花の公園・俳句 ing

日本は素晴しい花の国。美しい花々と公園、四季折々の風景を記録したいと思います。我流の俳句は06年3月12日からです。

伝説の 血脈桜

2017年04月16日 08時45分39秒 | さくら    
大輪八重でややしっかりしたピンクのサクラ、松前早咲 マツ
マエハヤザキ (また南殿、血脈桜 ケチミャクザクラ)。

「北海道松前藩観光奉行」 によると、松前の柳本伝八という
鍛冶屋さんが隠居し、18才になる娘の静枝とお伊勢さんに詣り、
桜咲く吉野へ巡りました。静枝さんは宿近く静かな尼寺の尼
さんと仲良くなり、松前に帰るお別れの日、尼さんから一本の
桜の苗木をいただきました。

尼さんの形見に、というそのサクラは見事な花を咲かせるよう
になりましたが、年を経て大きく茂りすぎ、伐り倒すことになり
ました。
その前夜、光善寺十八世穏誉上人の枕元に桜模様の着物を
着た美しい女の人が現れ、どうか極楽浄土へ行く証文の血脈
を与えてくださいますよう・・・と悲しい声で頼むのです。
上人は本堂でお経を上げた後、血脈を与えてあげました。

次の日、上人がいよいよ伐り倒されるのかと名残惜しげに桜を
見上げたとき、葉がくれに何か白いものが風に動いているのを
見つけたのです。よく見て上人は驚きました。それは昨夜授け
た血脈だったのです。上人は切り倒すのを取りやめ、大切に
したそうです。

「北海道人」 では1726年以前に松前に導入されたとしています。
「この花さくや図鑑」 によると、タカサゴとカスミザクラの交雑種
で、240年前に本州から松前町に導入されたものとしていますが、
現在その元になった桜は本州では見られないそうです。
松前町では 「南殿」 の名称で最も栽培されているそうですが、
京都御所由来の桜 (ナンデン) があること等から、最近では
マツマエハヤザキと呼び、区別しているそうです。

しかし上記の伝説からすれば、血脈桜と呼ぶのがよさそうです。
松前早咲では面白みがありません。

日本花の会HPによると、江戸時代の文政元年 (1818) に記録
があるそうで、高砂と他品種との間に生じた雑種と考えられ、
松前町で高砂から生まれた品種と推定されています。
来歴は伝説の彼方、ということになりそうです。

    (茨城県結城市 日本花の会結城農場  2017年4月12日、
    (静岡県三島市 遺伝研 2010年4月3日、同 2009年4月4日)
 
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メインは 遺伝研 2010年4月3日。
下は 同 2009年4月4日。


下3枚は 日本花の会結城農場  2017年4月12日。





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