TWICEを受け入れるべきか否か

TWICEのドーム・ツアー公演が話題となっているので、テレビでも詳しく報道されていた。テレビが韓流に毒されているという見方もできるが、話題性としては報道があってもいいだろう。

私の印象は、真面目によくやっているじゃないか、というものだ。所属事務所JYPの特徴は、こけおどしが少なく、やり方が誠実な事。横７０ｍという大液晶画面を据え付けて、９人の群舞する姿が全員同時に大写しになり、ドームのスタンド席にいる人達をもがっかりさせない配慮がされていた。液晶画面は大なり小なり使われるものだが、この配慮は喜ばれたことだろう。

観客席を見て感じたのは、KARAの全盛期の公演と同じ、観客の熱烈な感情移入と舞台と一体化して心から楽しむ明るさ。KARAが感じさせた猥雑さはどこにもないだけに、どこまでも清潔で明るい。何よりTWICEのダンスはセクシーさを排除して、年齢相応のはつらつさを正面に打ち出しているだけに、真似をしたら健康増進になるだろう。(笑)

何より、韓流ガールズ・グループにありがちな、やぼなオッサンたちの熱狂と絶叫が会場を席巻するのではなく、観衆がもっぱら同年代の若者達なのが良い。同年代に支持されるグループは、強い。

JYPという事務所に所属するアイドル達には、どこか謙虚さを感じさせるものがある。実はJYPとSMエンタテインメントが同じ時期に日本で別々に所属アイドル総顔見世出演の公演を行ったことがあるのだが、両方とも鑑賞してみて、その雰囲気の違いは歴然としていた。JYP所属アイドルの方が誠実で謙虚な印象が強いのだ。これは多分、社長の性格と指導方針の違いによるものだろう。JYPの社長は、アイドルである前に人間性を磨けと指導しているそうだ。

想像上のイメージだけで反韓に走っている無知な人たちは、TWICEがこれだけの支持を集めているのは、やらせだとか、でっち上げられたブームだという。繰り返すが私も政治思想的には反韓だ。韓国語を３０年にわたって勉強し、３０数回にわたって韓国に行き、その上での政治的反韓だ。
しかし、事実は事実として受け止めた方がいい。今では日本人の女の子が従来のアイドル育成方式に幻滅を感じて、実力本位と言われる韓国に渡り始めた時代だ。最初から韓国デビューを目指す子を養成する大規模なダンス・スクールもある。その点に危機感を感じてこそまともな日本人と言えるだろう。

私はBTSは好きになれない。しかし、TWICEは受け入れて良いと思う。だから、紅白がBTSを排除し、TWICEを出場させたのは、妥当な判断だったと思っている。否定する人達は、TWICEを上回るグループを作る署名運動でもすれば良いのであって、見たこともない癖に全員整形だとか、売春婦だとか、知性を疑うような記事を発信しない方がいい。