二百二十三面目 花柄の筆箱を包む物は その十一 け

北京、中海の西、霊境胡同沿いに立つコンクリ製二階建て建造物から地下へ下る階段を降りた先の地下空間を明代市政は接収していました。
　全面、こうした無機質外見



　床の材質　壁の材質
現在、ここではパソコンで描画されし北京、上海、難波の地図三点が広げられている大きな机を、電灯の光が照らしています。

　北京地図面積

　北京地図筆致

　上海地図面積

　上海地図筆致

　難波地図面積

　難波地図筆致

　電灯の照り具合
これらの地図は、宋代、西暦では千百年台での突如大規模化の相を許容せし二者、北京政経圏市と月の無数管区の交際の結果、北京市各地へ自然漂着していました。
月の、どこかの管区の都市を、斜め上方角存在の視点から眺めている巨大な絵、横幅二・四米、縦幅一・八米は、霊境胡同地下、厚めカーテンで区切られた機密保管室に管理されていました。





高層建築物、林立都市、労無き瞬時描画を即座に納得させて来るこの絵は明代に入念な分析に処されていました。
この絵、あらゆる注視点が、指が接触する前に、確実想像せしめるは、描画を担いし墨役、砂塵粒子素性のざらつく触感までをも、でした。
“機械描画品といえども作為性、露呈状態、計八点との指摘が導くは路上での下品抱擁。
その相手は絶対無視。
考慮不要とは、明への到着に向けて、存在が仮定さる、あらゆる類の困難、大小の峰、無数への踏破ごと。
人間組織議論、または機械判断、いずれが、この地図の郵送企画を統べていようとも、作為性、大露呈状態、これが意味するは、情理を頓服する巨大ナマズの胴体、菩提樹の下の釈迦の横臥姿勢気取り。
この指摘に対する回避不可能性とは、皆無。
分析試行数、あまたの内、一度として、例外は無し。
月面より地下深部にてご繁栄なる、月人お住まいの管区のご存在を宋代、北京市政は既に断定済み。(宋代、北京は他の市全てを抜きん出たる、月人との交際機会頻出市で、次席、南京はかなり後方)
この地図、西暦千四百七十年台、明、北京へのご自然漂着軌道がお誘いは、月の管区への訪問。
また、都市描画角度曰くの提案ごとは、二者交際の談笑題材。
医療透視機にて、二者の頭蓋内血管を、立体的に掌握していくとの難解な視野資源形成営為を、二者それぞれにとっての医療機器支配権力は、花として摘まみ取っていくべし。
眼球への、背後よりの支援機能議員、正確当選先議席を描画せし議事堂の絵、二者それぞれ分を、愛でていきましょう、と。
何と危険な事を云っておられるのだ。”

二百二十三面目　　　花柄の筆箱を包む物は　その十一　こ