現在の特諜最高主権自覚者は過去、そして現在抱える煙くすぶる不手際が多き炭案件と、長くなるであろう京との懸案事の支配を不安視する組織文化上の無言の圧力に晒され、その強度を自他は公認、に関する無言、無音の水墨画描画の時を当事者が 。
年齢四十九のその人物は数年前から到来を予感していた死期を自ら選ぶ事とし、下旬前、“月技術製の薬を以って、ここに我が無痛自害の壺を置く也”を的、を形容から見事に完全滅却なる、己最後に中から吐きし、自己中心の詩編、知行合一(ちぎょうごういつ)とします。(知行合一、非意図性と脳が付随的に起こす思考にとっての余波の二者を、他者や状況によって提示され、いずれを自己の主体意識とすべくか、主体意識の乗る思考が強く捉えていくべく使役されていくかについて、無知を決め込むのか、なる長文論題を避けるべくの強固な行為衝動人生者)
情緒混じりの動乱事に関しては排出構造にあった組織は外部排出へ驚きをさっさと表明し、京へ派遣する外交使節団への冠を新たな者に被せます。
仕事、及び評価法の全てを声色をとする人物評価の二点に於いて、組織同輩の肉体生理が溶かさぬ芸術品への感動の氷の深みなる事、次席にあった生前の最高主権自覚者より二十数倍であり、組織内では首席評価に立っていた年齢三十四に成りゆく年に立つ次期特諜最高主権者筆頭候補です。
この男は場馴れは数多く済ませていました。
異星人の手練諜報員との交渉、怒鳴り合い、集団同士で小型拳銃を向け合っての乱暴成分の混在ならぬ、異星人との肚(はら)の知的抉り合い、意味深ににやつくのみが真の生業であった女性の異星人六名を一切怒鳴り声や脅迫を混ぜぬまま、一人で全員泣かす「危険だから機械案出のそんな態度は止めておけ」、四つ目や有角人といった異人種への拷問、処刑、京の忍者との無言のまま突然開始の白刃(しらは)当てにして刃傷沙汰(にんじょうざた)、至近距離での睨み合いで六度の全勝、泣かしめ。
過去二百年の特諜の歴史上、年齢の若年度に於いては二十九に次いで、歴代二位となる若き最高主権者に君臨したその男は先代への弔意(ちょうい)を手早く済ませ、謎の国家緊張事態の一里塚を直前に控え、既に掌握済みの京側の最高主権者の素性の再確認に移ります。
“年齢は四十二と若い。
日々の歩みの衝動源と目的とは謎。
下劣さを深く嫌うが孤高と言うより、自己捻出憤怒そのもの。
同属性には談笑に応じるも、基本的に御苑や芳名公家との交際は皆無であり、謎の手法を通じての、異星人象限と言わず高級漆(うるし)触感なる力の集約への勤しみの姿が見える。
皇族、高級官吏、文化人、異星人家系、または異常腕力芸能人、天眼通能力者、異常記憶力といった才覚者、そして公家いずれにも当たらない。
成金財閥の当主など、ただそれだけでは京では最も嫌われ、淘汰(とうた)される筈だ。
何者なのだ。
一体どうやって知恵の魑魅魍魎(ちみもうりょう)が巣喰うあの京の髷(まげ)に立ったのだ。(髷、公家装束の帽子の縦部分、巾子、こじ)
北京派遣の緊急にして本格的な装いの外交使節団は、外交応酬に於いて人間性能を最も発揮すると明代から経験上知る精神状態、“過剰な喜び事から修学意欲の目を逸らすべく図書目録覚えのみに向かう十九の良家の男子”へ調整すべく、天津(テンシン)港から船出した月技術の動燃機関を搭載した石炭船が寄港先に選びゆく高麗(こうらい)の九市浦(グシポ)港、日本の対馬(つしま)、博多、志賀島(しかのしま)、北九州市各地では歓談、酒、買春、軽い賭博、演技で陶酔に耽っての自慢談話へ意図的に没頭します。
交渉事を支配したがるなる、みなぎった闘争心、国家命運を背負っての不退転の血盟書、知的疲労の機とは明代半ばから市政は可能な限り回避を選んでいました。
黒煙を上げつつ後部で回転羽を回す石炭船が、大阪湾から淀川を上り、桂川と木津川の合流地点に差し掛かったところで一団は下船し、激しい往来が交差すると知るこの地で確実な馬車群の捕まえ、分乗を経つつ北に向かい京への訪問により“馬庸”、“玄関で並んでいる絹製の純白の鼻緒を、文化的過剰洗練意識に於いて敵おうとはせぬ事で田舎者を自認する者共が蹴る”を下品に喰らいます。(馬庸、左辺は馬一字、右辺はまだれを除く、警戒意識の縫合状態にある漢字概念群の紐解き操作とは触れぬ故存在する、警戒意識の消費推移、音読みとはバ)
個人的には七度目の娑(音読みを探すと、スイ)となる、一団の若き真の頭目の務めは次第に視界で存在を主張しゆく街灯、コンクリートで舗装済み道路、高さ百メートルを優に越える高層建築物には驚きを漏らしません。(娑、サンズイ偏の右は京、女の代わりに水を置く一字で、京の水に浸かる、転じて京に足を必ず踏み入れてしまう、つまりかつて訪れゆきたる我)
“天津(テンシン)、寧波(ネイハ)にも既に見える発展の方向性だ。
精神疲労の負担面積を、狭い京程度に圧縮すれば必ずいずれ実現を見ゆく。
試算は済んでいる。
止めた方が是(ぜ)也、とも。
嫉妬の蒸気は理性の土を枯らす雨を降らせゆく。
北京の証券取引所兼、品目競(せ)り場は一階建てだが広さは縦六百、横二千メートルだ。
以前訪れた事がある、屋上で昇り鯉(こい)を風で揺らすあの百メートル以上の高さの時候品目展示施設とどちらが勝つだろうか、いや止めておこう。(勝つ、内的印象の抗し難い自動的漢字化、比較の後の判定事)
京に対して勝つとして、これに貢献せしなる広さや多機能性何らかの内なる硝子箱に立つなる色白倭人形を京は懸命に探し、実に認め、真の微笑の鳥を放つ事で勝ちへ力んだ他方の精神へいたわりを命じてくる。”
堀川通の西側に並ぶ、高さ四十メートル台の水道会社社屋の屋上の糸は、薄い青色と桃色の大小のゴム風船群が連結して魚のマンボウ状なる縦横四・五メートル大の企業印象広告を浮かせています。
隣のこの社屋と同様にインド地下の月人の居住区製造の真鍮(しんちゅう)、銅、合成炭素製材の複数の骨を柱を収めた、高さ二十メートル台の金星産のコンクリート材質建造物が本社として管理する書類は洗面台、樹脂製浴槽、一人一週間分が四千円価値の植物性洗髪料、現代流通のよりも二・三倍大で一個六百円価値の植物性石鹸、一本六百円価値の樹脂製歯ブラシ、樹脂製歯間糸、現代では旅行携帯大にして一個二千二百円価値の植物性歯磨き粉、植物性手洗い料、化学樹脂製呂雨瀘(らまろ)現物、真鍮製手鏡、植物性入浴剤、部屋用の植物性芳香剤、植物性香水、浴槽室向けの装飾植物の樹脂製模型といった品目を扱っています。(呂雨瀘、シャワー、要水道栓、代金は水道代で払うべし)、(歯磨き粉、少量ずつの使用なら三カ月の花瓶)
“衛生観念周辺用品の会社とは光企業也との強引な宣伝の恥は忍んで仕事に臨むべし”との自己訓育は、金星人との交際水紋、非言語圧力の漂着結果で、この社屋屋上で浮くいわゆる未確認飛行物体状の、含意把握者不在なる風船広告は京人(みやこびと)との精神的正対、成熟度の彼我(ひが)の認識の機を恐れた金星人が逃避的嘲笑目的に絵で示し、“私達が乗って来た船だ”と信じ込ませた意匠でした。
美観の中心的牽引階層のカンザシを公家の二十代女性としていた京は、堀川通沿いのこの衛生観念周辺用品の本社社屋を、京の公家階級の日々の鋭角行動意欲の水源の枠に捉えていました。
清の一団の三人から五人乗りの馬車群は、予定通り感じていない長旅の疲労には効かず判定なる、一単価七百円から九千円にわたった品目群、小豆(あずき)抹茶のかき氷、容量は約三合(ごう、百八十ミリリットル)の竹筒状の檜(ひのき)または桜製材の長方形の器に入ったみぞれ氷入りの葡萄(ぶどう)炭酸水、蜜柑混じりの乳製品が棒を包んだ氷結菓子、角切り状のメロン、梨、西瓜(すいか)を納めた木箱、ネタがワサビ入りのイカと紫蘇の葉のみの寿司の木箱、マンボウがネタのみの寿司の木箱、イルカがネタのみの寿司の木箱、木箱満載の紫蘇の葉が巻き付く細く丸いキンツバ、木箱狭しとひしめく桜餅饅頭、木箱を埋めんばかりの赤福と酷似の和菓子、木箱に満遍無く詰まりつつ、内側にはかなり柔らか目の餅を収める砂糖由来の甘味料と桜の花びら製の桃色の睡蓮の花びら一枚ずつが下半身中央に晒す、あなた様の喰い意地への堂々とした勘弁願いが如く、今更の不謹慎さ、猛り尖りし蕾(つぼみ)と湿り呆けて開きし少女の口とはやはり桃色睡蓮、渡月橋(とげつきょう)の前に立つ舞妓や、先斗町(ぽんとちょう)の風景、浴場での上半身裸体の美人を収めた白黒の写真、重鎮風貌の舞妓を収めた配色有りの写真、長方形のガラス瓶に入る、ウオトゥカ以上の分留回数を経た水銀状に振る舞う植物性油脂の味の無い分留物質を車中での歓談意欲に溶かしつつ堀川通を走ります。(キンツバ、和菓子の一種)、(分留物質、健康に害を有する、を京人も知らずなる事故流出品目、化粧水の製造向けに金星から漂着せし金属製の分留器の操作者は京人にして製造工程全貌の眺望者は不在)
“使節団の冠か。
交渉事に向かうには派手な自認徽章(きしょう)だ。
三日目の面会当日に向けての精神は刺激を浴びる機の多い京でも調整は間に合うだろう。
まずはこの葡萄炭酸水の刺激を霧散せねばならん。
以前博多で飲んだ事がある味より強過ぎる。”(徽章、否定不可能なる価値、それ故恥との恐れの源、貨幣の刻印事)
馬車が二度止まった馬車駅以降、一団が既に知る京の挨拶を各々の人生の快活腕力の源、六象限の底は毎秒貪欲に輸入していく事になりましたが、例えば一人の若手、精神自在也の歩みの筋肉とは、近海での海賊跋扈の影響でゲテモノ食品市場として名を馳せていた博多や、大規模な株式銘柄取引場が大量の米と日本酒の流通を牽引していた難波(なにわ)、そして京に赴いての見聞、検分事の二十代にありました。(難波、大阪)
馬車群は堀川今出川で西に折れ、千本今出川から北に向かい、千本北大路で止まります。
条件を入念に伝えられた連絡役が、ここの南東の角の宿を選別し、予約を手配しており、予定ではここが一団の約二週間の滞在先です。
午前十一時十分に宿での記帳事を済ませた使節団の構成員四十四名は、滞在中に関する周知事、“懸蝋(ケンロウ、物見歩き)中の誰何沙汰(すいかざた、呼び止め事態事)に際しては、一切の抗弁無きままの潔(いさぎよ)さと共に身分証を当局に明かした上、宿据え付けの固定電話と交信を結ぶ押下(おうか)回数を告げるべし”を再確認し、宿での電話番役の順を示す走り書きを手に、各々の職務上の関心が向かっていた先に散って行きます。
冠は到着初日は以前訪れた事のある金閣寺界隈への徒歩での一人の散歩の後は、宿の一人部屋で明日の予定を練る事としました。
二日目は現在の京都駅前の電気店、京都ヨドバシが占める面積から東を除いた方向へ一・二五倍に広がる、京の商工会議所機能を担う高層建築物の一階から五階までへの物見遊覧の時です。
入口の回転扉の前で現代の欧州の王宮衛兵の制服意匠と似る出で立ちの警備役に身分証を示し、中に入ります。(当時の民度密度とは、身分証の偽造履歴を有するなる意識の足の裏への小石の尖り事への連想とは回避不可能を常に命じており、身分証属性を主張なる携帯品目への目利き役は、脳が嫌う文字の散りと、固執しがちな文字密度の相克、及びこれに大して子供の通学態度なる振る舞いにあり続ける、表記の走り具合、血肉、勢いを観相として選び、判断を下す)
すると、執務外にあっても自己に長らく禁じていた驚愕に身を許してしまった一瞬前のいつかに、約百名もの異人種形象に視界の手綱が奪われたであろう事に言及が間に合わず、つまり長らく気付かなかった時が過ぎ去った事となります。
“京は他の星に港を開き、いや台灣か、白幕を糸で天井へ吊っていく大規模な仕事を茎に飲ませ、何の映画を上映しようとしているのか。”(台灣、過去百年間、月人と金星人の自然行楽地)、(白幕、別の京訪問時に既に入館経験がある四条河原町からやや北の、配色有り作品を上映していた映画館)、(茎、力概念の渦しまりの器何らか)
以降長らく、あまりに多くの異星人種を知る事により、三十数年にわたりこの若者にとっては、視覚価値を存在忘却の鞄に入れ続ける事になる大人数から成るグレイの外星文化視察団は、外星人を常客とする上京区所在の大型旅館、ねおの屋上を宇宙船を近づける浮遊場に選んでの、京での品評(ひんぴょう)の最中です。(品評、作品などを評価する)
八メートルもの天井の高さにも関わらず、観葉植物が散在するのみのがらんどうの四階を除き、一階から五階とは建物全階を照らす、光量とは無調整、野放図の感の一メートルから三メートルの棒状、円形、正方形、長方形の電灯の下、幅四メートルの歩行領域の左右に並び立つ、新品の檜の香り高らかな木の台座の上の月技術製の真鍮(しんちゅう)の水道関節部品、南米産のアンモナイトの化石、直径二メートルの金星製の地球儀、京が金星技術で製造せし棒覆い状態の避妊具、左右への永遠運動にある金星製の特殊合金の振り子、明の掛け軸の風貌、筆致を機械模写した月の街並み風景の絵を抱く掛け軸、半日を十九分割表示している月語表示の時計、月人が謝罪の意を込めて製作した硝子箱入りの十八センチ大のグレイの人形、天井無しで四人乗りの月製のガソリン駆動車、同様機序の二輪車、立ち乗り式の原付形象、京、金星産の絵画、芸術品風貌の立体展示物、穿(うが)たれし衒学暗示への言い当てを待つ芸術品、和風居間の小型模型を天井から照らす巨大な電灯、月から漂着の船の電動型駆動機、前方歩行、左への曲がりのみ可能なネジ巻き駆動器内蔵の京人形、見る者の理性を美しくするとの意図、色付き硝子石、金魚模様を呑みし縦、横、高さ三十、四十センチのお椀状の京製の硝子細工、金星から漂着の縦一メートル、横一・八メートル、奥行き十センチのテレビ画面、同じく金星から漂着の理性への強制的振る舞いが無罪らしき映像情報が濃密に収まると主張する円形のDVD型記憶媒体二枚、月から漂着のラジオ機器、同じく月から漂着の携帯型毛髪乾燥風噴出器といった、異常標高を好きに泳ぐ昇り鯉、交際腕力咥えし、地上の循環には還らぬ魚の水槽が、京製の高さ三メートル、横二メートルの三面鏡、二十年前に御苑納入なる京製の百二万の価値の小型引き出しに加え、京の思考疲弊が陳列を呑みし、周囲に障るなる霊視済みの硝子箱入りの京人形、鰐(わに)の彫り物、不幸事を呼びし帯、着物、ワラジ、カンザシと共に並びます。
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