を漢方で樗白皮 (ちょはくひ) と呼び、解熱・止瀉・
止血・駆虫などに用います。しかし木は樗 (ちょ) と呼ばないようです。

中国北中部・台湾原産 で、明治8年 (1875) 年にオーストリア博覧会を参観
した田中芳男、津田仙氏等の一行が種子を持ち帰ったそうです。(上掲「樹木
大図説」) また、「日本には明治初期にエリ蚕やシンジュ蚕などの野蚕の
食料として導入されたそうですが、それ以前から自生していたという説もある」
そうです。(「花樹ぶらんど・つるの織部屋」)  
     (埼玉県北本市  北本自然観察公園 2015年11月21日) 


        秋枯れて 雪に見まがう ニワウルシ  rocky


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中央の白い木がニワウルシ。肉眼ではもっと大きく見えます。


下から見上げたところ。

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