京今新在家西町とらくああ三－十九

俳優松たか子、の家系、は京、祇園に遡っておられる。

隠し、抱え歩く名と、その所以、二者を、云わず続けであろうとする所以を、仕事に埋没する事に成功せし家柄だった。
こうした家柄、無数の内、お一つが例えば、“松”だった。
代々継承せし家業と、経済的に無根拠ながらだらしなく自分達が認める家柄の風体、これら二者が、何者も無作為ながら、二者自らが発せし朧気ながら、導かれし婚姻後家名は。
舞妓が、十二畳程の一般家屋の一間を選び、狂言を披露するとの、小振りながらも品格は懸命主演中少女のそれなる、小規模芸能興行を主催する業界の挨拶回りが、松の家業だった。
千六百年台、江戸時代初期、祇園にてかくなる興行を、小規模ながらも恒常企画する。
桜の花びら、大滝の壷にて舞い沈む様を、今、いや、いつぞやに、何者が、詩に歌い得るか。
激務度は、壮絶を極めた。
京人にとって、芸能の道を選ぶ事は、容易。
誰もにとって。
これが学問に非ず、人間を、人間に非ずへ、消しいく術、と陰で学者により忌み嫌われていた。
しかし、松は家業を変えられぬ、が定め。
そう定めしは京の在り様。
学者の御頭部はこちらに御参与中。
京の華やぎ、桜を知りいく少女の笑みは、永遠にここ、祇園が卸元。
口論には負けません。
松、女性はかくなるエデン出身者形象だった。

右京区、清滝を出て百年後。
ままこの顔、岡山出身人、一人と俺は京都で知り合ったが、彼女の場合、清滝からすぐ、西に向かって行った。
その結果、岡山方面で一大人種派閥を形成するに至っている。

煮込み系料理、調理器具、器具展示会場、これらの関係を、自己の人生にとって、堂々なる正当性を備える機会に身を進めつつ、好みの料理手順に一体化させる。
得意である、具材を切った後に、まな板から鍋への振るい落とし、の的役に滑り落ちいくは、ロウト状、円錐の斜面上に点在する三者。
かつて自己はこれらを、いかがわしくはなく、全く正当なる機会に、好き勝手に学んでいる。
ロウト状、とは理性、肉体、そして手、目、頭部、等、価値吸引器官、これら三者による毎瞬、高速演算装置振る舞い、“京けい”による相談結果形象の機能が該当する。
いかに、高尚、高速なる演算が為されようとも、ロウト状とは、人、世の表では云うべかざる、女の膣。
好き勝手に学んだ、ならばその対象科目は“京”により、自己認めざるが、厳として在る、ロウトの斜面上の料理油と化すは必定。
理性、肉体、価値吸引器官の三者は、日常作務科目の間を遷移する際に、好き勝手な学びとの興奮など、存在を認めず、その価値が、落ちぶれいく先とは、日常思考の滑らかさを資す潤滑油。
これは、ロウト状、人、世の表では云うべかざる、女の膣の機能を高しめる。
かくなる俯瞰上正鵠を、頭部は長く抱え歩かずべし。
はしたない。
調理器具展示施設を、検分しいく機会を、探しいく意欲の水かさの増しを報酬に、日常作務を済ませいくべし。
量が存分に達したなら、施設の所在地を、自己の視野資源が許容する限り、憶測を試みるべし。
索引書籍を用い、急いで正解所在地に出会いいかずべし。
四肢短き自己の在り様と、居間にて出会いいき、窮屈さにもがくべし。
もがきにより、頭を、煮込むべし。
次に、得意ではないが、日常を通じ、自己の頭に貯め込めし、りいきんさを、ほんの僅か、用いる事で、さっさと済んでしまう調理手順を要する料理を、実践する段取りを、何の気無しに、構想してみる。
すると凄まじく乱暴に、大希望が、頭部で爆出する。
現象の発生推移は、極めて非倫理。
以上を、数をこなし、嗜んでいく。
いつぞやかに、無数なる調理器具展示施設への、容易到達索引手帳を入手しておく。
この手帳の真価は、大希望、根拠貧相なれど、頭部内爆出を、自在支配議会の議長席。
乱暴なる大希望を、頭部内で連射する日常は、肉体に非ず、理性の飢え、これとの一生理周期を、医学的に掌握しいく事の、人生上卓効を大確信しいく。
乱暴であるも、大希望が牽引する人生視野は、蒔絵細工模様の箱の中、敷居枠の壁は夜桜と木マス持つ浴衣少女。
料理の徒弟段階の少女が呑むは料理酒とにごり酒、いずれか。
人生視野、自在編集への希望は、料理の腕の向上意欲以上に容易に、胃の空腹への即応人生予定との、田舎侍屏風を倒しいく。
以上を捉える言葉は違えども、中京、上京の二十台後半の女性は、料理、調理器具、展示施設の三者、影なる効能を煮込み、大希望、頭部内爆出を自在支配に至っていた。
着想源は、生活雑学辞典の文字の、さり気無い置かれ方、嫌われ方、選ばれ方、これらの仕方無さ。
執筆せし学者は、大希望、頭部内爆出、日常に無制限連射の術、無数種を知っていた。

四条烏丸から東、四条通りから北入リ各所には、小枝の桜、小品格への執着を隠蔽、霧散する様、商品、大量陳列なる日用品店が存在した。
執着の霧散と大量陳列は、いずれが先か、を追う者が居た。
ある時、気付くに至る。
二者の素性は、華やぎへの仕え、二種いずれか。
枝、花弁。
腕、手。
握り、枝先で握らず無力生らせ。
店番はこれらを、誰か一人の頭のうちで、言語弁別させようとはせず。
これが、強いられしは大樹なる幹、地よりやや上と、天を桃色に穿つ爛漫なる桜花、これら一見相反なる二者の折衷弁当。
二者は、政治的視野では、共に華やぎが象限。
小品格への執着の霧散と、商品の大量陳列は、店番にとっては、ある種の逃避との捉えが可能だった。
理不尽なる、原子炉措置、人間の上品感慨のある標高を執拗に狙い続けし品格物の製作及び、店先陳列との、人非ざる仕事、過去を隠蔽する上で。
そうする一方、ともかく、店番と、店は、人を追っている。
人の目が、何か、華やかそうな物を見付け、これを頭に上映し、評価を仰ごうとする時を、お過ごしになるべく。
かくなる、捉えは、すぐさま、あみだくじの線を変える。
到達先、捉えの価値は変わらずであるが、到達推移を、覗きいじる万華鏡の景色が如く。
実に華やかに。
以上の言及法をどれか一つ、変えるのみですぐさま。
何故であろうか。
その故を、追おうとするならば、理性への甚大負荷と、これを選ぶ無意味さが、教え諭されいくと感じる。
自己の理性に非ず、世の何者かとの、無味乾燥なやり取り可能性を枯らす非倫理さ、これそのものにより。
均一企画にて、華やかさの摘ままれを待つ商品を、季節を問わず、置き並べる店の判断の奥座は、何故こうも、散り舞う水蒸気を乱反射する光の相なのであろうか。
華やかさを、世に配ろうとする営為、これとの一政経上企画は、花の茎を、店先に生けようとする。
この時、人の心を、物、規格の配下として、使役する。
これが根源也。
華やかさの根源を追う者は、既に当該華やかさを、貪っている。
云わば人の心と、店先陳列という政経上企画をまたぎ、交わっている。
これでは、知性は華やかさを追えず。
何故、散り舞う水蒸気を乱反射する光の相が、顕現するのか。
一政経上企画により、使役されてまで、世の人、誰ぞの心を華やかにしようと振る舞われた、どなたかの心と、交わる際に、美酒を呑みての、知性の時は、自己にとって大いに絢爛。
華やかさの根源は、何者も掌握出来ず。
その者は、必ず掌握に先んじて、人様の心を貪り、酩酊にあるが故。
品格志向企画物、画一的大量陳列の所以を、人は明らかにする事は出来ない。
四条烏丸、白楽天町の学者、四条通りを歩みし、夏と秋、二季節をまたぎし考え事の結論は以上。
何故、知性は攪乱に出会うのか、への答えは、既に他者の心と交わりし我がそれ。