月曜日、パトリックは先週からこの街の港のスノークリング・ボートを予約してあった。朝9時半から12時半だという。
8時半に歩いていくというので、カメラや水をナップサックに入れて、出かけた。
このフラットは2階で、外の廊下も階段も大理石でピカピカ、この朝となりの奥さんが水をまいて廊下から階段を掃除してた(らしい)。私はいつもの通りゴム草履でナップサックを担いて階段を降りた。下3段目にまだ水が溜まっていて,キャッという間に滑り落ちた。
右腕の肘の下を階段の角で打ったらしく傷ついて出血している。腰は3段を滑り落ちているときに打ち身で両脇に大きな青あざ(黒に近い)ができた。それでもどこも骨折しなくて幸い。私の友達皆80歳前後には骨粗鬆症の人が多い。日頃から大食い、運動も昔からしていたこの私、本当に自分でも褒めてやりたいくらい骨太、筋肉脂肪たっぷりだったから怪我も最小で済んだ。
車で薬局に行き、ウォータプルーフのプラスターと包帯を買って圧迫止血、9時半の船に間に合った。
ボートには総勢23人ものイタリア人の若い人たちが乗っていて、賑やか。おまけに彼らはこの暑い太陽で肌を焼くのがよっぽど重要らしい。
パトリックとジュードはボートに乗ってもスマホが離せない。
ボートは私達が泳いだ海岸線と平行に進んでいく。
砂浜はどこもかしこもパラソルの林立で、泳いでいる人もたくさん見える。
このタワーは多分中世に外敵を見張るために作られたものらしく、5基が見えた。
考えてみれば、現代に至るまで地中海では海賊が跋扈していて、農地や商業地の豊かな町や村を襲った、これは当時の自衛手段だったろう。
ボートは3回浜辺の沖合に錨をおろし、私達10-20分ほどボートの周りで泳ぐ。このボートの宣伝にはサンゴ礁でのスノークル等と書いてあるがこの地域でサンゴ礁は絶対ない。海底はやはり砂地で海藻さえもほとんどない。ただ一度だけマリア像が沈んでいるところで泳いだけれど、ちゃちな安っぽい像だった。このときだけは船からたくさんのクッキーが投げ落とされたらしく大小の魚が私達の間を泳ぎまくっていた。
12時ごろにボートではテーブルを出して簡単なスナックのようにお菓子やクッキーそれにジュース、水、赤ワインが出た。
私は赤ワインをカップ2杯のんだけど、多分ノン・アルコールだったらしい。全然酔わなかった。普通カップ2杯で寝てしまうのに。
このタラント湾の海岸線は、夏の間中どこもかしこも人口が数倍になるのだろうと思った。
腕からの出血は圧迫していても3日も止まらなかった。