季節を描く

季節の中で感じたことを記録しておく

“ラファエロ”展  2013.3.5 (国立西洋美術館)

2013-03-05 21:54:09 | Weblog
 ラファエロ(1483‐1520)は、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロと並び、ルネサンスの3大巨匠と呼ばれる。37歳で夭折。ラファエロの作品は「ルネサンスの優美(グラツィア)」そのものである

 「自画像」(1504‐1506)フィレンツェ、ウフィツィ美術館:20歳初めのラファエロの自画像。穏やかな雰囲気。父は、絵画工房の親方。その父が、ラファエロ11歳のとき、死ぬ。工房をラファエロが引継ぎ、17歳で、彼はすでに親方だった。
          

 「聖ゲオルギウスと竜」(1504‐1505)パリ、ルーブル美術館:古代ローマ末期、カッパドキアの首都ラシア 付近に、巨大な悪竜がいた。通りかかったゲオルギウスが竜を退治し、異教の村人をキリスト教に改宗させる。しかし彼は異教徒の王に捕らえられ、拷問され殉教した。
     

 「大公の聖母」(1505‐1506)フィレンツェ、パラティーナ美術館:18世紀にトスカーナ大公が、この絵を愛蔵した。初め、背景が描かれていたが、後世、黒く塗りつぶされる。ラファエロの最高傑作のひとつである。
     

 「無口な女(ラ・ムータ)」(1505‐1507)ウルビーノ、マルケ州国立美術館:ウルビーノからフィレンツェに移ったラファエロは、ダ・ヴィンチの絵画に感激し、大きな影響を受ける。「ラ・ムータ」は、モナリザに似る。なおラ・ムータがするルビーの指輪は、当時の流行。
        

 「聖家族と仔羊」(1507)マドリード、プラド美術館:レオナルド・ダ・ヴィンチの「聖アンナと聖母子」にも仔羊が描かれる。仔羊は生贄であり、イエスがやがて、人類のため犠牲となることを暗示。
     

 「エゼキエルの幻視」(ca. 1510)フィレンツェ、パラティーナ美術館:エゼキエルは、バビロン捕囚(紀元前597年)の時代の預言者。彼は、バビロンにおいて、捕囚民の精神的指導者となる。エゼキエルは、イザヤ、エレミアとともに3大予言者。彼は、父なる神が、智天使ケルビムを伴い、鷲、人間、牡牛、獅子(新約聖書の4書記を象徴)に曳かれた「玉座」に座って現れるのを、幻視した。